新日本プロレスにとって、約11年ぶりの開催となった

横浜アリーナ大会。


何年ぶりかに訪れた横浜アリーナはやはり広いし、大きい。

それ以前に新横浜駅付近の景色が一変していた。

私の知る限り、駅前はずうっと何年も工事中だった。


ところが、改札を出てみると、陸橋が張り巡らされていて、

なにかまったく雰囲気が違っていた。

ただし、結局、陸橋をいったん降りて地上を歩き、

また横浜アリーナへと続く陸橋を上り、下っていくわけで…

おんなじゃないのー!


だけど、この同じ道筋がまた嬉しい。

そこのところは両国国技館へ向かうときの

気持ちの高ぶり、高鳴りに似たものを感じるからだ。


では、11年ぶりの横浜アリーナ大会、

『BACK TO THE YOKOHAMA ARENA』について、

お馴染みGK氏と金沢氏に語り合ってもらおうではないかい!



GK  新日本では11年ぶりの横アリとなるわけだけど、

    新日本に限らずいうと、この会場に来るのって何年ぶりなの?

金沢 最初は、『PRIDE』の藤田和之vsヒョ―ドル戦以来だと思いこんでいたんだよ。

    そうしたら周りの記者たちから、「それは2003年だから新日本の前ですよ」

    って指摘されてしまった(笑)。

    時系列がグチャグチャになってるって!

GK  正しくは、『ハッスルマニア』以来なんじゃない?

金沢 そうなんだよ、意外にも今はなきハッスル。

    2007年の11月だったかな?

    坂田亘vsザ・エスぺランサ―がメインで、

    小池栄子似の妖精が出てきたとき(笑)。

GK  じゃあ、正しくは6年半ぶりの横アリだね。

金沢 だけど、こう言っちゃあ悪いけど、しょせんハッスルはハッスルで、

    名シーンなんて浮かんでこないんだよ。

    あの会場に入って、広いバックステージを歩いて、

    インタビュースペースまで行ったときにいろんなシーンが浮かんできたけどねえ。

GK  アンタも古いよねえ(笑)。

    そういえば、平田さんに言われてたじゃん。

    「金沢さん、もうこの世界に40年ぐらいいるの?」って。

金沢 平田さんもひどいよなあ。俺、まだ28年だよ。

    平田さんこそ、入門してから36年ですよ。

GK  そんなこと言いつつも2人で延々と昔話していたくせに(笑)。

    あのとき、誰それが借金しなければ、

    誰それが豪快に会社の経費で飲み食いしなければ…

    とっくに自社ビル建っていましたねえってさあ。

金沢 常識人の平田さんとだから話せる話だよ(笑)。

    でも、ホントにバックステージが懐かしくて、

    ベテランの記者たちと盛り上がったんだよね。

    あ、ここがUWFインターの控室だったよね!?とか…。

    ギリギリで新日本vsUインターを知らない三田(佐代子)さんとか、

    「へえー、ここにUインターの人たちが陣取っていたんですか!」と

    興味深そうだった。

GK  あと、ここが新日本フロントの控室で、都合が悪くなると、

    永島オヤジ(勝司さん)が引き籠って出てこないとかねえ(笑)。

金沢 そういう話って小佐野(景浩)さんぐらいしか分かってくれないんだよ。

    俺が言うと爆笑していたけどさ。

    あとは、ここで、この場所で折原が長州力に向かって土下座して

    反選手会同盟との再戦を直訴したとか…(笑)。

GK  それも小佐野さんしか分かってくれないでしょ。

    そのとき北原(光騎)もいたよね。

金沢 「帰れ!天龍が来なければ話は白紙だ!!」って、

    怖い長州全開だったよね。

GK  それ以降の『力道山メモリアル』とか、長州vs大仁田戦になると、

    けっこうみんな知っているんだよね。

    なんといっても、2000年3月の『第2回メモリアル力道山』だよ。

    会場入りする橋本を待ち伏せしていた村上和成が襲撃して、

    橋本がアリーナの駐車場で大流血に見舞われた。

    あのときはメインで因縁の橋本&小川直也がタッグを結成している。

金沢 もちろん、猪木指令のタッグ結成なんだけど、

    橋本&小川組vs天龍&B・B・ジョーンズというカードがメインだった。

    で、メインのリングに入場してくる橋本が鉢巻きで額を被っているんだけど、

    まだ出血が止まらないほど傷が深くて、ファンには意味がさっぱり分からない。

GK  それで、リングインした橋本が当時、村上の親分格だった小川に

    マイクでアピールするわけだな。

金沢 そうそう!

    「おい、小川! なんで試合前に村上に

    駐車場で俺を襲わせたんだ!?」って…

    たしかにその通りではあるんだけど、

    長い説明をマイクでアピールした。

GK  それでようやくお客さんも事態を呑みこめたような

    呑みこめないような不思議な空気になって、

    結局、橋本は試合後、引退を賭けての一騎打ちを小川にアピールしたと。

金沢 そういうこと。

    いやあ、めんどうくさいねえ(苦笑)。

    ちなみに、橋本をフォールしたB・B・ジョーンズっていうマスクマンは

    新日本に留学していたローン・レイスで、あのビッグ・ジョン・スタッドの

    息子という説もあったんだよね。

GK  あのさあ、思いで話はもうこの辺にしておいたら?

金沢 まったくだ、キミのペースに乗せられてしまった。

    まあ、とにかくひさびさの横浜アリーナだけど、

    入場のセットバックが豪華だったね。

    だけど、あのセットバックを組むと最大1万7000人収容といわれる

    横浜アリーナのキャパが1万人を割るらしいね。

GK  それで7800人のノーマークになったわけだ?

    極めて良心的な発表であり、数字だね。


                  

金沢 ほぼ実数でしょう。

    アリーナ席に若干虫食い状態のような空席があったけど、

    2階席がよく埋まっていたもんな。

    この興行を両国でやっていたら、おそらく満員だったと思うよ。

    やっぱり、11年のブランクは確実にあったろうね。

    たとえば、ライブは後楽園ホールにかぎると言って、

    両国でさえ敬遠するファンもいる昨今だから…。

GK  ただ、両国より大きい横アリを考えた場合、

    カード編成はどうだったのかな?と思うよ。

    両国でさえ敬遠するファンがいることを考えたら、

    それ以上のものが必要になるよね、当然!

金沢 正直ちょっと弱いかなと思った。

    その要因として、後半の目玉カードに絡んでくるグレイシー一族を

    どう位置付けるか…というよりファンは彼らをどう見ているか?

    そこにかかってくると思うんだよね。

    そこで結果的に……

GK  結果を急ぐ必要はないって!

    だって、これだけ話してもまだ本題に入ってないんだから(笑)。

金沢 じゃあ、本題は後編で…ということだね!

GK  はい、後編までバイバイキ~ンDASH!