野獣・藤田和之がついに動いた。
本日(16日)午後、都内で『RIZIN』が会見を行ない、
4・17愛知県・日本ガイシホールで開催される
『トップ Presents RIZIN.1』への藤田の参戦、
及び、藤田和之vsイリ―・プロハ―スカ戦が
同大会のメインイベントになることを正式発表した。
会見に出席したのは、榊原信行実行委員長、
高田延彦統括本部長、藤田和之の3名。
3人のRIZINに対する想いは三者三様だろうが、
その根底に『PRIDE』があることは間違いない。
高田延彦(vsヒクソン・グレイシー)から始まった『PRIDE』の歴史は、
藤田和之(vsジェフ・モンソン)で、9年半におよぶ闘いの幕を閉じた。
もし、ここに桜庭和志も並んでいたなら『PRIDE』の生き証人たちが、
すべてそろったことになる。
やはり、高田統括本部長、榊原氏の口から出る言葉は、
『PRIDE』時代の藤田の実績と鮮烈な記憶ばかりであった。
藤田に対する男、イリ―・プロハ―スカ(チェコ共和国)は、
この等身大パネルのとおり、193㎝、93㎏の大型ライトヘビー級戦士。
試合は、RIZIN MMAルール 110㎏契約で行なわれる。
まだまだ日本では無名に近い存在かもしれないが、実力と実績は充分。
昨年末の『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015 100㎏級トーナメント』
に出場し準優勝を飾っている。
鮮烈なのは、トーナメント1回戦で当たった石井慧を
わずか1分36秒でKOしていること。
決まり手は膝蹴りだったが、パンチもハイキックも
確実に石井をとらえて追い込んでいる。
また、高田統括本部長が言うように、
藤田=45歳、プロハ―スカ=23歳ということで、
「年齢は半分、息子と闘うようなもの」となる。
年齢差22歳は、MMAにおいては藤田も初体験となる。
カメラマンのリクエストに応えて、
プロハ―スカのパネルをリフトアップする藤田。
「なんか、中西さん(学)になった気分でしたよ」
そう言って、会見後に苦笑いしていた。
さて、これが藤田の覚悟の言葉
「あれ(PRIDE時代)からいろんなことがありましたが、
生(行)き場所を求めて、ずっと闘いつづけました。
ですが、やはり藤田は戦(いくさ)を選び、ここに戻ってきました。
あとは、その覚悟をリングでお見せするだけです」
その後、質疑応答に入ったが、質問が途切れたところで、
司会進行の矢野武アナウンサーからいい突っ込みが入った。
「先ほど、死に場所ではなく生き場所と表現されましたが……
あれっ、すみません、あれは『生きる』ではなく、『行く』でしたか?」
それに藤田は藤田らしく、
「それはどちらでも…どうとってもらってもいいです」
と受け手まかせとした。
これが藤田らしさ。
ほんの些細な言葉使い、
表現にも意味を持たせているのだ。
会見後、『ゴング』用のインタビューを行なった。
そのとき、藤田に確認してみた。
「いき場所というのは、『行き場所』、『生き場所』、
『活き場所』と3つの意味があるんでしょう?」
「金沢さん、惜しい!
3つとも正解だけど、じつは4つ目もあるんですよ。
それは『逝き場所』ですね」
プロレスラー・藤田和之、45歳。
覚悟を携え、ふたたび戦(いくさ)に身を投じる。