ノアの闘いはじめとなった1・10後楽園ホール大会。
超満員…めでたい!
まことしやかに流れていた噂。
鈴木みのる率いる鈴木軍がやってくるというもの。
1・4東京ドームに丸藤正道とTMDK(シェイン・ヘイスト&マイキー・ニコルス)
が矢野通と結託して参戦し、鈴木軍(飯塚高史&シェルトン・Ⅹ・ベンジャミン&
ランス・ア―チャー&デイビ―ボーイ・スミスJr.)に快勝。
屈辱の敗戦を受けて、ガイジン3強が激高し、
翌5日の後楽園ホールで、ボスの鈴木も
「この喧嘩、俺が買ってやる!」と宣言。
現在オフの新日本マット。
こうなると、10日、ノアの後楽園ホールで
なんらかのアクションがあると考えるのが妥当だろう。
ところで、肝心の試合のほうだが、
セミフィナルのGHCタッグ選手権が素晴らしい内容だった。
王者チームはもちろん、GHCとともにNWAインターコンチンタルタッグ王座も保持する
最強の”黒いオジサンたち”こと弾丸ヤンキース(杉浦貴&田中将斗)。
昨年のプロレス大賞『最優秀タッグチーム賞』を獲得している。
その強さときたら、半端じゃない。
このタッグ反則だろう!と言いたくなるほど強いのだ。
最強のオジサンたちに挑むのは3度目の挑戦となるTMDK。
3度目の正直なるか?
今回敗れたら、もうNEXTはないかもしれない。
とにかく、凄まじいハ―ドヒットの攻防だった。
日本育ちのTMDKは、常軌を逸した(笑)
杉浦&田中のエルボー連打にも怯まず打ち返す。
最後は日本育ちのガイジンとしての執念を見せた。
杉浦を孤立させて、2人がかりで張り手のメッタ打ちから、
必殺のサンダ―バレーで決着。
18分19秒にわたるノンストップのシバキ合い。
最後はノーサイドで4選手が手を上げて観客にアピール。
いやあ、本当に好勝負だった。
ここへもしかしたら…と思ったが、
ランス、スミスらが現れる気配はなし。
1年ぶりのベルト奪還に笑顔のシェイン&マイキー。
この後、メインイベントのGHCヘビー級選手権へ。
正直いって、予想外の展開だった。
上手さではなく、強さで丸藤が小島を圧倒した。
新兵器の虎王とトラ―スキックが小島の顔面をバシバシと的確に捉える。
まるでサンドバッグ状態となってしまう小島。
ここまで小島が一方的に攻め込まれるのも珍しい。
最後は、変型エメラルドフロウジョン。
小島が勝機を見いだせなかったのは、
リング内での正調ラりアットを決められなかったこと。
最後まで右の豪腕を丸藤に打ち込むことができなかった。
丸藤正道の完勝防衛。
一時、コンディションの厳しさを指摘されていた丸藤だが、
昨年秋口から全盛期を彷彿させる変幻自在の動きが戻ってきた。
新年早々、頼もしい王者ぶりを披露してくれた感がある。
試合後の勝利者インタビュー。
このまま何事もなく終わるのかな…
と思いきや客席がざわめく。
来たー!
やはり、来た。
最後の最後に現れた。
しかもフルメンバーでの乱入。
鈴木みのるがリング下で舌舐めずりする間に、
ランス、スミス、ベンジャミン、TAKAみちのく、タイチ、エル・デスぺラード、
さらに飯塚がリングを占拠して大暴れ。
まさに、超大型台風一過という感じ。
王者の丸藤は、かつて盟友だった鈴木による
スリ―パ―からのゴッチ式パイルドライバーを食って大の字。
駆け付けたTMDKもKESの2人にKOされた。
ノアのリングが完全に占拠された格好。
バックステージのインタビュースペースで、
平川健太郎アナウンサーを言葉で痛ぶる鈴木。
”猛犬注意”状態の飯塚には首輪がはめられており、
この通り、ずっとデスぺラードが暴走を抑えていた。
これにて、鈴木軍のノア1月~2月シリーズへのフル参戦決定。
TMDKvsKESのGHCタッグ選手権(2・11名古屋大会)、
丸藤vs鈴木のGHCヘビー級選手権(3・15有明コロシアム)
の2大タイトルマッチが発表された。
2003年6月、パンクラスから古巣の新日本へと単身乗り込んできた鈴木。
それ以降、ノアへの初登場、全日本への参戦、新日本マットにカムバックと、
いつだって鈴木みのるは”独り”でアクションを起こしてきた。
独りで上がったリングで、いつの間にか同志が集ってきた。
今回は、鈴木軍総力をあげての方舟侵略。
一部では、新日本とノアとの提携、交流路線の象徴だという声も聞こえる。
いやいや、冗談ではない。
2月11日、新日本は大阪府立体育会館でビッグマッチを開催する。
名古屋から目と鼻の先…これは興行戦争と言ってもいい。
鈴木みのるは、生き抜くためにノアへやってきたのだ!