10月1日以来のブログ更新となる。

いやあ…さぼった、さぼった!


でも、本当はさぼったというより、

季節外れの夏休みをとっていたり、

いろいろとテレビ媒体の仕事をしていたり、

やたらと飲み会に参戦したりで、

引き籠っていたわけではないのだ。


だけど、そろそろ始動しなけりゃまずいだろうということで、

この10月最大のビッグマッチ、両国国技館大会を検証してみたい。


なお、写真のほうは、大川昇カメラマンから

グッドショットを提供してもらったので、

絵のほうでも楽しんでいただきたい。


それでは、例によってあの2名が登場。

『別冊ゴング』と題して語ってもらおうではないかい!


GK  というわけで、神ちゃん(神取忍)の生誕50年記念大会、

    LLPWーX『ミスター女子プロレス生誕半世紀イベント』の

    10・11両国大会はおもしろかったよねえ!?

金沢 そっちかい?

    いやあ、オレも行ったけど、試合が2時間、歌謡ショーが2時間で

    合計4時間という壮絶なイベントだったね。

GK  アナタと神ちゃんは業界同期なんでしょう?

金沢 そう、1986年デビューの完全な同期。

    彼女…彼女でいいんだよね(笑)、そのミスター彼女が

    長与千種と闘いたいと、葛藤の末に行動に移して、

    千種も同じ気持ちだったんだけど、全女とジャパン女子の

    両オフィスがそれに反対して実現できなかったあのころ…

    あの当時をリアルタイムで取材していたから、

    神ちゃんに対しては特別な思い入れがあるんだよ。

GK  ああ、例の一缶のポカリスウェットを2人で飲んだ仲というやつか(笑)。

金沢 そうそう。

    だけど、ちょっと待ってよ。

    神取忍の生誕50年記念両国大会の話題は

    有料サイト『ビッグファイト』のGK金沢コラムで書かせてもらうから。

GK  あ、ズルイ!

金沢 いやいや、『ビッグファイト』は入会していなくてもね、

    コラムの前半部分、全体の半分弱は読めるシステムになってるんだよ。

    そこで、その後の話が気になってしょうがない方は入会してくださいね、と(笑)。

    これをズルイとは言わない、商売上手と言ってほしいな。

GK  だけどさ、『別冊ゴング』と銘打つのはいいけど、

    まだ『ゴング』復刊号が買えないというファンからの

    抗議の声がチラホラ聞こえてくるじゃない?

    もう発売してから5週間も過ぎているのに。

    昨日も、発売日にAmazonで予約したゴングに関して

    「本を入荷しました」というお知らせがようやく届いたという声を聞いたよ。

    発売日に予約して5週間だよ!

    あり得ないでしょう。

金沢 いや、申し訳ないと思ってるんだけど、

    こればかりは編集サイドの人間にはどうしようもないことなんだよね。

    買ってくれた人には「ありがとうございます!」、

    まだ購入できずにヤキモキしているファンの人たちには

    「ホント、ごめんなさい!」と言うしかなくて…。

    そういえば、LLPWの両国でハチミツ二郎さんにも言われてね、

    「Amazonにゴングが出てすぐ予約したんですけど、

    本が着くまで2週間かかったんですよ」って。

    だから、少しでもゴング感を出させてもらおうと思い、

    ブログのタイトルだけでも『別冊ゴング』にさせてもらったわけよ。

GK  ところで、今後のゴングはどうなっているの?

金沢 あのね、それは軽々しく言えないし、言いたくないんだよ。

    今後、定期刊行化へ向かっているからこそ、

    いま水面下で慎重に動いていると解釈してもらいたいな。

    急いては事を仕損じる――そういうコトワザもあるじゃない。

GK  ああ、「SAY YESは1人じゃ歌えない」だな!

金沢 「せい」しか被ってないから、それ!!

    そろそろ、この10月最大のビッグマッチとなった

    新日本プロレスの10・13両国国技館の話題に行こうよ。

GK  当日、関東地区に史上最大級とも言われた台風19号が接近してきて、

    いろいろな面で心配されていたけど、よく入ったね。

    発表では9100人(超満員札止め)で、入場ステージも作らなかった。

金沢 升席の前の方が2人掛けで、後ろが4人掛けの設定だったよね。

    2階スタンドも埋まっていたし、オール4人掛けなら1万人を超えていたかもね。

GK  升席はどうしても、今の若い人向きじゃないし、

    4人掛けだと少し狭苦しい感じがしてしまうんだよねえ。

    どちらにしろ台風に関係なく、気持ちよくビッシリ入っていた。




金沢 この密集感だもんね。

    これは石井智宏が高橋裕二郎を破って

    NEVE無差別級王座を奪還した直後の絵だろうね。

    飛びあがってバンザイしている人もいるから。 

GK  放送席のテレ朝『ワ―ルドプロレスリング』の面々も、

    まだそんなに疲れた顔をしていないし…(笑)。

金沢 ハッハハハハ!

    なんせ全10試合、4時間半興行だったから。

    そこに棚橋弘至のパフォーマンスから勝利者インタビューまで含めると、

    4時間50分興行で、完全に東京ドームクラスの大会でした! 

GK  だけど、休憩までの前半5試合はいいペースで進んだよね。

    第1試合の8人タッグ(真壁&永田&本間&飯伏vsアンダーソン&ギャローズ

    &ファレ&トンガ)なんて、8人のうち6選手がG1参加メンバー だよ。

    どんだけ選手層が厚いんだって。

金沢 しかも、我らが野人・中西学はお休みなんだからね。

GK  じゃあ、前半5試合ではどれが光っていたかな?

金沢 これは断然、IWGPジュニアタッグの3WAYマッチでしょう。

    現王者のタイム・スプリッタ―ズ、前王者のヤングバックス、

    元王者のフォーエバー・フーリガンズが真っ向勝負の3WAYマッチという

    斬新な試合を見せてくれたよね。

GK  うん、ふつう3WAYマッチはゲーム性が強くなるんだよね。

    とくに、タッグだとゴチャゴチャになってドサクサ紛れの決着というパターンが多い。

    だけど、試合になっていたというか、スリリングな好勝負だった。

金沢 ちゃんと闘いを感じたよね。

    なにより気持ちが伝わってきた。

    レベルが高く、実力が拮抗しているからこそ、

    こいつらだけには負けたくない!っていう6選手の強い気持ちがね。

GK  だけど、終盤のアレックス・コズロフのアクシデントにはヒヤリとさせられた。

    昔の天山広吉の”逆さ吊り事件”を思い出したね。

金沢 第7回G1クライマックス(1997年)準決勝の橋本真也戦だ!

    ダイビング・ヘッドバットにいくとき、天山は左足で踏み切るんだけど、

    飛んだ瞬間、右足のリングシューズの紐がトップロープを支える

    金具に引っ掛かって宙吊りになってしまったんだよね。

GK  もの凄い勢いで飛びだしたから衝撃も凄まじくて、

    右脚に肉離れを起こして動けなくなり、

    蝶野とヒロ斉藤が必死に外したんだけど…。

    それでも右脚を引きずりながらダイビング・ヘッドバット3連発で

    橋本を破って初めて決勝進出を果たしたわけだよね。

金沢 G1トーナメント決勝の健介戦では、痛み止めの注射を3本打って臨んだけど、

    最後の最後で力尽きた。でも、いい試合だったよ。根性を見せてくれたから。

GK  という昔話はともかく、あそこはコズロフの最高の見せ場だったからね。

    最近よく使うブリ―ジョ・ドラド(変型トぺ・コンヒ―ロ)を狙った。

    マスカラ・ドラダがやるセカンドロープを踏み台にしてのトップロープ超えの

    トぺ・コンヒ―ロだけどね。

金沢 足を滑らせたのか、セカンドロープとトップロープに足首を挟まれた格好で

    前方のエプロンに頭から落下してしまった。

    隣にいた解説の山崎(一夫)さんも、「足が折れてるかもしれない…」って。

    ウェートが軽いのが幸いしたよね。

    あとは、アクシデントのあと、ロッキー・ロメロが異常にがんばって、

    そのうちコズロフも足を多少引きずりながらもカムバックしてきた。

    あれはもう”ド根性”というしかないよ。

GK  アンタはフーリガンズの2人と仲がいいもんな。

金沢 2人とも明るくて性格がいいからね。

    だけど、そんなこととは関係なく、プロ根性を見せてくれた。

    試合を壊すどころか、ますます結末をわからなくしてくれた。

GK  白熱の闘いを締めたのはKUSHIDA(以下、クッシ―)が

    コズロフに決めた回転足折り固め(ジャパニーズレッグロール・クラッチホールド)。

金沢 これも細かいところを見てほしいんだよ。

    本来の回転足折り固めは相手の両腕を脚でフックする。

    それがフックできなかったから、クッシ―はコズロフの両脚を掴んでブリッジしているんだ。

    これが昔よく披露していた藤波辰爾流の決め方なんだよ。

    腕をフックできなかったときは足首を掴んでブリッジするというね。

GK  なんたるマニアック…ああ、嫌になってきた(苦笑)。

    とにかく、いまジュニアタッグは層が厚くて、試合が熱いよね。

金沢 新日本もその空気を感じ取っているから、

    次期10~11月シリーズでジュニアタッグ・トーナメントを開催する。

    この3チームはもちろんのこと、8・10西武ドームにROH世界タッグ王者として

    参戦してきたカイル・オライリー&ボビー・フィッシュもエントリーしている。

    このジュニアタッグ・トーナメントは注目だよ!

GK  しかし、まあ前半だけでよくこれだけしゃべる材料があるよねえ(笑)。

    これは最後まで持たないね、きっと。

    さて、後半になってドカーンときたのは、

    やっぱりNEVER無差別級選手権(高橋裕二郎vs石井智宏)だった。




金沢 もう、この睨み合いの写真を見ただけで満足、納得じゃないか。

    好勝負にならないわけがない。

    今回、石井にとっては4カ月ぶりのリターンマッチになるわけだけど、

    前回、石井が敗れた6・29後楽園ホール大会より遥かにレベルが上がっていたね。

GK それは、つまり裕二郎のレベルが上がっていたってことだよね?

金沢 正解です!

    後楽園の試合は裕二郎のノラリクラリ戦法を観客が冷めて観ていたんだよ。

    「オマエはなにがやりたいんだよ!」という野次も飛んだほどでね。

    むしろ、ヒートしてきたのはバレットクラブのメンバーが乱入してきてから。

    そこにCHAOSのメンバーも石井救助に駆け付けて、

    館内の熱気がピークに達した。

GK  つまり、乱入によって盛り上がったということだよね。

金沢 そう見られても仕方がないと思った。

    だけど、今回の裕二郎はひと味もふた味も違った。

    彼はベルトを巻いて自信をつけたんだろうね。

    9・23岡山でYOSHI-HASHIの挑戦を退けた試合もよかったし。

    なんというか新しいヒール王者像を自分で見つけたような試合だった。

GK  シングル初挑戦のヨッシ―をガッチリ受け止めて、

    ガッチリ叩き潰したような内容だったもんなあ。

金沢 だから、裕二郎のベストマッチじゃないかって思ったんだよ。

    成長過程にあるレスラーってね、どこかで壁にぶつかるとしたら、

    先輩相手にはガンガンいく好勝負ができるのに、後輩を相手にすると、

    いつもの持ち味が出ないというか少し大人しくなってしまうと。

    若いころの棚橋もそうだったんだよね。

    先輩を相手にしたときは素晴らしい試合をしているのに、

    自分よりキャリアのない対戦相手だとタナの魅力が出ない。

    もちろん、本人もそれを理解していて、その壁を超えて行ったんだけどね。

GK 今回は乱入なども一切ない真っ向勝負になったよね。

   裕二郎の底力、ポテンシャルも存分に見せてもらった。





金沢 例えば後藤洋央紀なんかは凱旋以来、

    明らかに石井より格上に位置付けされて実績も残してきたわけじゃない?

    だけど、後藤は石井との連戦、抗争によって成長した部分がかなりあると思うよ。

    内藤哲也もしかりだよね。 
    横浜アリーナでの飯伏幸太vs石井も凄まじい試合になったし、

    柴田勝頼も石井を体験して火が点いた部分があったよね。

    もちろん、石井よりキャリアのある相手でも同じ。

    田中将斗vs石井、永田裕志vs石井は鉄板中の鉄板だし、

    ほぼ同期の真壁刀義vs石井も盛り上がったでしょう?

GK  裕二郎も、そこに入ってくるだけの力量を身に付けたということだね。

    まあ、見た目は武骨な男とスケベ野郎なんだけど(笑)、

    最後の力勝負は見ごたえ充分だったよ。



金沢 本当に失礼な話なんだけどさ、オレは石井がNEVER王座を初戴冠したころ、

    「なんてベルトの似合わない男なんだろう」と思ったわけ。

    やっぱり石井智宏っていう男はつねに裸一貫というか、

    余計な装飾は必要ないっていうイメージが強かったからね。

    だけど、いまは違う。

    NEVERのベルトはちゃんと石井色に輝いているんだよ。

    武骨な男の象徴として、しっかりと彼に馴染んできている。

GK  今後、NEVER王座は石井カラ―の試合で彩ってほしいよね。

    石井と誰の試合が見たい?

金沢 これはね、言うと本人は「舐めるなよ」と思うかもしれないけど、

    永田裕志が本気になって挑戦してベルトを奪いに行くところを見たいな。

    永田からすれば、オレはミスターIWGPと呼ばれた男だぞという自負と

    プライドがあると思うけど、G1公式戦で石井に初勝利を奪われている。

    逆にね、石井から永田を挑発してほしいよね。

    「悔しくないのか? 挑戦して来いよ」って。

    石井vs永田がとことんやったら、他の試合をみんな食っちゃうんじゃないかな?

GK  政治的な事情を抜きにして言うなら、もう一度、田中vs石井を見たいね。

    NEVERに息を吹きこんだのが田中vs石井戦なのは間違いないから。

    今度は石井が王者の立場で田中を迎え撃つ。

    いやいや、王者であっても石井は挑戦者のつもりで向かっていくだろうけどね。

金沢 いいねえ、見たいね。

    そして究極なんだけど、これも政治的なことは抜きにして、

    オレがイチバン見たいカードは石井智宏vs関本大介だね。

    かつて、リキプロのメインで実現しているんだけど、石井が勝っている。

    その試合を見た長州力は「もう何も言うことはないよ」と言った。

    つまり、注文が出ないほど2人の試合を絶賛しているわけだよ。

GK  石井vs関本だったら、お金を払っても観にいくよ!

金沢 あ、そろそろヤバイ!

    『ビッグファイト』のコラム原稿の締め切りが迫ってきた。

    今回はここまで…別冊ゴングのつづきはまた明日ということで。

GK  もう、無駄話が多すぎるからだよ。

    じゃあ、両国大会後編へつづく…