1月22日、23日、24日の後楽園ホール3連戦を

すべて超満員札止めとした新日本プロレスの

『CMLL FANTASTICA MANIA2016』の最終戦。


いやはや、凄いもの、ヤバイものを観た。


23日、極秘帰国していたカマイタチ(高橋広夢)が乱入し、

宿敵ドラゴン・リーに宣戦布告。


これ、マジにノーマーク。

マスコミは誰ひとりとして情報を掴んでいなかったし、

新日本サイドでも知らない人たちが多数いたのだ。


そして、最終戦の第6試合でCMLL世界ライト級選手権が急遽組まれた。

いま、CMLLでもっとも熱く、もっとも激しい名勝負数え唄。


その前評判に偽りなし。

ナマで観るリーvsカマイタチはあまりに激しかった。

会場が大爆発するのと同様に、

見守っていたマスコミ、関係者からも驚嘆の声が何度もあがる。


キャリア2年程度で、まだ20歳。

その素顔はやはり長兄のルーシュに似ているが、

まだ少年の面影が残っているリー。


長兄ルーシュ&次男ミスティコを足して2で割った男といわれる

逸材のム―ブは天才的だ。

その動きにピタッとついていくだけではなく、

新日本で培ったスピリットを存分に発揮するカマイタチ。


リーがその場飛びスパニッシュフライから

トドメのフェニックス・プレックスへ。

次の瞬間、身をひるがえしたカマイタチの

鮮やかなカナディアン・デストロイヤーが炸裂!


18分33秒、カマイタチがついにリーを破って初戴冠。

ホールは…大・大・大爆発。


2年7カ月ぶりの凱旋試合で、

カマイタチは100点満点中、

120点の闘いを見せてくれた。

理屈に合わないけど、120点だ!




試合後のバックステージ。

共同インタビューでもストレートに飾り気なく、

それでいて自信にあふれたコメントを残したカマイタチ。


インタビュー終了後、カマイタチと再会の握手。

そこには2年7カ月前となにも変わらない好青年の高橋広夢がいた。


このあと、セミ、メインが控えていながら、

私はしばし放心状態に陥った。


そこへ、たまたま棚橋弘至が通り掛かった。


「いやー、ヤバかったね。凄すぎた!」


「なにか、スター誕生!っていう感じがしましたね」


満面の笑みで棚橋がそう言った。


タナのお墨付きをもらいながら、

さらに上を目指すために

カマイタチはまたメキシコへ帰っていく。





そのあとにつづく男たち。

小松洋平と田中翔。

いや、風神と雷神。


壮行試合で6戦全敗。

最終戦でも敗れたものの暗さは微塵もなし。


彼らは前と未来だけを見ている。

新日本の未来はきっと明るい。