昨日(18日)、新日本&CMLL『ファンタスティカマニア2015』に

ようやく足を運んだ。


例によって、後楽園ホールのチケットは完売で超満員札止め。

ただ、過去の『ファンタスティカマニア』とは若干、

会場の空気に違いを感じた。


昨年までは、やはりルチャマニアが過半数を占めているように感じたのだが、

今年は常連の新日本ファンまでルチャに溶け込んでしまったような空気感。


マスクを被って声援を送る若いファンは、

決してガチガチのルチャマニアではなく、むしろライト層。

いつも以上に自分を解放してルチャ観戦を楽しんでいるように映った。


まあ、能書きはいいか(笑)。

とにかく、この日はメインイベントに尽きる。

”伝説の一戦”とキャッチコピーの付いた

アトランティスvsウルティモ・ゲレ―ロのライバル対決。


伝説と銘打たれているのは、

昨年の9・19『アニベルサリオ81』(アレナ・メヒコ)で、

メキシコを代表するスペルエストレージャの2人が

マスク剥ぎマッチ(マスカラ・コントラ・マスカラ)で激突。


敗れたゲレ―ロがマスクを脱いだ。

まさに、歴史的一戦となったわけである。

過去、ル―ド同士としてタッグを組んだこともあるが、

その絡みのほとんどがライバル闘争。


聞くところによれば、

おそらく両雄の対戦は「100回を超えているのではないか!?」

とも言われている。

ということは、CMLLのここ20年の歴史が

ギュッと詰まったカードといっても過言ではないだろう。


まあ、能書きはいいか(笑)。

そして実際に、そんな能書きはどうでもいいような

素晴らしい攻防が展開された。

重みが違う、歴史が違う。


両雄の闘いは、「いい映画を観ているかのようだ」

とよく映画に例えられるのだが、

その意味が少しわかったような気もする。


アトランティスは、52歳でキャリア31年半。

ゲレ―ロは42歳でキャリア24年4カ月。

2人の関係は日本マットに置き換えてみると、

様々な言われかたをしてきた。


世代の違いにこだわって例えると……

アントニオ猪木vs藤波辰爾、

アントニオ猪木vs長州力、

藤波辰爾vs武藤敬司、

長州力vs橋本真也、

ジャンボ鶴田vs三沢光晴

三沢光晴vs小橋建太、

武藤敬司vs小島聡、

蝶野正洋vs天山広吉といった感じか?


世代を気にせずライバルという観点だけで見るなら……

武藤敬司vs蝶野正洋、

三沢光晴vs川田利明、

橋本真也vs佐々木健介というところかな?


うーん、どうも上手くはまらない。

とにかく衰え知らずで、未だ両者ともトップの力量を有しているということ。

あっ、イチバン相応しい顔合わせが身近にあったぞ!


棚橋弘至vsオカダ・カズチカだ。

しかも、15年後の棚橋vsオカダ。

いま現在から15年が経過しても、

棚橋とオカダがライバル闘争をバリバリで展開しているようなもの。


だから、昨年9月には棚橋(アトランティス)が

オカダ(ゲレ―ロ)を破り、「IWGPは遠いぞ!」と叫び、

今回、満を持してリベンジを果たしたオカダ(ゲレ―ロ)が

「棚橋さん(アトランティスさん)、おつかれさまでした!」と言い返したようなもの。


そう考えると、いかに両雄が規格外の存在なのか見えてくるというもの。

ただ飛ぶだけがルチャではない、ということを2人は身をもって見せつけてくれた。


大満足!

ルチャの神髄を見たり。

じつにいい試合だった。


それにしても、ルチャリブレの試合でここまで細かく考えを巡らせてしまうのだから、

私はアホなのかもしれない(笑)。

当人たちは年齢やら細かいことを気にすることもなく、

つねに万全のコンディションを保ちながら、

いつまでもルチャを楽しんでいるだけなのかもしれないわけで…。


さて、じつはここからがおもしろい!

後楽園ホールから帰宅する途中の地下鉄M線内でのお話。

私は、ニット帽にマスクを付けて(※マスクマンのマスクではないよ!)、

空いている席に座っていた。


そのすぐ横に、同じく後楽園ホール帰りと思われる

30歳前後の乗客が4人立った。1人は女性。

本日の大会の話で盛り上がっている。

男子3人はよくしゃべる、だけど女子はあまりしゃべらない。

たぶん、女子は初心者なのだろう。


突然きたー!!


A君「そういえば、ゴングが出てるみたいだな。

   まだ買ってないんだけど、棚橋の表紙がチョ―カッコいいんだよ!」

  ※いや、まだ発売前なんですけど…(笑)

B君「俺、去年の中邑が表紙のやつ買ったよ。

   中邑の写真がチョ―カッコよかったなあ」

  ※おっ、いいねえ!

C君「昔のゴングと比べると、ぜんぜん違ってすげぇーオシャレだよね。

   カラ―写真なんか写真集みたいだったな!」

  ※写真集みたいかあ…いいこと言うな。

A君「だけどさ、オシャレなのはいいんだけど、

   ワインばっかりじゃ飽きると思うんだよな」

  ※ギクッ!!


ここで終点に到着。

最初は私の存在に気付いていて、

わざとゴングの話題を振ったのかと思ったが、

どうやらそうではなかったみたい。


マスクにニット帽で気付かなかったのか?

それとも最初から私を知らないのか?

もし確信犯(?)のファンだったとしたら、

電車を降りたところで話し掛けてくるのが通常のパターンである。

どっちでもいいけど、最後の言葉はかなり言い得て妙だ。


話し口調からいくと、かなりライト感覚なファンだなと思っていたが、

「ワインばっかりじゃ飽きる」というフレーズは名言かもしれない。

ホントに、私はそこで思わず彼らに話し掛けたくなったほど。


これ、マジで実話。

もちろん、彼らに言いたかったことは決まっている。


「大丈夫! ワインだけじゃないから。

ビールも焼酎もカクテルも、飲めない人にはソフトドリンクも…。

ついでに、じんわりと沁みわたる日本酒まで用意してあるからね!」


           

                    

                                     Ⓒ大川 昇

そう、この人が日本酒。

それか、濃い目の焼酎水割りかな!?