師走です。

今年も残りわずか。

 

ワタクシ金沢、先だって56歳になりました。

まだ大学生だった20歳のとき、父が50歳になったと聞いて、

かなり驚いたものです。

 

「50歳って、もうおじいちゃんだよねえ!」

 

そんな年齢さえとっくに超えてしまったわけですよ。

それなのに自覚なき56歳。

これからも自覚することなく(笑)、ますます驀進します!(by武藤敬司ふうに)

 

というわけで、年末となれば例のアレです。

アレって言ったらアレだろ、オマエ、金沢コラッ!(by懐かしい長州力ふうに)

 

まずは、14日に発表された東京スポーツ新聞社制定

2017年度プロレス大賞」の結果。

 

◆2017年度プロレス大賞(東京スポーツ制定)

 ▽最優秀選手賞(MVP) 内藤哲也(新日本プロレス、2年連続2度目)

 ▽年間最高試合(ベストバウト) オカダ・カズチカVSケニー・オメガ(新日本プロレス、1月4日・東京ドーム)

 ▽最優秀タッグチーム賞 諏訪魔&石川修司(全日本プロレス、初)

 ▽殊勲賞 YAMATO(DRAGON GATE、初)

 ▽敢闘賞 柴田勝頼(新日本プロレス、初)

 ▽技能賞 鈴木秀樹(大日本プロレス、初)

 ▽新人賞 青柳優馬(全日本プロレス)

 ▽女子プロレス大賞 紫雷イオ(スターダム、3年連続3度目)

 ▽特別賞 松井珠理奈(豆腐プロレス・“ハリウッド”JURINA)

 

順当です。

ほぼ予想通り。

文句なしです。

 

つづいて、週刊プロレス主催のファン投票による

プロレスグランプリ2017」の結果。

■プロレスグランプリ
1位:内藤哲也(1,582票/新日本)
2位:オカダ・カズチカ(1,013票/新日本)
3位:石川修司(210票/フリー)
4位:棚橋弘至(177票/新日本)
5位:中邑真輔(144票/WWE)

■ベストマッチ
1位:オカダ・カズチカvs.ケニー・オメガ(1.4東京ドーム/838票/新日本)
2位:内藤哲也vs.ケニー・オメガ(8.13両国/582票/新日本)
3位:オカダ・カズチカvs.ケニー・オメガ(6.11大阪城ホール/365票/新日本)
4位:棚橋弘至vs.飯伏幸太(11.5大阪/314票/新日本)
5位:オカダ・カズチカvs.柴田勝頼(4.9両国/277票/新日本)

■ベストタッグチーム
1位:ロッポンギ3K(SHO&YOH)(527票/新日本)
2位:ウォー・マシン(ロウ&ハンソン)(459票/フリー)
3位:CIMA&ドラゴン・キッド(432票/ドラゴンゲート)
4位:橋本大地&神谷英慶(190票/大日本)
5位:K.E.S.(アーチャー&スミスJr.)(177票/鈴木軍)

■最優秀外国人選手賞
1位:ケニー・オメガ(2,062票/新日本)
2位:ジョー・ドーリング(528票/全日本)
3位:ウィル・オスプレイ(277票/新日本)
4位:リコシェ(264票/フリー)
5位:トニー・ストーム(241票/スターダム)

■女子プロレスグランプリ
1位:ASUKA(515票/WWE)
2位:紫雷イオ(476票/スターダム)
3位:橋本千紘(429票/センダイガールズ)
4位:カイリ・セイン(357票/WWE)
5位:岩谷麻優(235票/スターダム)

■新人賞
1位:北村克哉(1,819票/新日本)
2位:岡倫之(325票/新日本)
3位:青木優也(298票/大日本)
4位:岡田佑介(153票/全日本)
5位:海野翔太(106票/新日本)

■好きなレスラー
1位:内藤哲也(913票/新日本)
2位:棚橋弘至(698票/新日本)
3位:オカダ・カズチカ(493票/新日本)
4位:高橋ヒロム(340票/新日本)
5位:中邑真輔(271票/WWE)

 

総投票数4783票。

4783名のファンが選出したものだから、

文句などあるわけがない。

 

圧倒的に新日本プロレス勢が多いのは、

ファンの絶対数の多さを示したもの。

これもまた、いま現在のプロレス界では必然の結果かなと。

 

それでは、ワタクシ金沢克彦が独断で選出する2017年度、

第7回『ときめきプロレス大賞』の結果を発表します。

 

毎年毎年、書いている通り独断です。

自分の取材範囲のなかから、できるだけ生で取材したもの、

この目で見て、聴いて、感性に響いてきたものを選んでみました。

 

■第7回『ときめきプロレス大賞2017』授賞者

 

☆最優秀選手賞〈MVP〉

ケニー・オメガ(BULLET CLUB)

 

☆年間最高試合賞〈ベストバウト〉

オカダ・カズチカvs柴田勝頼(IWGPヘビー級選手権/4・9両国国技館)

※ノミネート試合

オカダ・カズチカvsケニー・オメガ(IWGPヘビー級選手権/1・4東京ドーム)

KUSHIDAvsウィル・オスプレイ(BEST OF THE SUPERJr.ⅩⅩⅣ優勝決定戦/6・3国立代々木競技場・第二体育館)

オカダ・カズチカvs鈴木みのる(G1 CLIMAX27 Bブロック公式リーグ戦/8・8横浜文化体育館)

内藤哲也vsケニー・オメガ(G1 CLIMAX27優勝決定戦/8・13両国国技館)

 

☆殊勲賞

内藤哲也(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン)

 

☆敢闘賞

EVIL(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン)

 

☆技能賞

KUSHIDA(新日本プロレス)

※次点・棚橋弘至

 

☆最優秀タッグチーム(ユニット)賞

ヤングバックス(ニック・ジャクソン&マット・ジャクソン/ROH、BULLET CLUB)

 

☆新人賞

北村克哉(新日本プロレス)

 

☆女子プロレス大賞

紫雷イオ(スターダム)

 

☆年間最優秀興行

新日本プロレス/3・12兵庫・ベイコム総合体育館(尼崎市記念公園総合体育館)大会

『NEW JAPAN CUP2017』

 

☆流行語大賞

「プロレスラーは超人です!」=オカダ・カズチカ

※次点 「男の根性見せてやる!」=柴田勝頼

 

                           ©大川 昇

 

MVPは、悩みに悩みましたよ、ハイ!

ケニー・オメガか内藤哲也か!?

 

内藤で当然!

そういう空気に私のへそ曲がりの感情がくすぐられたのも事実。

だけど、そこからまた1周して考えた。

 

最終的に、どちらの試合内容がより充実していたか?

そこに行きついたわけです。

そこで決定打となったのは、9・24神戸ワールド記念ホールのメインイベント。

ジュース・ロビンソンを迎え撃ってのIWGP USヘビー級選手権。

 

左膝半月板損傷の手術を受けてから、17日後にぶっつけ本番の戦列復帰。

そこで、30分を超える大熱闘で外国人同士によるメインを見事に締めくくった。

 

周知の通り、ケニーが外国人選手のトップとして台頭してきて以来、

新日本マットにおける攻防の過激化、ケガ人の続出という問題点が浮上してきた。

そこでケニーのスタイルに警鐘を鳴らす声もある。

ただし、そのスタイルを貫くことによってもっとも肉体にダメージを被っているのは、

紛れもなくケニー自身であることも事実なのである。

 

 

一方、内藤人気、内藤支持の空気は完全に全国区でカリスマ化してきた。

ついに、難攻不落の(?)大阪ファンさえ手のひらに乗せてしまった感もある。

ベルトを超えた内藤哲也という存在。

こちらも、MVPに相応しい。

 

もし、私が10人いたとしたら、内藤に5票、ケニーに5票入れる。

100人いたなら、内藤に50票、ケニーに50票。

1000人なら、内藤に500、ケニーに500だ。

 

ただし、1001人いたとすれば、内藤に500票、ケニーに501票となる。

それほどの超僅差で今年はケニー・オメガを推したい。

よって必然的に、殊勲賞はMVPとほぼ同等価値として内藤が受賞。

 

ちなみに、この選出結果は昨年度と入れ替わった格好である。

 

 

 

ベストバウト選出にも悩んだ。

結果的に、「男の根性見せてやる!」、「生まれたときから俺は新日本プロレス」

という柴田の熱い言葉、熱い想いにやられた。

 

ノミネートにある1・4のオカダvsケニー、スーパージュニア優勝戦のKUSHIDAvsオスプレイ、

8・8横浜のオカダvs鈴木の30分ドロー、G1優勝戦の内藤vsケニーをふくめ、

ここに挙げた5試合はすべてベストバウトに値する。

 

また、個人賞に名前は出てこないが、このベストバウト候補に

オカダの試合が3戦も入っている。

いかにオカダが「ここ一番!」でクオリティの高い試合を提供しているか、

振り返ってみたときにあらためて気付かされるはずだ。

 

 

敢闘賞は、EVIL。

まさに躍進の1年だった。

G1公式戦では約1年、シングル無敗のオカダに土をつけ、

記憶がとびながらも闘いぬいたケニーとの公式戦も凄まじい内容だった。

 

EVILの試合に、ハズレなし。

 

暮れの『ワールドタッグリーグ戦』でもSANADAとのコンビで優勝。

EVIL&SANDA組は、ひさびさにタッグチームらしい日本人ヘビー級タッグ。

外国人天国のIWGPタッグ戦線に割って入る力量をもつ魅力的な存在だ。

 

 

技能賞は、文句なくKUSHIDA。

10月にIWGPジュニア王座こそ失ったものの、

ROH世界TV王座奪取、

スーパーJr.優勝、

新技バックトゥザフューチャー開発……

などなど結果と内容を見せつけてきた。

 

そして、何よりも新日本、米国ROH、イギリス、メキシコCMLLと世界を飛び回った。

オスプレイ、リコシェ、ザック・セイバーJr.と並ぶ世界の売れっ子四天王と称されるほどの活躍ぶり。

 

そんな”世界のKUSHIDA”に敬意を表して技能賞を贈呈したい。

 

 

次点の棚橋は、大技の攻防が危険視されるなか、

オールドスクールレスリングへの回帰を実践してみせた。

1970年代の立体技であるフライング・ヘッドシザーズドロップを復活させたり、

ザック・セイバーJr.戦(9・16広島/インターコンチ戦)で徹底したレスリングへのこだわり、

飯伏幸太戦(11・5大阪/インターコンチ戦)では終始厳しいキラー棚橋ぶりを披露。

プロレスラーとして懐の深さを見せつけてくれた。

 

ただし、やはり二度の負傷欠場が響いた。

そこが理由で次点としている。

 

 

最優秀タッグ(ユニット)となると、ユニット全盛期の日本マットでは、

どうしてもそちらに目がいってしまう。

ロス・インゴの目にも留まらぬスピーディーな連携、

鈴木軍の巧妙すぎるダーティーな連携など。

 

そこで、なぜ今まで名前が出なかったのか、

なぜ彼らを選出しなかったのか不思議でしょうがないタッグ屋がいるではないか!?

 

ヤングバックス。

これ以上のタッグチームは世界を見渡しても(※世界中を見渡してはいないけど)、

二つと存在しないだろう。

 

とくに、それを痛烈に思い知らされたのは、

新日本の本格的米国進出となった7・1&2ロサンゼルス(ロングビーチ)2連戦。

ヤングバックス人気のスゴさと言ったら想像を超えたものだった。

 

いま、売り出し中のSHO&YOH(ROPPONGI 3K)も、

ヤングバックスに勝ってこそ本物の仲間入りと言えるだろう。

 

今さらながら、今ごろかよ!

そう言われそうだがヤングバックスこそ現代最高のタッグチーム。

 

 

新人賞は、インパクトで北村克哉。

こんな肉体、すでに反則級の衝撃!

北村がリングインしただけで、全国どこの会場も沸き返る。

デビューから9カ月で、一度見たら忘れられない男になってしまった。

 

技術的には、他の新人を推す声をあるだろうけど、

過去、デビュー戦からプロの先輩を超える肉体美を誇っていたのは、

中西学、藤田和之の2人だけであるが、

北村は肉体美で魅せるだけではなく、

中西、藤田より器用だと私はみているのだ。

 

12年ぶりに復活した『ヤングライオン杯』でも

5戦全勝で優勝し、今年有終の美を飾った。

 

ただし、すでに32歳。

もちろん、本人もわかっているだろうが、

他の新人が5年かかるところを1~2年で達成してほしい。

 

                                                      ©大川 昇

 

女子プロ大賞は、紫雷イオで決まり。

反対に、ほかに誰がいるのか?

そう思ってしまうほどの独走ぶり。

正直、イオの試合を観るために私もスターダムの会場へ足を運んでいる。

 

おまけに、超美人女子プロレスラー(笑・失礼!)というキャッチコピーのもと、

一肌脱いだ写真集まで発売し各方面で話題を呼んだ。

 

イオを本気にさせるライバルに早く出てきてもらいたい。

 

 

年間最優秀興行は、私個人の思い入れがたっぷりこもった大会を選ばせてもらった。

超満員の観衆(3,862人)で埋まった3・12尼崎大会。

目玉は、『NEW JAPAN CUP2017』1回戦の鈴木みのるvs柴田勝頼と

ケニー・オメガvs石井智宏。

 

個人的な話となるが、今年1月末、脳腫瘍摘出手術のため

予定をはるかに超えて5週間の入院生活を余儀なくされた私にとって、

3・11愛知県体育館大会(サムライTV/新日本プロレスワールド)と

3・12尼崎大会(新日本プロレスワールド)の2連戦が7週間ぶりの

現場復帰、テレビ解説の仕事となった。

 

とくに、12日の試合では精根尽きるほどにしゃべりまくった。

セミで12年半ぶりに実現した柴田vsみのるの絶滅危惧種対決。

打撃、関節、絞め技で一歩を退かない対決を制したのは柴田のPKだった。

 

メインでもドラマが待ち受けていた。

最強外国人に成りあがったケニーに挑んだのは石井。

名勝負製造機対決を制したのは、石井だった。

 

ケニーがトドメと狙った片翼の天使をスタナーで切り返す離れ業を初公開。

さらに、垂直落下式ブレーンバスターで1回戦突破。

会場は大爆発。

この大会を生観戦できたファンは本当にラッキーだったと思う。

そう、この一戦がケニーvs石井の名勝負数え唄のスタートでもあった。

 

驚いたのは大会終了後だった。

勝利者インタビューを終えた石井とバックステージでバッタリ。

あれだけの大激闘(29分45秒)の後にも関わらず涼しい顔で缶コーヒーを飲んでいた石井が、

「金沢さん、どうですか? 大丈夫っすか!?」と

こちらの容態を心配してくれたのだ。

 

なんてやつだ!

やっぱり、プロレスラーは常人ではない。

そんなことを思い知らされた大会。

 

また、数々のファンのかたから心配の声、激励の声をかけていただき、

差し入れなどもいただいた。

 

感謝の一言しかない。

 

ちなみに、同日、東京ドームではWBC(ワールドベースボールクラシック)

第二次ラウンドの日本vsオランダが球史に残るような大死闘を展開。

そのおかげで、『プロレス総選挙』(テレ朝)が深夜放送になるというハプニングも。

 

今年1年を通して、いちばん濃く長かった1日。

だから、この大会を選出させてもらった。

 

最後の流行語大賞は、コレで決まりだろう。

柴田の「男の根性見せてやる!」を受けるカタチで、

オカダがすべてのレスラーを代表して発した「プロレスラーは超人です!」。

 

今年1年、超人たちが見せてくれた闘いに敬意を表し、

いつになく殊勝に『ときめきプロレス大賞』発表を締めさせてもらいます。