DVDマガジン『燃えろ!新日本プロレス』は

このたび67号までの続刊が正式決定した。


50号まで続いたことじたい快挙だったのに、

さらに60号までの続刊が決まり、

なんとその先にプラス7号を積み重ねることができる。


このご時世にあって奇跡のヒットシリーズと言っていいだろう。

これもひとえにアドバイザーを務める私の……

もとい!地道に映像を探しチェックしてくれる各スタッフによる努力と、

プロレスファンの皆さんのおかげと感謝するしかない。


発行元の集英社にも、当ブログにも数多くのリクエストをいただいているが、

それにストレートに応えられない大人の事情もあったりで、

みんな歯ぎしりしてきた部分も正直ある。

本当なら、これこれこういう事情で収録不可能と書いてしまいたい気もするが、

それを書けないから大人の事情であり、

また書かないのが大人の礼儀というもの。


そこらあたりは察していただきたい。

その一方で、なぜ70号ではなく67号なの?

という疑問を持つかたもいるかもしれないが、

そこに大人の事情はないようだ(笑)。


つまり、燃えプロのホームページを見てもらうと分かるのだが、

第51号から燃えプロを収納する「特製DVDラック」応募券

(※5枚送るともれなくプレゼント)が付くようになった。

この特製ラックはちょうど燃えプロを17巻分収納できる。


というわけで、51号から数えて17巻目となる67号が、

ひとまず最終刊と決まったしだい。

うん、シンプルなオチがついていいぞ!


では早速、最新刊(56号)の紹介をしたい。

燃えろ!新日本プロレスvol.56では、

史上最高のジュニアの祭典を収録している。


ジュニア史上初の祭典!

歓喜の『スーパーJカップ』

のタイトル通り、1994年4月16日、

両国国技館で開催された5団体、14選手参加による

史上初の越境ジュニア・トーナメント。


この大会をキッカケに、

日本マット界でジュニアヘビー級が確固たるジャンルとして認められ、

各団体にジュニアのスター選手が数多く生まれるようになった。

そう言いきっていいほどの素晴らしいワンナイト・トーナメントだった。


全試合ノーカット収録(特増146分)の

DVDメニュー(全13試合中、11試合収録)は次の通り。



金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba


 

◎スーパーJカップ〈1回戦〉

ディーン・マレンコvs外道

大谷晋二郎vsスペル・デルフィン

ブラック・タイガーvsTAKAみちのく

エル・サムライvs茂木正淑

ネグロ・カサスvsリッキ―・フジ

獣神サンダ―・ライガーvsハヤブサ


◎スーパーJカップ〈2回戦〉

ワイルド・ペガサスvsブラック・タイガー

エル・サムライvsザ・グレート・サスケ


◎スーパーJカップ〈準決勝〉

ワイルド・ペガサスvs外道

獣神サンダ―・ライガーvsザ・グレート・サスケ


◎スーパーJカップ〈決勝〉

ワイルド・ペガサスvsザ・グレート・サスケ


新日本プロレス主催ながら、フロント主導ではなく、

各団体との交渉事はライガーが自ら行なったことで、

当時としては画期的な5団体のジュニア戦士たちが集結した。


ただし、ジュニアだけでのビッグマッチというのは先例がなかっただけに、

当時はマスコミも、団体関係者も未知数の大会と感じていた。

ところが、両国は超満員の観客で埋まり、

試合開始前から異様な空気に包まれた。

ここでの異様というのは…まさに鳥肌が立つような感覚。


当日、取材をしていた私がゾクゾクとしたのだから、

ファンの抱く期待感と熱気はそれ以上だったろうし、

半端なものではなかったことがわかると思う。


そして1回戦から注目カードが実現し、

スターが誕生していった。

まず、負傷欠場の折原昌夫に代わって

エントリーされたWAR代表の外道。


1回戦で実力者マレンコを破り、

2回戦では因縁のデルフィンに快勝、

準決勝でペガサスに敗れたものの堂々のベスト4入り。


もともと関係者からの評価は抜群に高かった外道だが、

その実力をファンの前で堂々と見せつけた格好。

ちなみに、『週刊ゴング賞』は取材スタッフ満場一致で、

外道に贈呈されている。


ヤングライオンながら新日本の誇りに溢れていた大谷と、

派手なパフォーマンスが売りのデルフィンとの対戦は、

危険な匂いもしたし、まさにミスマッチ感がいっぱい。


ところが、見事にはまった。

キャリア2年弱で幅の広いファイトを披露できる大谷と、

デルフィンの千両役者ぶりがかみあう好勝負となった。

この試合があったからこそ、のちにデルフィンは

新日本マットの常連になるわけだ。


ブラックvsTAKAでは勝負にならない。

当初、誰もがそう思っていたことだろう。

まして、股旅姿に入場テーマは『みちのくひとり旅』である。

予想通り、試合はブラックの快勝に終わったものの、

最大のインパクトを持っていったのはTAKAの一発。


ノータッチでトップロープに飛び乗っての

スワンダイブ式プランチャである。


モニターTVでそのシーンを観た長州力現場監督が、

思わず、「こいつは宇宙人か!?」と驚嘆の声をあげた。

そこから宇宙人プランチャの名称が誕生したわけである。

まさに、プロレスラー・TAKAみちのくの運命を変えた一発でもあった。


今大会の目玉の1人がメキシコ修行から一時帰国して

Jカップに参戦してきたFMWのハヤブサ。

次期エース候補のハヤブサを1回戦で迎え撃ったのがライガーだった。


ある意味、ライガーからの最高のプレゼントという見方もできる。

勝敗がどう転ぼうとも、ライガーとの対戦であれば、

絶対に損はないし、得るもののほうが大きいはず。


その期待にハヤブサはしっかりと応えた。

風貌のカッコよさ、類い稀な跳躍力、

掟破りのシューティングスタープレスと、

パフォーマンスのすべてに華があった。

ハヤブサもまた新スターとして認知されたわけである。


2回戦に関しては、DVDの収録時間の関係上、

残念ながら外道vsデルフィンの遺恨対決、

ライガーvsリッキ―のカルガリー同門対決は収録されていない。

どちらもマニアには堪らない好勝負だっただけに残念だが、

ここは大人の事情で勘弁してもらいたい。


というわけで、外国人ながら新日本枠でエントリーしていた

ペガサスとブラックがテッパンのガイジン頂上対決。

新日本のジュニア黄金期を支え、ともにWWEで頂点に立ち、

若くして逝去した名レスラー2人の雄姿を堪能してもらいたい。


そして、ついに超目玉のサスケが登場。

当時のサスケには未知の東北のヒーローというイメージがあり、

首都圏ではサスケ幻想が高まる一方だった。

そして、噂通りにサスケは度胆を抜く空中戦を連発。

特にサムライ戦は今大会のベストバウトと言っていい内容である。


さらに、実力者サムライを破ったのに続いて、

準決勝でライガーまで食ってしまったサスケ。

もう決勝を待たずして、ザ・グレート・サスケは

全国区のスターとなった感もある。


決勝では、実力でライガーと双璧といわれるペガサスと、

サムライ、ライガーの2強と連戦を行ない満身創痍のサスケが対峙。

3度目の奇跡を願う会場は当然サスケコールに沸きかえる。


この決勝では、ジュニアならではのシーンも見られた。

苦闘するサスケに駆け寄ったライガーが何度も激を飛ばし、

みちプロで敵対するデルフィンまでサスケのセコンドに付いたのだ。

このシチュエーションでここまでやれば、

サスケも敗れて悔いなしだろう。


最後は、優勝したペガサスを参加メンバーが胴上げ。

ノーサイドで手を上げての記念撮影。


ちなみに、大会前、エントリー全選手を集めて、

厳しい訓示をたれた長州現場監督は、

大会終了後にも参加全選手を招集した。

全員にポケットマネーで特別ボーナスを配布するためだった。


あの長州力をそこまで感動させた大会なのだから、

やはり奇跡の祭典というしかないだろう。


燃えろ!新日本プロレスvol.56

ジュニア史上初の祭典!歓喜の『スーパーJカップ』

発行元=集英社

定価=1680円

絶賛発売中!!