2年半にもわたるロングセラーとなった

DVDマガジン「燃えろ!新日本プロレス」も、

本日(24日)発売のvol.67をもって、いよいよ最終号を迎える。


これまでブログ上でお付き合いしてくださった

ファンの皆さん、ありがとう!


遡れば、一部地域でのテスト販売を経て、全国発売が決定。

さらに編集部からのリクエストを受け、

私がアドバイザーを務めることになってから2年余、

まさかここまで長く続いたうえ、稀に見るヒット作になるとは…。


当初は数字も読めなかったし、予測を超えた反響の大きさに、

燃えプロに関わるスタッフ一同は、

本当に嬉しい悲鳴(!?)をあげっ放しの状態となった。


キャア~~叫び


最後なので、一応嬉しい悲鳴をあげてみました(笑)。

思いを込めた最終刊のタイトルは、

『一寸先はハプニング!! 新日本フォーエバー』。


というわけで、全試合ノーカット収録(115分)

DVDのメニューは次の通り。


①力道山門下のライバル、戦慄のラストマッチ!!

アントニオ猪木vs大木金太郎 

1975年4月4日、蔵前国技館〕


②遅咲きの“革命戦士”がハレのLAで初タイトル!!

ヒロ・マツダ&マサ斎藤vs坂口征二&長州力 

1979615日、米国 ロサンゼルス オリンピック・オーデトリアム〕


③“黒い呪術師”とテキサスの“狂犬”が因縁の大流血戦!!

アブドーラ・ザ・ブッチャーvsディック・マードック

198377日、大阪府立体育会館〕


④新日マット大混乱!増殖マシーン軍団に“大巨人”の怪!?

アントニオ猪木&坂口征二vsジャイアント・マシーン&スーパー・

マシーン 

1985830日、山形県体育館〕


⑤飛龍がNWA世界ヘビー級王座奪取も騒乱!?

藤波辰爾vsリック・フレアー 

1991321日、東京ドーム〕 


⑥“悪の化身”、IWGP王者をビール瓶で殴打の乱!!

藤波辰爾vsグレート・ムタ 

1991923日、横浜アリーナ〕



①前年に猪木vsストロング小林、猪木vs坂口征二、

さらに猪木vs大木金太郎という禁断の日本人対決が次々と実現。

75年春の『第2回ワールドリーグ戦』には、

日本選手権のムードさえ漂っていた。


4・4蔵前国技館の開幕戦でいきなり実現したのが、

猪木vs大木、坂口vs小林の2大シングルマッチ。


こと猪木vs大木に関していうと、前年の10・10蔵前のNWF戦で猪木が勝利。

そして、開幕直前の3・27韓国ソウル大会で猪木がインターナショナル王座に

挑戦した一戦は両者リングアウトで大木の引き分け防衛に終わっている。


3度目の正直、雪辱に燃える大木は「これしかない!」とばかり、

試合開始早々から頭突きの連打連打…わずか1分余で猪木から

リングアウト勝ちをもぎ取った。


新日本マットにおける猪木の対日本人無敗伝説が

崩れたインパクトは満点。

同時に、その後、大木は全日本プロレスへ引き抜かれたために、

これが猪木vs大木の最後の対戦となったわけである。


②この年の4月、坂口&小林はマツダ&斎藤の”狼軍団”に敗れ

北米タッグ王者から転落。

小林のコンディションの悪化と長州の売り出しを狙って、

坂口は新パートナーにキャリア5年目に入った長州を指名した。


タイトルマッチが行なわれたのはロスのオリンピック・オーデトリアム。

このリングで力道山、馬場、猪木がベルトを巻いてきたわけだから、

日本人レスラーにとっては聖地ともいうべき準ホームリングである。


決勝の3本目を獲ったのは長州。

単純に見れば初戴冠した長州の出世試合となるが、

のちに生まれたマサ斎藤との師弟関係、坂口ー長州体制で作り上げた

90年代の新日本黄金期などを重ね合わせてみると、

よけいに感慨深い一戦といえるだろう。


③81年に全日本から移籍してきたブッチャ―とマードックは、

もともと犬猿の関係にあり、新日本側が配慮したのか、

2人は同じシリーズに来日しないというのが一つのパターンとなっていた。


その両雄による一騎打ちとなれば、

まともな試合で終わるわけもなかった。

両者とも大流血する大喧嘩マッチへと発展。


この抗争が継続されなかったのは、

心底お互いのことを嫌っていた証拠でもある。


④シリーズ開幕戦の8・23東村山大会に出現したのが、

将軍KYワカマツが率いるマシン軍団で、

ジャイアント・マシーン(アンドレ・ザ・ジャイアント)、

スーパー・マシーン(マスクド・スーパースター)の正体はバレバレ。


一方、本家S・S・マシンはヒロ斉藤、高野俊二と

カルガリー・ハリケーンズを結成して、

8月29日をもって新日本を離脱している。


そこで、8・30山形では、猪木&坂口の黄金コンビと

超大型マシ―ンズが真っ向激突。

あのアンドレがマスクマンとしてノリノリで暴れまわる。

のちにマシーン軍団はWWFにも登場したわけだから、

新日本マットは流行の一歩先を行っていたのかもしれない。


⑤これぞ、いわくつきの藤波辰爾による

幻のNWA世界ヘビー級王座奪取劇である。


新日本とWCWの提携により、3・21東京ドームで

NWA(フレアー)vsIWGP(藤波)のダブルタイトル戦が実現。

藤波がフレアーからピンフォールを奪い、

ジャイアント馬場に続く日本人で2人目の快挙を達成し、

東京ドームは大爆発した。


ところが、打ち上げ会場で、新日本首脳部と

WCWサイドが揉めに揉める。

試合中、藤波にオーバー・ザ・トップロ―プの反則行為があったというのだ。

たしかに、レフェリーが見ていない場面でその行為はあった。

ただし、「ルール・ミーティングではオーバー・ザ・トップロ―プの件は

いっさい出ていない」と新日本サイドも退かない。


結局、WCW側はその場でNWAベルトを持ち去り、

ベルトを奪還した(?)フレアーは帰国の途に就いた。

ところが、これはまだ大混乱へのプロローグに過ぎなかった。

その後、ベルトを追って藤波は米国マットへ。

そのときアメリカでは、藤波こそ王者であり、

これは藤波の防衛戦だと書き立てている一部雑誌もあったほど。

それほど米国メディアも混乱していたのだ。


結局、現地で藤波のベルト奪取はならなかったものの、

藤波の名前が正当に王者として歴史に刻まれているという説もあるのだ。

また、この直後、フレアーはNWAベルトを巻いたまま

WWFへ電撃移籍し、ホーガンとの世界統一戦へと動いた。


これに慌てたWCW幹部は急遽、フレアーのNWAベルト剥奪、

さらにWCW世界ヘビー王座を新設し、

それを最高峰の看板タイトルに認定している。


新日本の東京ドームで起こった事件は、

のちに全米マットを揺るがす事態にまで発展したのである。

だれも予測できなかった、まるでテレビドラマのような展開。

いやはや、自分で書いていても混乱してよく分からなくなってきたぜぇ(苦笑!)。


⑥同年8月の『第1回G1クライマックス』公式戦で、

藤波からシングルマッチ初勝利を奪った武藤敬司が、

今度はグレート・ムタとして、IWGP王者・藤波と対戦。


悪の限りを尽くすムタは、なんとビール瓶で思い切り

藤波の頭部を痛打、そのままムーンサルト・プレスで

ノンタイトル戦ながら王者をフォールしてのけた。


まさに、ムタの商品価値は上昇する一方。

ところが、この横浜アリーナには思わぬ難敵が潜んでいた。

武藤はこの大会に結婚前の久恵夫人を招待していた。

久恵さんと一緒に観戦に来たのは彼女のお父さん。


東洋の悪魔たるムタを間近に観た父親は、

「こんな悪いやつに娘はやらない!」と怒り心頭。

これは当時、武藤本人から聞いた実話である。

ああ、ヒールはつらいよ!


燃えろ!新日本プロレスvol.67

一寸先はハプニング!! 新日本フォーエバー

発行元=集英社

定価=1680円

本日(24日)、木曜日発売!


最後に…いままで”燃えプロ”を愛読してくれた

すべての人に感謝を込めて、

愛してイヤァオ! Forever!!


そして、必ずいつかまた会いましょう…