世間がサッカー『ワールドカップ』ブラジル大会で大騒ぎしている中、

孤独にも(?)米国メジャーリーグとプロ野球『セ・パ交流戦』にしか

関心を持っていないワタクシ金沢(笑)。


今朝、マー君(ニューヨーク・ヤンキース)がブルージェイズ(トロント)

を相手に11勝目をあげ、なんと防御率を驚異の1点台(1、99)とした。

もう、マー君(田中将大)が先発するゲームはすべて録画しているし、

やっぱりライブ中継でも観たいから、この寝坊助のオイラが朝8時に

シャキッと起きたり、デイゲームのときは夜中の2時から明け方まで、

しっかりとゲームを観ている。


それにしても、これほどメジャーに行った日本人選手を毎回チェックするのは、

先駆者の野茂英雄、イチロー、松井秀喜以来になるかなあ。

楽天にいたころのマー君にはたいして関心がなかったんだけれど、

メジャーで彼が活躍する姿は本当に頼もしい。


なんといっても、力みのない理想的な投球フォームが素晴らしい。

おそらく、全力投球ではなく8割程度の力で

ボールをコントロールしているのではないか?


フォーシ―ム(直球)、ツ―シ―ム、代名詞のスプリット、スライダー、

カ―ブ、チェンジアップと多彩な球種の中から、

当日キレのいいボールを探し出し、有効に使う。


ランナーを背負っても冷静さを失わない。

そんなマー君でも明らかに気合の入る瞬間がある。

ホームランを打たれたバッターに対するときは、

表情がかなり厳しくなる。


「同じミスは犯さない、絶対に牛耳ってやる!」


そんな空気を全身から漲らせているのだ。

今日は、マー君のバックにイチローがいた。

さらに、対田中要員として川崎宗則がブルージェイズの

スタメンに昇格していた。

日本人が3人…いいなあ、楽しいなあ、誇らしいなあ!


だけど、今のヤンキースを見ていると、

デレク・ジ―タ以外にスーパースターがいなくなってしまった。

松井なら今でも4番を打てるんじゃないの(笑)。

そんなこともチラッと頭を過ぎる。


一転して、日本のプロ野球は交流戦の終盤へ。

交流戦突入前にズタズタだったジャイアンツが首位に飛び出し、

あれほど強かった広島カープが投壊してボロボロ。

ペナントレースのほうでも、いつの間にかジャイアンツが

セ・リーグの首位を快走中。


というわけで、もの心ついたころから野球小僧だった私は、

やっぱりサッカーより野球、ベースボールなんだよなあ。


あ、もうひとつ、もの心ついたときから好きなものがあった。

プロレス…そうだ、プロレスのことを書かないとね(笑)。

それから先だって、新日本のフロントの人と話をしていたら、

6・21大阪大会の前売り券が完売したらしい。

こりゃあ、選手たちも気合が入るよ、きっと!


さて、今回触れるのは先週の13日に取材してきた

ノアの後楽園ホール大会のこと。

故・三沢光晴さん5度目の命日ということで、

『三沢光晴メモリアルナイト』として開催された。


昨年の『小橋建太引退興行』以来、会場で姿を見た

川田利明がすっかり一般人っぽくなっていたのには、

複雑というか、若干の淋しさを感じた。


それに対して、本当に何年ぶりかにリングに立つ姿を見せてもらった

越中詩郎は相変わらず元気いっぱいだって!

たび重なる足の怪我のせいで、ヒップアタックの打点はやや低くなったものの、

ファンの大歓声に応えて、ケツ爆弾を連発する。


コーナーで待機しているときの

落ち着きのなさも健在。

トップロープを揺らしながら、

いつでも行ける臨戦態勢を作っている。

こんな落ち着きのない55歳…

世間では見たことないしサイコーだって!


連係の天龍チョップを狙うべく、

場外で乱闘する天龍に向かって、

「天龍さん!天龍さん!天龍さん!」と

声を張り上げて天龍をエプロンへ呼び込む。

さすが維震天越同盟としてIWGPタッグ王者にも輝き、

全盛期のテンコジらと激闘を展開した名コンビだ。


最後は越中の元祖・高角度パワーボム(※これがラストライドの

原型となった)で、決着。

役者が違うって!

天龍、越中…背中が語っているって!

人生、男を語ってるって!


きっと三沢も「越中さん、ぶっちゃけ髪の毛以外はなにも変わんないねえ…」と、

呆れて苦笑いしながらツッコミも入れつつ大喜びだろうって!

ありがとう、我らが越中詩郎メラメラ



セミファイナルは豪華タッグマッチ。

高山善廣&杉浦貴vs永田裕志&関本大介のマッチアップ。

高山&杉浦は師弟コンビで息ピッタリ。


一方の異色コンビだが、じつは同時期に2人が

全日本プロレスに参戦していたとき、

永田&関本&岡林裕二というトリオが実現している。

もともと永田は関本のことを買っているから

チームワークは心配ないだろう。



三沢の遺影に見守られる中、

現GHCヘビー級王者、永田が堂々とリングに立つ。

これもまた激しい試合になった。

そう、先だってZERO1マットで観たジュラシック・パークの

続きを見せられている感じ。


コンディション面で不安を残すのは高山だが、

かつてIWGPヘビーと新日本エースの座を争った

永田と対峙すると、高山の表情はあの帝王の顔に変わる。

ローキックの打ち合いでも一歩も引かなかった。


永田vs杉浦も火の出るような張り手合戦を展開。

そして、恐怖のダイナソー(恐竜)登場。

太すぎる腕がすでに凶器!?

ショートレンジのラりアットで杉浦をふっ飛ばしたときには、

力持ちのオバちゃんがベランダに干した布団を叩きまくっているような音がした。

いやはや、恐竜だ…。


しかし、師弟コンビに敗戦は許されない。

なんと杉浦のファイヤ―マンキャリーに

高山がニ―リフトを合わせるという、

仰天の合体go 2 sleepが炸裂。

トドメはオリンピック予選スラム。


さしもの恐竜、人間発電所、肉体のアマゾンも

この2連発を食ってマットに沈んだ。



かつては師弟コンビ。

だが、いま現在の高山&杉浦は堂々と両雄が並び立っている。

とくに杉浦は丸藤にも負けない強い意志で方舟牽引を誓っているのだ。


ところで、試合後、永田は最後にこう付け加えた。


「今日は結果では負けたけど、

試合は関本がもっていったよね。

そう思わない?」


そう私にもう一度確認すると、

「じゃあ、金沢さん、サービスショットだよ」

と言って関本とのツーショットポーズを決めてくれた。



やっぱり関本は人間じゃないな。

なんちゅう身体してんねん(笑)。


メインイベントは重い試合だった。

リング上が重苦しい空気に充満した試合だった。

それは当然だろう。


三沢さんが「フジマル君」と呼んで、

付人時代からもっとも可愛がっており、

誰もが三沢光晴の後継者と認める丸藤正道と、

三沢さんの最後の対戦相手として直接肌を合わせた齋藤彰俊の一騎打ち。


重い重い空気を切り裂くように、

彰俊はあのバックドロップを2連発も放っていった。

あれから5年、もうみんながこの技から解放されていいころだ。


三沢さん以上の受身の名手はしっかりとキックアウトした。

そして大逆転のポールシフトへ。

と思いきや、彰俊の重さに体勢が崩れ、

横投げ気味のエメラルドフロウジョンとなった。

結果的にウェートを乗せた痛烈な一撃となり3カウントが入った。






試合後、マイクを持った丸藤は、

「齋藤さん、再びプロレスリング・ノアの斎藤彰俊として

俺たちとこのリングを守ってください!」と直訴。


万感の思いで涙を浮かべながら彰俊がハッキリと返答。


「俺はあの日以来、コスチュームも変えてなくて、

つねに心はノアでした!」


こうして、2年半ぶりにノア所属の齋藤彰俊が

帰ってくることになった。

チクショー、泣いてたまるか。

泣かないぞ。

だって、彰俊はこのリングにいて当然の男なのだから。


当然のことを当然のこととして、丸藤が実行しただけなのだから。

三沢さんが急逝するという予想外の事故から5年。

まるで負のスパイラルに陥ったかのごとく、

ノアの周辺では様々なネガティブな出来事が持ち上がった。


だけど、これでひと段落。

リング外の話題はもういいだろう。

なぜなら、ノアのリング上は充実している。

試合は文句なくおもしろい。



かつてのライバル団体、新日本にはずいぶんと水を開けられた。

だけど、新日本に追いつけ、追い越せのスピリットで、

一歩一歩、確実に前進してもらいたい。


やってやれないことはないって!