プライベートの話だが、8月28、29、30日と東京ドームへ行ってきた。

7月末に、巨人ー広島3連戦のチケットを入手することができたから。

 

改めて言うまでもなく、私は子どものころからジャイアンツファン。

まさか1ヵ月後にここまで首位カープとのゲーム差が開いているとは…。

 

実際に、実力の差は歴然だった。

グウの音も出ないほどにやられて3連敗。

ドームに響きわたるのはカープの応援歌ばかり。

 

「今日もカープはラ~ク、ラ~ク、ラックラック♪ わっしょい、わっしょい!」

 

すっかり憶えてしまったのだ(笑)。

そして、時おり鳴り響く内藤哲也の入場テーマ曲(STARDUST)。

さぞ、遠征先のメキシコCMLLでも内藤は喜んでいるのだろうなあ。

 

一転して、こちらの気分は曇り空。

プロ野球は結果、勝敗がすべて。

だけど、試合展開にシビれるシーンがすこしでもあれば納得できる。

それが、この3連戦ではまったく見られず。

 

いまのジャイアンツの戦力ではカープに勝てる要素が見当たらない。

なんせ3戦目では、”主砲”鈴木誠也がお休みでも歯が立たなかった。

 

あ~あ、ストレスたまりまくり。

 

そんな気分を吹き飛ばしてくれたのが、31日、後楽園ホールで開催された

高山善廣支援興行『TAKAYAMANIA EMPIRE』だった。

 

頸髄完全損傷の大怪我を負いリハビリ中の高山を有志たちが支援する大会に

団体の枠を超え数多くの選手たちが駆け付けた。

 

大会終了後、メインイベントを務めた鈴木みのるが、

高山という男の人望に嫉妬しますね」と言っていたが、

それがすべてかもしれない。

 

ただし、裏を返せば、この『TAKAYAMANIA』は鈴木みのると、

DDTが中心となって動きだした支援組織。

 

世界一性格の悪い男と呼ばれながらも、

みのるの行動力と人望(?)も評価されるのは至極当然のことだ。

 

高山所縁の選手たちが次々とリングに登場する。

全7試合、それそぞれのカラーがあって、それぞれの一生懸命さが伝わってくる。

 

当日ちゃんとチケットを購入して観戦に来ていたのが吉田万里子さん。

たまたま観戦(取材)席が近かったこともあって、マリちゃんと並んで試合を観ていた。

 

他にも、バックステージで懐かしい人物に何人か出合った。

第1試合の時間差バトルロイヤルを控えた大谷晋二郎とは笑顔で抱擁。

そんなに久しぶりでもないはずなのに、懐かしさを感じて話が弾む。

 

2011年3月、両国国技館で開催された『ZERO1』10周年興行のメインで、

大谷と真っ向勝負を展開し、エベレストジャーマンで主役を叩きのめしたのが高山だった。

 

 

また、この日の解説陣は豪華絢爛。

佐々木健介小橋建太山崎一夫前田日明という面々が放送席に着いた(※敬称略)。

 

山ちゃんとはしょっちょう会っているから、いつものように雑談。

コバちゃんとは、両手でガッチリと握手。

2年ぶりくらいに会う健介とは抱擁。

 

そこでイチバン嬉しかったのは北斗晶と会えたこと。

本当に久しぶり……顔を合わせるのは3年ぶりくらいかな?

 

私と目が合った瞬間、駆け寄ってきた北斗に思いっきりハグされた。

互いに、満面の笑み。

 

そう、言葉はいらない。

ハグした感触は、元気そのものだった。

とても大病を患ったとは思えない。

健介同様に、北斗も私にとって戦友といっていい大切な存在なのだ。

 

 

アキラ兄いが休憩時間に挨拶に立った。

 

「高山! プロレスラーの身体はな、神経で動くんじゃねえんだよ!

魂で動くんだ‼」

 

この日、イチバンといっていい大歓声。

響いてきた。

ガツンと響いてきた。

 

 

その言葉を会場の後方から聞いていた小島聡が、そっと涙を拭っていた。

左膝前十字靭帯断裂によりレスラー人生最長の欠場を経験した小島。

9・9東金大会での7ヵ月ぶりの復帰戦へ向け、思うところが大いにあったのだろう。

 

 

新日本プロレス提供試合で、ぶつかり合った天山と永田にも大いに思うところがあった。

天山にとって、あまりに強大だった高山という壁。

2003年の『G1』決勝トーナメントの準決勝で初めて高山を超えた。

そのとき、天山の目からは涙が溢れていた。

優勝戦進出が決まった瞬間に、涙を見せたのは天山が初めてだろう。

 

「天山、泣くのはまだ早い!」

 

放送席では、中丸徹アナと私が絶叫していた。

だけど、それほどまで高山が強かったということ。

そして、ファイナルで秋山準を破った天山は悲願の『G1」初制覇。

 

その勢いを駆って、同年11月の横浜アリーナで時のIWGP王者であり、

難攻不落の帝王であった高山を倒し、IWGP初戴冠も達成した。

忘れようにも忘れられない宿敵であった。

 

 

永田にとっても、高山は最高のライバルだった。

過去のシングル戦績=2勝2敗

 

2002年、武藤敬司、小島聡、ケンドー・カシン、その他の新日本首脳陣が離脱し、

戦場を全日本プロレスへと変えた。

その後、長州力、佐々木健介も新日本を退団する。

 

新日本プロレス”冬の時代”のはじまりだった。

このとき、新日本の砦を孤軍奮闘で死守したのは永田だった。

その永田の前に現れたのが、高山善廣。

 

IWGP王者となった永田の初防衛戦の相手として、

2002年の5・2東京ドームで立ちふさがったのが高山。

ちなみに、この一戦は2002年度のプロレス大賞『ベストバウト』を受賞している。

 

それから1年、2003年の5・2東京ドーム

当時のIWGPレコードであるⅤ10を達成していた永田からベルトを奪取したのが高山。

まぎれもなく、2002~2003年の新日本マットをリードしていたのは永田と高山。

 

当時そういう闘いがあったから、新日本は生き残って、いまの隆盛があるのだと思います。

あのときに俺であり、高山がリングで闘ったのが根底の土台となって、

いまの新日本があるのだと思います

 

異議なし!

当時、外敵エースという新たな言葉も生まれた。

あの苦しい時期、永田時代高山時代は新日マットで同時進行していたのだ。

 

メインは、高山自身が「イチバン楽しかった時代」と振り返る

GURENTAIの再結成。

 

鈴木みのる&NOSAWA論外&MAZADAvs太陽ケア&TAKAみちのく&近藤修司の6人タッグ戦。

 

本来、鈴木軍の同志であるTAKAを容赦なく痛ぶるボスの鈴木。

乱闘が放送席までなだれ込むと、こんなプレミアシーンも。

 

 

みのるの宿敵であった健介、小橋が順番に彼らの代名詞でもあった

逆水平チョップをみのるに叩き込む。

かなり距離があったので、ショッパイ写真ですいません(笑)。

 

それにしても、健介vs高山小橋vs高山は日本マット史に残る名勝負だったし、

健介にとっても小橋にとっても、高山との遭遇、激闘は彼らのレスラー人生に深く刻まれた思い出だろう。

 

 

メイン終了後、ビジョンに高山が登場しファンへのメッセージ。

それだけにとどまらず、親友にしてライバル・鈴木みのるへの宣戦布告も。

 

そうこなくっちゃ、帝王じゃない。

みのるも言い返す。

 

「いつまで寝てるんだ、高山!

てめえのトドメは俺が刺してやる!」

 

かつて、悪童コンビとしてプロレス界を席巻した高山&鈴木のチーム。

向かい合えば、拳を固めグーで殴り合った両雄。

これ以上のエール交換はない。

 

 

最後は、みのるが音頭をとって、

選手、会場が一体となって、

 

「ノーフィアー!」の大合唱。

 

いい大会だった。

闘いがあって、ハートがあって、

そこに共通するひとつの大きなテーマがあった。

 

メインを終えて、バックステージでのインタビューに応じたみのる。

ここ数年、バックステージでのみのるはいつも大荒れ。

敗れたときは、セットを破壊し、若手選手に八つ当たり。

勝ったときでも、ニコリともせず厳しい表情を崩すことはない。

 

 

この日ばかりは違った。

そこに高山がいるときと変わらないGURENTAIの様相。

 

これで高山の帰ってくるリングができた

 

そう言って笑顔も覗かせたし、

「ノーフィアー」ポーズのサービスショットも披露してくれた。

 

 

これが、素の鈴木みのるでもある。

大成功、大盛況。

 

この模様を『Abema TV』の生放送で観戦していたであろう

高山もきっと満足したに違いない。

 

いやいや、高山のことだから悔しい思いで観ていたのかも。

そこに俺がいないと、まだまだ不充分だろう!

そんな感じかもしれない。

 

やっぱり、プロレスっていいなあ。

個人競技でありながらも、テーマをもった団体競技でもあるのだから。

それを思い知らされた1日でもあった。

 

追伸

 

当日のマスコミ受付に、高山夫人の高山奈津子さんがいらっしゃいました。

美人で聡明、スタイル抜群の奈津子夫人。

 

高山選手が焼き鳥屋『胃袋摑みーStmach Holdー』を開店していたころ、

5回ほどお邪魔して、奥様とも顔見知りになりました。

 

いつも冗談ばかり言っている私がくだらないジョークを振っても、

見事に切り返してくれる奈津子夫人。

 

この日、受付けで再会したところ顔色もよく笑顔で迎えてくれたので、

またつまらないジョークを言ったところ、しっかりと切り返してくれました。

 

お元気そうで、なによりです。

そちらのほうも、私なりに心配していたものですから。

 

その傍らには、よく日焼けした少年が緊張の面持ちで立っていました。

高山選手にソックリ、ご子息ですね。

 

親父さんは復帰を目指して頑張っているよ。

キミも負けずにガンバレ!

 

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口座名義:TAKAYAMANIA タカヤマニア 代表 高山奈津子

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