2019年の首都圏最後のビッグマッチとして開催された

10・14両国国技館大会。

 

4大タイトルマッチ(東京ドーム・IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦を含む)

を目玉にカード編成さていたが、第4試合が圧倒的な支持を得る結果となった。

 

今年3月、獣神サンダー・ライガーが正式に引退発表して以来、

鈴木みのるの仕掛けにより完全に火が点いた格好のライガーvs鈴木戦。

 

じつに半年にわたる抗争は、行きつくところまで行った感もあった。

鈴木が「おい、ヤマダー!」と禁句を口にすれば、

ライガーは、「両国は試合じゃない、殺し合いだ!」と宣言。

 

あらゆる意味で予測不能だった3度目の一騎打ち。

ライガーは過去2戦と同様に上半身裸のバトルライガーで登場。

この瞬間から会場は出来上がっていた。

 

 

試合は大方の予想に反して技術と技術、

意地と意地がぶつかり合う真っ向勝負となった。

 

闘いを制したのは鈴木。

みのる式エルボーを叩き込んでから、

いつもより両手のクラッチを深く組んでからゴッチ式パイルドライバー。

 

大の字となったライガーを見下ろす鈴木は、

さらにライガー目がけてパイプイスを振りかざした。

 

と、思いきやそれをポイっと投げ捨てて、

両膝をつくと深々と座礼。

 

国技館は大爆発。

涙を流す観客も多数いたようだ。

 

響いてきた。

ガッツリと響いてきた。

ライガーに引導を渡したうえで、

座礼によって敬意を表現した鈴木。

 

 

32年前、新日本プロレス道場で出会ったとき、

練習生だった鈴木はイギリス遠征から帰国した

山田先輩にスパーリングを挑んでいった。

 

道場での合同練習は座礼に始まり座礼に終わる。

スパーリングは両手での握手に始まり、座礼で終わる。

 

出会いから32年目の座礼で幕引き。

 

「32年のケジメはついた」と鈴木。

一方のライガーは「東京ドームまでに、もう一回シングル組め!」と猛アピール。

 

ライガー終焉まで2カ月半。

はたして、4度目は実現するのだろうか?

 

セミファイナルでは、明らかに勝ち狙い、

結果をもとめ慎重に理詰めにEVILが挑んできた。

 

 

それをカミゴェで粉砕した飯伏が権利証を死守して、

1・4東京ドームで最高峰への挑戦を決めた。

 

それを受けてのIWGPヘビー級選手権は通算8度目、

今年だけで4度目のシングル対決となる

オカダ・カズチカvsSANADAの同年代ライバル対決。

 

36分を超える激闘を制したのは絶対王者だった。

リング上で初めて悔し涙を流したSANADA。

 

金テープが降りそそぐエンディングシーンのあと、もう一度マイクを持って

「2020年の東京ドーム大会は、俺が超満員にします!」と宣言したオカダ。

この公約も予想外のひとことだった。

 

 

いま現在、日本で開催中のラグビー・ワールドカップが凄まじい盛り上がりを見せるなか、

オカダはあえて自分自身にプレッシャーを掛けるべく大胆発言。

 

これが日本のプロレス界の頂点に立つ男の心意気だった。

 

 

今回の新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトの

10・14両国大会総括レポートでは、

ライガーvs鈴木とオカダvsSANADAの2試合を中心に書かせてもらった。

 

ライガーvs鈴木戦に関しては、7年前に実現している

忘れられがちの2度目のシングルマッチに関しても触れてみた。

 

また、オカダが何度も「負けたくない」と発言した

ラグビーW杯についても私なりの見解を記している。

 

『号外!“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信』!

今回は「ライガー戦はみのる流の“恩返し”!?

 ラグビーW杯を観てプロレスに危機感!?

10.14両国決戦を大総括!!」https://www.njpw.co.jp/221549

 

まあ、とにかく読んでみてね!