只今、絶賛開催中の新日本プロレス『BEST OF THE SUPER Jr.26

(以下、『スーパージュニア』)も、いよいよ後半戦に突入した。

 

5月22、23、24日に行なわれた後楽園ホール3連戦は大きな山場。

この試練の3連戦を乗り切ったところで、先の展望が若干見えてきた。

 

Aブロックでは、鷹木信悟が無傷の6連勝(12得点)、

それに5勝1敗(10得点)で石森太二がつづく。

 

Bブロックでは、ウィル・オスプレイエル・ファンタズモが、

5勝1敗(10得点)で首位に並んでいる。

 

ここからは、優勝戦線云々の話ではなく、

会場で取材したり、新日本プロレスワールドの解説についたり(5・24後楽園)、

新日本プロレスワールドで観戦した地方大会などから感じた印象。

 

まず、昨年10月にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに加入して以来、

シングルでもタッグマッチでも、フォール負け、タップアウト負けが一度もない鷹木のこと。

 

この『スーパージュニア』で鷹木に記念すべき(?)初黒星をつける男は誰なのか?

そんな裏テーマがいまここにきて一段とクローズアップされてきた。

 

 

開幕から破竹の6連勝を飾った鷹木。

ストップ・ザ・ドラゴン。

いまとなっては裏テーマどころではなくなってきている

それほど、信悟の試合内容は充実している。

 

とくに、素晴らしかったのは現IWGPジュニア王者である

ドラゴン・リーと闘った5・23後楽園メインの”ドラゴン”対決。

 

シリーズ開催前のオフィシャルサイト・インタビューでは、

メキシコに行ったこともないし、ルチャは苦手」と語っていた鷹木。

 

おいおい、どの口がそう言っているんだ……(笑)。

凄まじいまでにガッツリ噛み合った両雄。

デス・ヌカドーラか、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンか?

 

紙一重の勝負はラスト・オブ・ザ・ドラゴンが制した。

いまやメヒコの英雄であるリーによる日本マットでの名勝負といえば、

高橋ヒロム戦、石森太二戦とあげられるが、

今回のリーvs鷹木もそれに並ぶような内容を見せつけている。

 

ま、そりゃそうだろ!

なにしろ古巣のドラゴンゲートのリングで、

鷹木はジャパニーズ・ルチャをこれでもか!と経験している。

リーのようなルチャリブレの枠を超えたルチャ戦士は大好物なのである。

 

座右の銘にある通り、我道驀進中の鷹木信悟。

公約の全勝優勝は現実のモノとなるのか?

あるいは、いつ誰が鷹木をストップさせるのか?

 

Aブロックのテーマはそこに集約されそうな気配だ。

 

一方のBブロック。

唸らされたのは、5・23後楽園ホールのセミファイナルに組まれた

ウィル・オスプレイvsバンディードの公式戦。

 

いやはや、セミでここまでやってしまっていいのかい?

これじゃ、メインに立つ2人はキツすぎるんでないかい(北海道弁)?

(※結果的に、メインのリーvs鷹木も負けなかった)

 

 

そこまで心配してしまうほどの究極のハイフライヤー決戦と化した。

思い出すのは、2年前の5・27後楽園ホールで実現したリコシェvsオスプレイ戦の衝撃。

世界を驚愕させたハイフライヤー対決に、あのベイダーが「プロレスはダンスではない」とクレームをつけ、

その因縁からイギリスRPWでベイダーVSオスプレイ戦が本当に決行されたのだ。

 

あの伝説の鳥人対決を彷彿させると同時に、

冷静に見ればあの一戦よりも互いにハードヒットだったこともわかる。

 

バンディードも想像を超えたポテンシャルの持ち主だったが、

オスプレイの無差別級パワーは驚異的。

 

いつもいつも私の予想が当たった試しはないのだが(苦笑)、

もし優勝決定戦で鷹木vsオスプレイが実現したら、

こりゃあカネを払っても観てみたい極上カード。

 

ま、いずれにしろ仕事なのでおカネを払わずとも取材に行きますけどね。

 

その他、個人的に注目すべき存在はロビー・イーグルス

現在、3勝3敗(6得点)という戦績だが、内容が抜群にいい。

イーグルスが初来日したのは昨年10月のこと。

石森のパートナーとしてジュニアタッグリーグ戦にエントリーした。

 

そのときは、線の細さが目立ったし、

試合運びにドタバタした感は拭えなかった。

 

それから、わずかに7ヵ月。

見事な成長ぶり。

新日本マットに慣れたせいもあるのだろう。

 

スピーディな打撃、空中戦と

足攻めを中心としたグラウンド攻撃。

そのバランスがいい。

 

じつは24日の後楽園ホール大会終了後、

バックステージのトイレでライガーとバッタリ出くわしたのたが、

ライガーと私の意見が珍しく(笑)…ピタッと一致したのだ。

 

ねえ、ロビー・イーグルスよくねえ?

 

いいいい。ホント成長したし、バタバタしなくなったよね?

 

そうそう、緩急のつけかたもいいんだよね!

 

そういえば、5・24後楽園Bブロック公式戦の

ロビー・イーグルスvsDOUKIは当日の私的ベストマッチ。

 

DOUKIの持ち味も存分に出た一戦だった。

 

いやあ、オカダも内藤も棚橋もSANADAもみのるも石井もいない

後楽園ホール3連戦なのにおもしろすぎて疲れたワ。

ウチらがちょっとシンドイと思って取材しているのだから、

当然のように選手たちはもっとシンドイわけだ。

 

さて、6・5両国国技館メインイベントの晴れ舞台に立つ男たちは?

まだまだ予断は許さない状況なのであーる。

 

【おまけ】

 

昨日(25日)発行の東京新聞・朝刊でプロレス特集が組まれた。

こちら特報部」の4分の1ページ以上を割いた大きな扱い。

 

タイトルは、『プロレスブーム再点火』で、

新日本プロレスを中心としたいま現在のプロレス人気の要因を

しっかりとわかりやすく記事中で分析している。

 

ふつうに読み物としておもしろいので、一般のかたにも充分とどく内容だろう。

もともと東京新聞はプロレスに対して好意的であり、

今回、私も喜んで取材に協力させてもらったのだ。

 

 

ぜひ、チェックしてみてくださいね!