本日(10日)木曜日発売のDVDマガジン、

燃えろ!新日本プロレスvol.53のタイトルは

『こんな夢が見たかった!俺たちの”スーパータッグ”』。


全試合ノーカット収録(119分)DVDのラインナップ

はかなりの豪華版だ。


1970年代から始まって、80年代、90年代、

さらに2000年代に実現したドリームタッグチーム、

夢のタッグ対決、名タッグチームの登場と、

全5試合すべてが楽しめる構成となっている。


それでは、メニューを紹介してみたい。


①“黄金コンビ”を襲うハリウッド・ブロンドスの毒牙!!

ジェリー・ブラウン&バディ・ロバーツvsアントニオ猪木&坂口征二

(1975年10月2日、大阪府立体育会館)


②テキサス・アウトローズ、新日マットで奇跡の再結成!!

ラッシャー木村&タイガー戸口vsダスティ・ローデス&ディック・マードック

(1981年12月8日、蔵前国技館)


③”不沈艦”&”欧州の帝王”、一夜限りの最強コンビ!!

アントニオ猪木&藤波辰巳vsスタン・ハンセン&ローラン・ボック

(1981年12月8日、蔵前国技館)


④IWGP対WCW、最強外国人タッグ王者が真っ向勝負!!

ビッグバン・べイダ―&クラッシャー・バンバン・ビガロvsスタイナー・ブラザーズ

(1992年6月26日、日本武道館)


⑤”ノアの象徴”降臨、暗黒期のドリームカード!!

藤波辰爾&三沢光晴vs蝶野正洋&獣神サンダ―・ライガー

(2005年5月14日、東京ドーム)



金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba


①1973年当時からNWA認定北米タッグ選手権の

奪取に向けて走り出した猪木&坂口の黄金コンビにとって、

最初のライバルともいうべき存在が、

クルト・フォン・ヘス&カール・フォン・ショッツのナチの亡霊コンビ。


いわゆる1プラス1が4にも5にもなるという

タッグの定石・鉄則を地でいくコンビだった。

この名コンビからベルト奪取に成功した黄金コンビの前に

立ち塞がったのが、ハリウッド・ブロンドス(元ブロンド・ボンバーズ)。


彼らもまたタッグの職人であり、

黄金コンビを大いに苦しめた。

この一戦は猪木の負傷により坂口&ストロング小林との

新王者決定戦を制したブロンドスが黄金コンビの挑戦を受けて立った試合。


個々の力量差は歴然としていてもタッグならば負けない。

古き良きタッグチームの本来あるべき姿を

再確認できるタイトルマッチである。


なお、のちにバディ・ロバーツはテリ―・ゴディ&マイケル・ヘイズと合体し、

伝説のユニット、ファビュラス・フリ―バーズを結成することになる。


②1968年に結成されたテキサス・アウトローズは、

6年余にわたって全米各地を転戦しタッグ王座を獲得した超実力派チーム。

日本マットにおいては、国際プロレス、全日本プロレスでその雄姿を披露している。


その後、チームを解散した2人はシングルプレイヤーとしても

確固たるトップの地位を築きあげていた。

1981年8月、マードックが全日本から新日本へ移籍。

ちょうど、そのころローデスも新日本マットに登場するようになった。

円熟の境地に入った両雄が、なんと新日本マットで奇跡の合体。


ブランクなどものともせず、躍動するアウトローズにファンは大爆発。

まして対戦相手が木村&戸口とあって、本来ヒールのアウトローズが

完全にベビーフェ―スとなる見事な逆転現象がおもしろい!


③新日本マットにおける米国最強と欧州最強がワンナイトタッグを結成。

まさに反則といっていいタッグチームだろう(苦笑)。

アンドレ・ザ・ジャイアントを別格とすれば、

個々の実力だけでもこのチームは当然のごとく強い。

タッグワーク、チームプレーなどなくても、やはり強かった。


しかし、皮肉なことにこの数日後、ハンセンは全日本マットへ電撃移籍。

ボックのほうは翌年元日の猪木とのシングル戦が日本でのラストマッチとなった。

まさに時代の変わり目に実現した夢一夜の趣き。

それだけにハンセンvsボックのシングル戦もぜひ見てみたかった。


④当時の新日本マットを代表するガイジン最強タッグチーム決定戦は

文句なく名勝負となり、私的観点でいくとこの試合を超える

外国人同士によるタッグのタイトルマッチは見たことがない。


元IWGPタッグ王者であり、本国WCWでも無敵の存在だったスタイナーズ。

一方、武藤&馳からベルトを奪って以来、橋本&蝶野、武藤&馳を相手に

Ⅴ2を達成し、無敵の巨獣コンビになりつつあったベイダ―&ビガロ。


このIWGPタッグ戦を迎えるにあたり、実は不穏な空気も流れていた。

ガイジン勢のボスであるベイダ―は異常なほどプライドが高く、

自分がNFLのドラフト1位選手であったことをハナにかけているところがあった。


そこにカチンときていたのが、リック&スコット。

ともにレスリング出身の本格派であり、

喧嘩にもめっぽう強いから手に負えない…。


この試合、何かが起こる!

戦前、そう予想されていたのも事実なのだ。

ただし、ベイダ―はスタイナーズの実力を認めていたから、

パワー全開のクリーンファイトで勝負した。

そこに職人ビガロの上手さがミックスされた結果、

稀に見る名勝負が生まれたのである。


⑤2005年当時、新日本プロレスはいわゆる暗黒期の真っただ中にあった。

1・4東京ドームは史上最悪のドーム興行とまで酷評され、

猪木オーナーの傀儡政権ともいえる草間政一社長のもと、

内部は大混乱を呈していた。


その一方で、現場をまとめようと試みていた蝶野の人望と尽力もあり、

メジャー3団体はいいかたちで連立していた。

結果、この5・14東京ドーム大会にはノアの三沢光晴、全日本の武藤敬司が参戦。


藤波&三沢という夢の初タッグは藤波の希望から実現したものだった。

藤波の要望を快諾した三沢は、大会当日にノアの埼玉大会に出場してから、

東京ドームに駆けつけるというダブルヘッダーで臨んでいる。


しかも、プロ入り前に憧れの存在であった藤波に対し常に敬意を表し、

「指名していただいたことを光栄に思います」というコメントまで発していた。

これは目立たないことなのだが、試合後の共同インタビューの席でも、

藤波が着席するまで、三沢はずっと立ったまま待っていた。


三沢光晴の男気……

改めて感服させられる!


燃えろ!新日本プロレスvol.53

こんな夢が見たかった!俺たちの”スーパータッグ”

発行元=集英社

定価=1680円

10月10日(木)、本日発売!