GKのブログは手抜きが目立つ!

などと言われがちの作今……

なぜかペールワンズ編集部にまで私宛の抗議(アドバイス!?)

の書面が届くなど、まったくもって返答に困ってしまうのだが、

格好つけて体裁をつくろってもしょうがないので

返答という名の言い訳をしておきたい。


大人の事情です!!


ということで、今回はひさびさにあの名物コンビが帰ってきた。

いつ以来かは不明なぐらいひさしぶりの御両人。

満を持して、先だっての12・23”プロレスデ―”で

取材した2大会について大いに語ってもらおうではないかい。


方舟の命運を賭けたノアの大田区総合体育館大会(午後3時開始)と

女子プロ最高峰決戦が行なわれたスターダムの後楽園ホール大会(午後6時開始)。


じつは、正午からDDTも後楽園ホール大会を開催しており、

マスコミ関係者はテンヤワンヤ(死語だな!)の大騒ぎ。

それでは、レッツ・バモ~ス!





GK  なんとも御無沙汰しておりました!

    キミがサボっていたせいで、オイラの出番がまったくなかったんだけど、

    言い訳できるものなら、してみてよ。

金沢 あ、言い訳ね(苦笑)。

    昨年ゴングがスタートして、同時に有料サイト『ビッグファイト』の

    連載コラムで毎週4000文字近いバカみたいに長い原稿を書いていたら、

    こっちに手が回らなくなったわけよ。

GK  このウソつき!

    あんたは当ブログをスタートするにあたり、「お金の問題じゃない!」って

    啖呵を切ったはずだよ。

金沢 いや、だから、お金の問題じゃないんだけどね、

    有料サイトよりブログの方がオモシロイとか、そっちで読めちゃうからとかなると、

    問題が出てくるわけよ。ゴングに関してもそう。試合レポートやコラムをある程度、

    温存しておかないとネタ切れになるんだ。

    俺だって自販機みたいにボタン押せばポンポンと商品が出てくるわけじゃないんだから。

GK  だけど、夜中に映画の”寅さん”シリーズを観ながら

    焼酎のウーロン茶割りや糖質0の辛口日本酒を呑んでいるヒマがあるなら……。

金沢 うっせーな!

    俺だって、休息の時間が欲しいんだ。

    54歳のオッサンの秘かな楽しみなんだからいいじゃん。

GK  寅さんシリーズの前は、また”あまちゃん”観てたよね(笑)。

    フルに観るのってもう3回目でしょう?

金沢 う、う、うっせーな!

    辛いとき、悲しいとき、なにか上手くいかないとき、

    あと特にやることがないときは、寅さんかあまちゃんを観る。

    これ、ニッポン人の常識だから。

    ああ、また長くなるよ、これ。

    さっさと始めようぜ。

GK  ラジャー!

    じゃあ、方舟完全沈没が否かが掛かったノアの大田区大会だけど、

    よく集客したねえ。2階席の入場口サイド、つまり場内スクリーンを設置した側だけ

    4分の1ほどクローズした状態の会場だったけど、ビッシリ入ったよね?

金沢 バックステージのマスコミ、関係者も相当の数だった。

    ノアの命運が懸かった大会ということで、新日本から手塚(要)社長、

    管林(直樹)会長を筆頭に、新日本フロントが視察に訪れ勢ぞろいという感じ。

GK  ああ、ノアのスタッフより新日本のフロント関係者の方が多かったかもしれないね。

    それだけ注目すべき大会、今後の日本マットの流れを左右しかねない大会だったと。

    あと、西永(秀一)レフェリーが約3カ月ぶりに復帰したよね?

金沢 いやあ、これは本当に心配していたから良かった。

    西永レフェリーは統括本部長でもあるから、もう働きづめだったよね。

    正直、いつ倒れてもおかしくないだろうなあ、と思うぐらい精力的に働いていたから。

GK  今回、元気にメインのレフェリーを務めたね。

    今までと変わらず身体を張ってのレフェリング。

    今大会は、西永さんの復帰戦でもあったんだよ。

    これからはもう少し自分の身体を労わって、

    無理してストレスを溜めこみ過ぎないようにしてほしいね。

    ぜんぶ独りで背負いこまないで頑張ってほしいよ。

金沢 うん。アンタも、たまにはいいこと言うな(笑)。

    大田区の試合は全10戦、じつに4時間半興行だった。

GK  東京ドーム大会も真っ青のロングランだ。

    ノアの命運を賭けた4大シングルマッチが行なわれたけど、

    内容はどうだったの?

金沢 まず、ノアvs鈴木軍のGHCジュニア選手権だね。

    これで火が点いた感じがする。

    タイチvs石森太二はじつにおもしろい試合だった。

GK  おお、タイチvsタイジだな(笑)。

金沢 それ、スル―だ。

    タイチは上手いねえ。あの大きな会場でしっかり2階席まで届く試合をした。

    さすが、アレナメヒコでシングルのメインを張った男だと思った。

    観客をヒートさせる”間”を心得ているよ。

GK  マネージャーのオネエサンとシツコイばかりにイチャイチャするし、

    入場テーマ曲を口パクでフルコーラス歌うわで、もうやりたい放題。

金沢 鈴木軍がノアに乗り込んだことにより、タイチのシングルや

    TAKAのシングルマッチがふつうに組まれるようになったでしょ?

    あと、シェルトン・Ⅹ・ベンジャミンとか…人員過多の新日本ではあり得ないことで。

    改めて、タイチやTAKAの力量を再確認できたし、ベンジャミンも成長したよね。

    新日本時代、中邑真輔との抗争でひと皮剥けたベンジャミンが

    もうひと回りレスラーとして大きくなったように思う。



GK  さあ、そして問題のメイン、鈴木みのるvs丸藤正道の今年3度目の

    GHCヘビー選手権。観客も固唾をのんで見守っていた感じ。

    両選手の入場時とか意外なほど会場が静まり返っていた。

    これって、怖いもの見たさだったのかもね。

金沢 それは言えてる。

    丸藤が3連敗となると、もう言い訳無用だし、

    かと言って、みのるは勝負がどう転ぼうとも、

    転んでもただで起きるような男じゃないし。

GK  試合タイムは34分ジャスト。

    結果的に、丸藤が再三のスリ―パ―地獄から脱出して、

    なんとゴッチ式のシットダウン・ツームストンパイルドライバーから

    変型のポールシフト式のエメラルド・フロウジョンでついに3カウント奪取。

    あのパイルドライバーには戦慄が走ったねえ。

    みのるは首に爆弾を抱えているから。

金沢 あれは危険なパイルドライバーだからね。

    ゴッチ式じゃなくて、ふつうに胴を抱えていたなら、

    かつて頑丈な中西を病院送りにしたオリジナル天山ツームストンドライバー。

    それに、1992年のG1スペシャル・横浜アリーナ大会で、

    まだ金髪をなびかせていたスティーブ・オースティンが第2回G1覇者で

    復活NWA世界王者の蝶野の首を完全に破壊してしまった危険な技だよ。

GK  そこまでやらないと、鈴木みのるは倒せなかったと…。

金沢 そうなんだけど、なにより素晴らしい試合だった。

    とくに、みのるのフットワークには惚れ惚れしたね。

    ロープワークでも最後まで丸藤にスピード負けしていないし、

    ダッキングからスリ―パ―に入る速さなんて、さらに加速されている。

    しかも、試合開始から25分過ぎて、あのスピードだから脱帽もの。

    丸藤のトラ―スキックをサッとステップバックして交わしたりと、

    この男の有言実行ぶりが試合にすべて表れていたよ。

    47歳にして丸藤に一歩も退かないスピードとスタミナ。

    これ、棚橋とやっても、中邑、オカダ、飯伏とやってもスピードで負けないよ。

GK  大絶賛だね。

    そう言えば、アナタは今年の『ときめきプロレス大賞2015』のMVPはオカダで、

    次点は棚橋、ベストバウトは1・4ドームの中邑vs飯伏戦を選考していたでしょう?

    それを揺るがすような内容だったの?

金沢 あのね、仮に東京スポーツ『プロレス大賞』(以下、東スポ大賞)選考会も、

    この大会のあとに開催されていたら結果は違っていたかもしれないよ。

    まあ、どうだか分からないけどさあ。

    MVPに関しては、今年上半期は完全に鈴木みのるだと思っていた。

    だけど、やっぱり徐々に団体力の差が出てきたわけよ。

    新日本は大阪城ホールを超満員にして、G1の両国3連戦を大成功させたわけだから。

    だから下半期を観ていて、これはオカダと棚橋の一騎打ちだなと。

    そこに、天龍源一郎引退興行があって、これはもうオカダで決定だと。

    ただし、今回の鈴木みのるを見たら、「オオッ!」と正直思ったよ。

    この試合はベストバウト候補にも挙がるしね。

GK  アナタのなかで、今年のベストバウトの順位付けはどうなってるの?

金沢 やっぱり、どんなにいい試合が生まれようと、中邑vs飯伏を忘れてはいけないって、

    ちょっと意地になっていたところもあるけどね。

    だから、あえて順位を付けてみようか?

    ①中邑vs飯伏②棚橋弘至vsAJスタイルズ(8・14両国)③丸藤vsみのる

    (12・23大田区)④石井智宏vs本間朋晃(2・14仙台)⑤KUSHIDAvsカイル・オライリー

    (6・7代々木)といったところかな。大阪城ホールのオカダvsAJも捨てがたいんだけど。





GK  な~るほど。

    最後の最後で、鈴木みのる株がまたまた急上昇というわけだ。

    だけど、エンディングでは大波乱、サプライズがあった。

    あの杉浦貴が、もっともノアを愛してやまない男だったはずの杉浦が、

    秋山準や潮崎豪が大量離脱したとき大激怒して、森嶋猛が引退するときも

    最後まで引き留めようと熱くなって喧嘩していた男が、

    なんと鈴木軍に電撃加入だよ、おーい!

金沢 しかも杉浦は最初に鈴木軍がノアに参入してきたときもソッポを向いていたからね。

    こんな連中の力を借りるようなカタチなんか真っ平ゴメンだ!と言う感じで。

    だけど、これで来年も抗争は継続となったばかりか、

    杉浦とみのるが手を結んだら、もう最強だよ!

    手に負えないって。

    だけど、これで杉浦&田中将斗の弾丸ヤンキースは自然消滅なのかな?

GK  田中も鈴木軍に入ったりして(苦笑)。

金沢 それじゃあ超最強になって、団体ができちゃうよ(笑)。    





GK  さて、丸藤に共闘を拒絶された潮崎は来年も査定試合からかい?

    元GHC王者で、元三冠ヘビー級王者だよ、彼は!

金沢 順序、段階を踏んでっていうのは、いかにもノアらしい慎重すぎるやり方だなあと

    思っていたんだけど、なにか少し変化してきたように思う。

    金丸義信がノアにカムバックすることもあるけど、来年の1・31横浜文体で

    鈴木みのるvs潮崎豪のシングルマッチが組まれたよね。

    これは潮崎にとって試練だよ!

    正攻法を身上とする潮崎が、みのるという劇薬を初めて味わうわけだから。

GK  これぞ真の査定マッチと言えるかもしれないな。

金沢 そういうこと。

    パワーでもスタミナでもスピードでも、みのるになんら劣っていない。

    だけど、潮崎にはなにかが足りない。大切ななにかが足りないと思うんだ。

    たったひとつスパイスが効いただけで、日本マットのエースになれる素材なのに、

    そのスパイスが足りない。

    それを、鈴木みのるが見せつけるというか、身体で教え込むというか、

    そういう試合になるんじゃないかな?

GK  逆に、潮崎が一気にみのるを叩き潰してしまったら?

金沢 それなら文句なしだよ。

    潮崎だけじゃない、ノアだけじゃない、日本のプロレス界にとって

    明るい未来が見えてくるでしょう。

    だけど、相手はみのるだよ。

    なんか掌というか、手玉にとられるというか、

    そんな風景が早くも浮かんできてしまってさあ(苦笑)。 

GK  あんまり来年の話をしていると鬼が笑うよ。

     なんで鬼が笑うのか意味不明なんだけどね。

     あっ、みのるが笑うってことかな? 

金沢 たしかに、みのるは怒っているときより笑っているときのほうが怖いから(笑)。

    そんなことより、メインが終了して丸藤の共同インタビューが終わったとき、

    なんと時刻は午後7時40分だった。驚異の4時間半興行だよ。

    後楽園ホールのスターダムの試合は午後6時スタートだから、

    これはヤバイ、シャレにならん、慌てて俺らは雨のなか体育館から飛び出した…。


                                           (※つづく)