第0試合も含めると正味5時間半興行となった今年の1・4東京ドーム大会。

いやはや、中身が濃くて凄まじいビッグショーだった。

 

観客数は、3万4995人

昨年度の動員数を9000人上まわった。

東京スポーツの報道によると、

実数で2000年以降最高の動員記録だという。

 

もっと驚いたのが、年明けからわずか4日間で、

新日本プロレスワールド』の新規会員が海外で2万人増えたという。

いかに、NEW JAPANの『WRESTLE KINGDOM』が世界中から注目されブランド化してきたか、

この数字がすべてを物語っていると思う。

 

 

会場のセットもカッコよかった。

ドーム興行では初の試みとなる

リング上の円筒型ビジョンがビッグマッチ感を大いに煽っていた。

 

試合は、第0試合から超サプライズもあって爆発した。

毎年、ニュージャパンランボーはお祭りムードで終わるのだが、

今回ばかりはいきなりジーンと胸に響いてきたのだ。

 

そう、21人目、最後の出場者として、あの垣原賢人が登場。

最初にUWFのテーマ曲がかかった瞬間は「やられた!」と思った。

私の隣で一緒に解説にあたっていた

山ちゃんこと山崎一夫さんが電撃カムバックか?

 

あり得ないと思いつつも、「えっ、山崎さんですか?」と問いかけると、

当の山ちゃんも立ち上がり背広を脱いだのだ。

 

そういえば、いつもテレビスタッフの集合時間より必ず早く会場入りする山ちゃんが、

この日は珍しく30分も遅刻してきた。

このための準備があったのか?

 

そう思っていたところで、入場してきた男がカッキーだった。

現在も悪性リンパ腫と闘いつづけているカッキ―。

新日本のリングへ上がるのは、2006年5月28日の引退記念試合以来だから、

11年半ぶりとなる。

 

天山にミドルキックを連射するカッキー。

一瞬にしてリング上は、新日本vsUWFインターの全面対抗戦の様相へ。

 

最終的に、最後まで残ったチーズバーガーを

必殺のカッキーカッターで破り優勝したカッキー。

 

その後、高山善廣Tシャツに袖を通すと、

リハビリ中の盟友である高山にエールを送った。

 

なんだ、なんだ、なんなんだ!

なぜに、第0試合からこんなに涙腺を刺激してくれるんだよ。

それほどカッキーの登場とリング上のファイトぶり、

マイクパフォーマンスは素晴らしいものだった。

 

さて、それ以降でいうなら、

私の予想を超えた内容を見せつけてくれたのが、

飯伏幸太vsCODY鈴木みのるvs後藤洋央紀IWGPジュニア4WAYマッチ

この3試合は東京ドームの2階席にまでとどく闘いだった。

 

そして、ダブルメインイベント。

まったくカラーの違う2試合でありながら、

甲乙つけがたいほどの名勝負だったと思う。

 

IWGP USヘビー級選手権。

ケニー・オメガvsクリス・ジェリコのノーDQマッチ。

 

1993年末から2年以上も日本のWARを主戦場としてきた

コラソン・デ・レオンことライオン・ハート

冬木軍で邪道&外道&ライオン道としても活躍した。

 

1996年8月に、クリス・ジェリコとしてWCWと契約。

新日本のリングにも上がったし、

WCWでnwoジャパンの総帥・蝶野正洋とも試合をしている。

 

そして、1999年8月、リスペクトするクリス・べノワ(ワイルド・ペガサス)、

エディ・ゲレロ(二代目ブラック・タイガー)のあとを追うようにWWE(当時=WWF)へ。

以降、18年以上もWWEのトップスターに君臨してきた。

 

 

タイミングと空気を読む天才は、

47歳という年齢を超越して魅せてくれた。

 

あの”本家”電飾ガウンで花道に姿を現した瞬間から、

死闘の末敗れ、介抱しようとするヤングライオンたちの手を払いのけ退場するまで、

ドームは”Y2J”ワールドに覆われていた。

ジェリコの一挙手一投足に釘付けとなっていた。

 

そのジェリコと渡り合ったケニーもさすがと言うしかない。

私が見てきたかぎりでは、ジェリコのベストバウトだったと思う。

 

 

この予想をはるかに上まわる大激闘を受けてのIWGPヘビー級選手権。

いかに、テッパンのオカダvs内藤といえども多少食われるかな?

という思いも抱きつつ観ていたのだが、こちらも弾けた。

 

その証拠に、入場の際には”内藤コール”一色だった声援が、

試合が進むにつれて均衡してきたのだ。

6対4で内藤支持というムード。

 

内藤の3度にわたるデスティーノをキックアウトした王者は、

3発目のレインメーカーを完璧に決めて勝利。

 

フィニッシュの瞬間は爆発した客席が、

その後シーンと静まり返った。

 

私の予想もそうだったのだが、

おそらく大多数の観客が内藤勝利を予想して、

「デ・ハポ~ン!」の大合唱を期待していたのではないか? 

 

この静けさは、バッドエンドということなのか?

 

 

いや、違った。

最後を締めたオカダのマイクパフォーマンス。

試合コスチュームをロングタイツにチェンジしてきたのと同様に、

その言葉は2018年の進化するオカダ、驀進する新日本を予感させるに十分なもの。

 

最強王者の誓いの言葉に、ドームの空気はあっという間にハッピーエンドへ。

そして敗れた内藤も、この敗戦でさえ自分の通過点であることを示唆している。

 

最強か?

最高か?

 

オカダ・カズチカか?

内藤哲也か?

 

このライバル闘争は、

この日から本当の意味で開戦となったのかもしれない。

 

ここに、もうひとり、4年前のリベンジに挑んだ男がいる。

2014年の1・4東京ドーム。

ダブルメインイベントの名のもとに、

実質セミファイナルへ降格したオカダvs内藤のIWGPヘビー級選手権。

 

その試合の実況を担当したのが、野上慎平アナウンサーだった。

あれから4年、ついに野上アナは同一カードによるメインの実況席へ。

もちろん、東京ドームのメイン実況は初体験の大仕事。

 

野上アナいわく「金沢さんは年齢差を超えた友だちなんです」。

そうかい?

友だちかよ…(笑)。

それなら、友だちとしてひとこと言ってやろうじゃないか!

 

「おい、野上。素晴らしい実況だったぞ!!」

 

 

ただし、もうひとつだけ言っておきたい。

 

「野上くん、キミが前に乗り出しすぎたせいで、

松井珠理奈さんがすこし隠れてしまったじゃないか!」(笑)。

 

というわけで、ビッグマッチ恒例のワタクシ金沢による

新日本オフィシャルスマホサイトの大会レポートが7日よりアップされています。

 

今回は、ダブルメインイベントにテーマを絞って、

バックステージでの秘話もまじえながらのレポート。

 

是非、読んでみてくださいね。

1・4の興奮が甦るとともに、

メイン2試合の価値観をあらためて考えることになると思いますよ!

 

【“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信】

「最強か? 最高か? オカダvs内藤戦は、新日本の“世界進出”を確信させる号砲だった!」

1.4東京ドームを大総括!!

http://www.njpw.co.jp/130060