しばらく試合、大会の総括をサボっていたのだが…

いやいやサボっていたわけじゃなく溜めこんでいたのだが(笑)、

ここらで一気にいきたいと思う。


題して、新日本、ノア、W-1、全日本からスターダム、ZERO1まで。

ありゃ、そのまんまやないかい!?


それでは例によって、気楽なGK氏と

最近ストレスを溜めこんでいるという噂の金沢氏に、

真夏のビッグイベント『G1 CLIMAX』突入前の

日本マット界を語ってもらおうではないか!


                  


GK この2週間ほどプロレス界も大忙しだったね。
    4日=新日本の後楽園ホール、5日=ノアの有明コロシアム、
    6日=WRESTLE-1(以下、W-1)の両国大会、13日=ZERO1『火祭り』開幕、
    さらに、4日に新生全日本(オールジャパン・プロレスリング)の 

    発足記者会見、KENTAのWWE公開契約も行なわれた。
金沢 さらにさらに、先週の10日にはスターダムの後楽園ホール大会。
GK  それも事件なの?
金沢 大事件だよ、紫雷イオが”東の横綱”里村明衣子を破って、
    『ワールド・オブ・スターダム』王座Ⅴ10に成功。

    これで永田裕志に並んだから、次に世Ⅳ虎の挑戦を退けたら、

    いよいよ棚橋弘至の防衛レコードに並ぶってわけさ。

GK  それ、IWGPの話だから。

    やっぱりストレス溜まってるんじゃないの(笑)。

金沢 うっさい! 話を進めなさいよ。

GK  なんか荒れてるなあ(苦笑)。

    じゃあ、4日の新日本・後楽園ホールから軽く振り返ってみよう。

    例によって、立見券以外は完売の超満員だったね。

    やっぱり、ファンの一番のお目当てはメインのIWGPジュニア選手権でしょう。

    G1出場の決まっている飯伏幸太と、IWGPジュニアタッグ王者にして

    スーパージュニア準優勝のKUSHIDAのマッチアップ。

    いま、ジュニアでもっとも旬のカードだよね?

金沢 あ、その前にKUSHIDAは変換がメンドウなんで、

    彼には悪いけど愛称の”クッシ―”でいかせてもらうよ。

GK  なんか、今日は不機嫌というか開き直るねえ(笑)。

金沢 いいから、進めなさい!

    オレ、”ワールドカップ”にはさして興味はないけど、

    マー君(田中将大)が右肘靭帯の部分断裂で6週間の故障者リスト入り、

    状態が悪ければ手術だなんて…もう居ても立ってもいられないのだよ。

GK  それで御機嫌ななめなんだな。

    でも、ワールドカップも観ていたくせに(苦笑)。

金沢 たまたまだよ。後半早々にメッシ(アルゼンチン)が

    左からのクロスをハズしたところが勝負の分かれ目だな。

    メッシほどの選手からすれば、あれはとんでもないミスだよ。

GK  なんだよ、詳しいじゃんか(笑)。

    で、その期待のジュニア選手権だけど、想定外のアクシデントに見舞われたよね。

    あの飯伏が脳震とうでフラフラになってしまった。

金沢 あれには驚いたね。

    最初のハイスパートの攻防からして、

    これは大勝負になるなと思った矢先だった。

    クッシ―がハンドスプリング式のキックを放ったところ、

    どうもカカトあたりが飯伏のアゴかコメカミ付近を直撃したらしい。

    そこからガクッと飯伏の動きがストップしてしまったね。

GK  飯伏はご存知のとおり、とんでもない破天荒なことをやってのけるけど、

    記憶が飛ぶというのは滅多にないらしいんだよね。

    それが、こう力が入らないのかフニャフニャになって、

    必死に自分を奮い立たせようと気合を入れるんだけど、

    三角飛びのケブラ―ダも踏ん張れずに場外へ崩れ落ちてしまった。

金沢 だけど、あれはどちらも責められないよ。

    プロレスって、なにが起こるか分からない。

    そういうアクシデントや事故と隣り合わせで闘っているってこと。

GK  それにしても、あの状態でよく15分も闘ったよ。

    あれはクッシ―が半ば強引にホバーボードロックで決めてよかった。

金沢 おれはね、観客の反応もずっと見てたんだよ。

    「KUSHIDA、終わらせちゃえ!」という声が一度飛んだだけ。

    あとは、飯伏のカムバックを大声援で後押しする声が多くて、

    試合後もクッシ―への拍手と飯伏を心配する声がほとんど。

GK  本当に、新日本のお客さんは優しくなった。

    5年前なら、野次や怒号が飛んでいたかもしれない。

金沢 そこなんだよ。

    優しくなったと一言で片づけるのは簡単なこと。

    でも、みんな決して安くはないチケットを買って観戦に来てるわけ。

    期待の大一番なんだから、「なんだよ!」と言う権利はあるはずだよ。

    そうじゃなく、現実をちゃんと受け入れているということは、

    これこそ”信頼関係”って言えるんじゃないか?

    新日本プロレスには、とくに後楽園ホールでは、

    団体・選手側と観客の信頼関係が出来上がっていると…

    これってスゴイことだと思ったんだよね。

GK  まさに、ここ数年の新日本の努力が形になったということかな?

    でもクッシ―は正直、不完全燃焼だったろうね。

   


※つづく――。