18日、韓国最大の総合格闘技団体『ROAD FC 049

韓国・ソウル市「ビスタ・ウォーカーヒル・ソウル」大会

に出場した藤田和之が、みごとに1本勝ち。

 

今年5月、同団体の『ROAD FC 047』(中国・北京大会)にて、

コン・ハンドン(中国)を破ったのにつづいて

MMAマッチでの復活を印象付ける連勝を飾った。

 

 

前回の勝利が10年ぶりのMMAマッチ勝利となったわけだが、

連勝となると約12年ぶりである。

 

今大会での対戦相手は、ジャスティン・モートン(33歳/アメリカ)。

現役米軍ファイターであるモートンは、沖縄の格闘技団体『TENKAICHI』で

MMAルールのヘビー級王者として活躍する猛者でROAD FCには初参戦。

 

 

試合は、無差別級の5分3ラウンドで行なわれた。

1R、闘いは打撃戦からスタート。

パンチの技術では明らかに藤田が上。

 

モートンの打撃を封じ、二度グラウンドに持ち込むシーンも見られたが、

極め切れずに1Rはタイムアップ。

 

2Rに入ると、さらに藤田の打撃が冴える。

ヒザ蹴りと左フックで最初のダウンを奪うと、

追撃のパウンドから上四方固めへ。

そのまま得意のノースサウスチョーク

 

2R、1分19秒。

タップを奪い鮮やかな勝利を決めた。

 

そういえば、10年5ヵ月前の2008年3月8日

『戦極~第一弾』のピーター・グラハム戦

タップアウト勝ちを収めたときの決め技も

ノースサウスチョークだった。

 

東スポなどで報道されていた通り、

今回の藤田はそうとう自分を追い込んで闘いに臨んだ。

 

大会直前の2週間、ロサンゼルスへ渡ったのだ。

行き先はもちろん、師匠であるマルコ・ファスの道場だった。

つまり、原点に返っての出陣となったわけである。

 

師弟の絆は健在。

やはり、マルコからは練習メニューだけではなく、

厳しいアドバイス、檄を飛ばされたという。

 

「マルコはね、ここ最近のボクの試合をしっかりチェックしていたようです。

いきなり言われましたよ!

『フジタ、どれぐらいのペースで練習しているんだ?』って。

『ふだんは1週間に一回ぐらい』と正直に答えると、『そんなんじゃダメだろ!』って。

練習でコンディションを作って、試合には万全で臨むこと。

そうしないと、絶対に勝てないって説教されました(笑)」

 

やはり、藤田にはケツを叩いてくれる人物が必要だ。

それを考えると、マルコ・ファス以上の適任者は見当たらない。

 

マルコが昔話まで始めたんですよ。

『俺の苦い経験を知っているだろ?

アレクサンダー(大塚)に負けた試合があっただろ?』って、

20年前の話まで持ちだしてきたんですよね

 

そう、20年前の1998年10月11日、東京ドームで開催された『PRIDE.4』。

メインイベントでは、1年ぶりにヒクソン・グレイシーvs髙田延彦の再戦が組まれ、

腕ひしぎ十字固めでヒクソンが髙田を返り討ちにしている。

 

その日、大金星をあげて一躍ヒーローとなったのがアレクサンダー大塚。

第7回UFC王者(1995年)で、ヒクソンがもっとも恐れる男と呼ばれたマルコ。

そのマルコをTKO(2R終了時)で破る大金星を挙げたのだ。

 

あのときの状況をマルコが言ってたんですよ。

『怪我をしていたから練習もろくにしていないし、コンディションはひどい状態だった。

それでも、ファイトマネーに負けて試合に出た結果がアレだった。

いかに、練習、コンディションが大切かを身をもって知った苦い経験だったよ』って

 

たしかに、当時ブラジリアン柔術最強と称され、

ヒクソンさえ対戦を避けていた男が

アレクにボコボコにされる姿を目の当たりにして、

私も驚きを禁じえなかった。

 

アレクにとっては、大金星。

マルコにとっては、痛恨の大黒星だった。

 

「そういったマルコの話も響いてきたし、もちろん練習内容も濃くて、

いい感じで自分を追い込むことができましたね。

ほぼ練習通り、狙い通りに勝つことができましたし。

日本に帰ってきて、いま久しぶりに美味いハイボールを飲んでいます(笑)」

 

 

充実感が伝わってくるような張りのある声で、

藤田は率直な気持ちを吐露してくれた。

 

そういえば、試合後の藤田は、

「カモン、コリア!」と叫んでいた。

 

『ROAD FC』のホームである韓国ソウルで、

韓国人ファイターに宣戦布告した格好である。

 

どの国へ行ってもヒールを貫く。

このあたりのプロレスラー魂は、藤田ならでは。

 

次回も、ROAD FCの金網リングに立つことは必至。

47歳にして復活した野獣の3連勝に期待したい!

 

【おまけ】

 

先だって、10年ぶりに上野動物園に行ってきました。

30分並んで、ようやく見学できました。

 

 

アンドレザ・ジャイアントパンダではなく、

ホンモノのジャイアントパンダ。

 

後方が、シャンシャン

こんなに大きく成長していましたよ。

めでたしめでたし合格