1月上旬の前売りチケット発売から数日で完売となった

新日本プロレスの2・10大阪大会(エディオンアリーナ大阪)は、

5,481人(札止め)の大観衆で埋まっている。

 

当日の大会は、『新日本プロレスワールド』にて

私にしては珍しくリアルタイムで全試合観戦させてもらった。

 

うん、やはり結果が分かっている状況で見直すよりも、

リアルタイムのほうが緊張感があっていい。

 

途中で悠長にトイレに入ってみたり、

冷蔵庫からゴソゴソと飲み物を探している暇もないからね(笑)。

 

今大会のメインテーマは、CHAOSvsロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンによる

ユニット対抗5番勝負。

とはいえ、そのうちタイトルマッチが3試合。

しかも、王者は3人ともCHAOS勢。

 

だから、ユニット(軍団)抗争で何勝何敗というよりも、

ワタシ的にはその1試合1試合の内容と結果がイチバン気になった。

 

この日、私が注目すべきカードとして挙げていた3試合は、

やはりそれだけの中身を呈示してくれる試合になったと思う。

 

 

まず、過去シングルで5戦5敗のYOSHI-HASHIが内藤哲也に挑んだ試合。

同い年ながら、現状で両者の間には大きな差がついてしまった。

いまの内藤なら、YOSHI‐HASHI戦にメリットなしと斬って捨てることができたはず。

 

ところが、ありとあらゆる言葉を使ってYOSHI‐HASHIに点火しようとする内藤。

ここまでくると、もう内藤による”YOSHI‐HASHI愛”とさえ感じてしまった。

結局、いまの自分をすべて注いでも及ばなかったYOSHI‐HASHI。

勝って当然とばかり悠然と引き揚げる内藤。

 

その内藤を突然襲撃したのがタイチだった。

 

内藤、タイチ、YOSHI‐HASHIの共通点は、メキシコ

とくに、内藤とタイチはメキシコ遠征を経験してレスラー人生を一変させている。

このメキシコというキーワードをめぐって、

3選手の新しい闘い模様がみられるかもしれない。

 

 

つづいて、IWGPジュニアヘビー級選手権。

昨年の『BEST OF THE SUPERJr.』最終公式戦でウィル・オスプレイに敗れ、

優勝戦進出を阻止された高橋ヒロム。

 

あの一戦を契機に飛ぶ鳥を落とす勢いで突っ走っていたヒロムの勢いがストップした。

そんなヒロムからすれば8カ月ぶりに実現する純粋なリベンジ・タイトル戦。

 

 

前哨戦でも激しくやり合っていた両者は、

本番でさらに過激にデンジャラスにぶつかり合った。

もはや、オスプレイvsヒロムにしかできない闘い。

「現代ジュニア、ここに極めり!」と言っていい内容だった。

 

結果的に、オスプレイがⅤ1に成功したが、

大会ベストマッチとの呼び声も高い白熱戦だった。

 

 

そして、メインイベントのIWGPヘビー級選手権。

オカダ・カズチカにとっては10度目の防衛戦

この一戦で勝てば、棚橋の防衛レコードであるⅤ11が見えてくる。

 

挑戦者は、IWGPヘビー初挑戦となるSANADA。

 

過去のシングル戦績は、オカダの3戦3勝。

ところが、不思議なことにSANADAの完敗という印象が残っていない。

というのも、3戦ともどこか余力を残して敗れたという感覚が残っているから。

つまり、オカダ相手に100%のSANADAはまだ発揮されていない。

 

そういう部分にも、いまのファンは敏感だから、

前哨戦の段階から”SANADA推し”の空気が俄然高まっていた。

 

大阪の会場も同様だった。

圧倒的な「SANADAコール」が大阪府立を支配する。

 

それにしても、会場の空気が重いというか、

いつものIWGP戦と比較すると、

じっくりと間をとった攻防に観客がじっと集中している感じ。

 

 

この異様な静けさはなんなのだろうか?

そうか、王者のセコンドに外道がいないのだ。

この日、第5試合でBUSHIに敗れた外道。

そのダメージのせいか、セコンドに付くことがなかった。

 

いかに、外道の存在が大きいのか、それも再確認させられる。

みんな、どこかで外道のアクションを視野に入れている。

外道の動きひとつで、オカダの様子や状況を探っているところもあるのだ。

 

ある意味、そういったものさえ排除されたIWGP選手権は、

両選手による身体ひとつの勝負となった。

 

後半、SANADAの体幹の強さが全開となる。

エルボー1発で二度もオカダからダウンを奪った。

切り返し合戦でもSANADAが先手先手をとっていく。

 

それでも、勝負を決めたのは8度目に完璧に決まったレインメーカー。

修羅場の数で上まわるオカダが、

底知れずポテンシャルをもつ男SANADAをマットに沈めた。

 

2・10大阪大会で実現した反則、介入なし、

セコンドなしのアスリート決戦。

その異様な空気とリング上の高度な攻防、

あらためてSANADAの進むべき道など、

いろいろと考えさせられた。

 

そこで今回も、恒例の新日本オフィシャル・スマホサイトにて、

2.10大阪大会の上記3試合を中心にレポートしているので、

ぜひ、読んでみてくださいね。

 

そして、またプロレスについて、みんなで考えてみましょう!

 

『“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信』更新!

 今回は「激戦となったオカダvsSANADAは、なぜ“不思議な空気”に包まれたのか?

 2.10大阪決戦を大総括!!」

http://www.njpw.co.jp/130060