今年は、鈴木みのるにとってデビュー30周年イヤーとなる。

そこで、2月6日、ついに鈴木が30周年記念イベントの概要をぶちあげた。

 

思えば、10年前の2008年、6・17後楽園ホールで開催した

デビュー20周年記念「風になれ」も素晴らしいイベントだった。

館内は超満員札止め。

 

あまりにチケットが売れ過ぎたために、

サムライTV生中継の放送席が2階バルコニーに設置されたことも前代未聞だった。

 

そういえば、あの放送の解説を担当させてもらったのは私なのだが、

これもいかにも鈴木と私らしい何気ない会話で決まっている。

 

「俺の20周年の後楽園ホール、テレビ解説やらない?」

 

「ああ、いいよ」

 

鈴木とは、いつもだいたいこんな感じ(笑)。

だけど、あの大会も燃え上がったねえ。

 

鈴木の運命を変えた永遠のライバルであるモーリス・スミスが登場。

エキジビジョンマッチながら白の勝負タイツで臨んだ鈴木と、

5分間、打撃のみで渡り合った。

 

また、当時は全日本マットを主戦場にしていた鈴木だったが、

バトルロイヤルには、各団体の未来を担う若手選手として、

内藤哲也(新日本)、真田聖也(全日本)、KUSHIDA(ハッスル)が

同じリングで競い合っている。

 

そして、メインイベントはこれ以上ないほどに納得させられた。

サプライズで中村あゆみさんの生歌「風になれ」が熱唱され、

そのまま、あゆみさんはリングコールも務めた。

 

対角線に立っていたのは、もちろん、この男。

プロレス界の帝王・高山善廣だった。

お祭りムードゼロの凄まじいシバキ合い。

感情がエスカレートして両者、拳で顔面を殴り合う。

 

22分01秒、スリーパーホールで決着をつけた鈴木がマイクを持った。

 

「高山、いてぇーよ。

ありがとう!」

 

試合後、バックステージで救護室から出てきた高山がこう言った。

 

「鈴木みのると闘うってことはね、

ある意味、総合格闘技に出るよりも覚悟を強いられるんですよ」

 

これが、10年前の出来事。

それから、5年後のこと。

2013年の年明けだったと記憶している。

 

東京ドームか、後楽園ホールで鈴木と雑談を交わした。

 

「今年って、25周年じゃないの?」

 

「そうなんだよ。去年から、それをずっと考えていたんだけどね」

 

「記念大会とかは?」

 

「ずっと考えていたんだけど、これっていうものが思い浮かばないんだよ。

20周年のときにはすぐにアイデア浮かんできたのにさあ。

ということは、無理にやらないほうがいいっていうのが答えなんだろうね」

 

「とってつけたような記念大会はいらないよって?」

 

「そういうことだね。

だから、30周年で大々的にやれってことじゃないの(笑)」

 

あれから、また5年が経った。

私の前には、もしかしたら5年前よりも元気で、

5年前よりも強くなっている鈴木みのるがいる。

 

これは、昨年12月初めの会話だったと記憶している。

 

「来年30周年になるけど、ここにたどり着いたレスラーって数えるほどでしょ?

そのほとんどがセミリタイアの状態で達成したと記憶してるんだよね。

猪木さんが横浜アリーナで、馬場さんが後楽園ホールでたどり着いたのは印象深いんだけどね。

よし、すべてを超えてやろう!

あり得ない30周年イベントやってやろうと思ってるんだよ。

現在、奇跡の49歳。

来年は奇跡の50歳でね。

俺がこう言うとちょっとアレだけど(笑)、やっぱり出会えたすべての人に感謝だからね」

 

「そのとき、高山善廣も来場できたらいいよね?」

 

「そう、だから高山にはハッパかけてるんだよ。

俺の30周年には来てもらうからなって」

 

奇跡の49歳は、1・27札幌大会(北海きたえーる)で棚橋弘至を破って

IWGPインターコンチネンタル王者となった。

現在、ザック・セイバーJr.とRPWブリティッシュ・タッグ王座を保持する2冠王でもある。

 

さて、鈴木がついに概要を発表したデビュー30周年記念イベントは、

『大海賊祭(だいかいぞくまつり)』というイベント名のもと、

6月23&24日、横浜赤レンガ倉庫イベント広場で開催される。

 

 

入場無料の同イベントは、2日間で6万人規模を想定した土日イベントとして開催。

鈴木が生まれ育った横浜市の市民局、教育委員会の後援もとりつけるカタチでの野外フェスティバルとなる。

 

デビュー30周年記念試合はもちろんのこと、

親交の深い中村あゆみさん、ファンキー加藤さんのライブ、

なわとび・ダブルダッチの世界大会覇者『REGSTYLE』によるワークショップ、

鈴木が運営する原宿『パイルドライバー』のペイントも手掛けるイラストレーター、

左右田薫さんによるライブペインティングなども展開される。

 

「記念試合以外の試合も俺のプロデュースなんで。

ステージで歌う人、パフォ-マンスをする人、お店で並ぶ商品、

ファッション関連、飲食も、ぜんぶ俺の好きなものしか並ばない」

 

こだわりつづけた30年間の集大成を目指すイベント。

ちなみに、試合は1日=3試合、計6試合の予定。

 

☆鈴木みのるデビュー30周年記念野外フェスティバル

『大海賊祭』 横浜から世界へ!子供たちの可能性は無限大!

 

開催日時:2018年6月23日(土)24日(日)10:00~19:00 ※最終日は18:00まで
会場:横浜赤レンガ倉庫イベント広場(神奈川県横浜市中区新港1-1)
主催:大海賊祭実行委員会
後援:横浜市市民局、横浜市教育委員会
協力:SORAXNIWA、KAMINOGE、FUZZHEAD-STUDIO、株式会社セカンドファクトリー
※入場無料
■特設サイト(3/1よりオープン):http://www.piledriver.jp/event/gp/

【<大海賊祭> 出演者:※第一弾※】
プロレス:鈴木みのる
ライブ:中村あゆみ、ファンキー加藤
ワークショップ:REGSTYLE(DOUBLE DUTCH CONTEST WORLD[世界大会] 優勝)
ライブペインティング:左右田 薫(イラストレーター) ほか、順次特設サイトにて発表

【<大海賊祭> 実行委員会】
委員長: 相澤 正久(株式会社サンミュージックプロダクション 代表取締役社長)
副委員長: 馳 浩 (元文部科学大臣・衆議院議員・公益財団法人日本レスリング協会副会長)
委 員: 大橋 秀行(元 WBC、WBA 世界ミニマム級王者・日本プロボクシング協会会長)
委 員: 佐々木 主浩(元横浜ベイスターズ・元シアトルマリナーズ・日本プロ野球名球会 理事)
委 員: 西澤 明訓(元サッカー日本代表FW・元セレッソ大阪)
委 員: 酒井 正和(総合格闘技パンクラス・株式会社スマッシュ 代表取締役)
委 員: 吉澤 利男(有限会社ウィーブトシ 代表取締役社長)
委 員: 岡田 淳(赤坂匠税理士法人 税務部マネージャー 税理士)
事務局長: 鈴木 みのる(プロレスラー・株式会社パイルドライバー代表取締役)
 
◎追伸
いまから30年前の6月23日、横浜文化体育館の第1試合。
ブルーのショートタイツでリングに走って向かう若者がいた。
高校レスリング界でその名を轟かせた鈴木実。
対戦相手は、2年先輩にあたる飯塚孝之(現・高史)だった。
あの光景は、いまも鮮明に私の瞼に焼き付いている。
 
あれから、いやアレ以前から30年におよぶ腐れ縁。
私になにができるかはわからないけれど、
なにかできることがあれば協力したいと思っている。