26日(木)発売のDVDマガジン、燃えろ!新日本プロレスvol.52

のタイトルは「新日マットに消ゆるとも、”Uの魂”は死なず!!」。

その表題通りに、新日本マットで行われたUWF身内対決、

新日本vsUWF、新日本vsUWFインター対決の中から、

記憶に残る貴重な試合を網羅している。


全試合ノーカット収録(114分)DVDのメニューは

次の通り。


①弾ける「マエダ」コール、これがUWFだ!!

前田日明vs高田伸彦

(1986年1月3日、後楽園ホール)


②愛憎入り乱れ…不穏なジャパンカップ決勝戦!!

アントニオ猪木&藤原喜明vs前田日明&木戸修

(1986年12月11日、両国国技館)


③”ド演歌ファイター”、Uの両雄タッグにド根性!!

武藤敬司&越中詩郎vs前田日明&高田伸彦

(1987年3月20日、後楽園ホール)


④新日マットがUに染まったIWGPタッグ戦!!

前田日明&高田延彦vs藤原喜明&山崎一夫

(1987年9月1日、福岡国際センター)


⑤ザ・ゴールデンカップス、200%世にはばかる!!

橋本真也&平田淳嗣vs安生洋二&高山善廣

(1996年2月25日、両国国技館)


⑥パートナー見殺し!新格闘王、孤高のプライド!!

武藤敬司&獣神サンダー・ライガーvs高田延彦&佐野直喜

(1996年2月25日、両国国技館)



金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba


①新日本とUWFの業務提携に伴い、

まず開催されたのがアントニオ猪木への挑戦権を賭けた

UWF勢のシングルリーグ戦。

対抗戦ではなく、身内同士のつぶし合いという

不思議な展開からスタートした。


それほどUWFというより、前田の存在は危険視されていたわけだ。

そのリーグ戦の初っ端で組まれたのが、前田vs高田戦。

まだ格の差、力量差は歴然としていた両雄だが、

「Uとは何たるか?」を全国ネットで見せつけるべく、

前田、高田は打撃、グラウンドで技術をしっかりと見せつける。


いま改めて観ても、

前田のドラゴン・ス―プレックスは本当に美しい!


②対抗戦がスタートして1年弱で、

新日本サイドはUWF勢を取り込んだかたちの

マッチメイクを組むようになった。

藤原は猪木との旧師弟タッグを結成し、

越中&高田のライバルタッグも実現。


そんな中、前田&木戸組は天王山ともいうべき、

猪木&藤原組との一戦に敗れ去る。


「もう猪木さんと闘う必要はない」


これが試合後の前田のコメント。

どういう心境の変化があったのか?

猪木との一騎打ちが実現しないジレンマ、

一方で見つけた同志ともいうべき藤波の存在、

この2つの意味を消化した末の答えだったのかもしれない。


③新日本vsUWFの闘い模様にあって、新世代、新時代

を予感させたのが、このタッグマッチ2連戦だった。

空位のIWGPタッグ王座をめぐり新王者決定トーナメント

を勝ちぬいたのが、武藤&越中と前田&高田。


すでに高田との名勝負数え唄は誰もが認めるところであり、

ヘビー級の前田相手にも真正面から立ち向かっていく越中。

スピードとキレ、さらに柔道時代に培ったグラウンドテクに

自信を持っている武藤。


局面が二転三転するスリリングな攻防の末に、

越中が高田から劇的逆転フォール。

大方の予想を覆し、武藤&越中が新王者へ。

だが、6日後に大阪で行われたリターンマッチでは、

前田&高田がリベンジに成功している。


試合後、4選手がしっかりと握手を交わすなど、

4人が4人とも互いを認め合っているシーンも見られ、

エンディングもじつに気持ちがいい!


④5月の仙台で組まれた同一カードでは、

王者組(前田&高田)が防衛に成功。

だが、山崎の痛烈なキックを浴びた前田が、

胸部を骨折し戦線離脱の憂き目に遭った。

アクシデントはあったものの、試合内容の

素晴らしさから文句なく再戦が決定。


9・11福岡大会も壮絶な試合となったものの、

山崎が高田をジャーマンス―プレックスでピンフォール。

UWF5番手と見られていた男がついに結果を出した。

新日本マットを完全ジャックしたUにしか体現できない

闘いだったと言いきっていいだろう。


⑤新日本vsUWFインター抗争の真っただ中、

突然始動した安生率いるゴールデンカップス。

このIWGPタッグ戦は抜擢を受けた高山の出世試合といっていい。


入場時から200%と描かれたマシンマスクを被り、

マスクを脱がされると安生の額には200%とペイントまで施されている始末。

あまりにおちょくられて激高する橋本は、

ベルトで高山の頭部を痛打。

その後、ベルトが新調されるまで、IWGPタッグベルトの一方が

凹んだままだったのはこのときの一撃のせい。


あれから15年以上経った今でも、

「あの1発は痛かったよなあ!」

と当人の高山も苦笑いするばかり。


いずれにしろ、異色のタッグタイトル戦は、

新日本勢の快勝に終わったものの、

インパクトという面ではゴールデンカップスも負けていなかった。


⑥1・4東京ドームで武藤にリベンジした高田が

IWGP王者として迎えたタッグマッチ。

すでに、3・1日本武道館(Uインター興行)で

越中相手に初防衛戦が決定している高田は、

予想もしない方法で自己主張を見せつけた。


Uインターにもタッグマッチはあるものの、

名称はダブルバウトでノ―タッチでのリングインは厳禁。

それを頑なに守り通す高田は、

2vs1で攻め込まれる佐野を見殺しにしてしまう。


館内に渦巻く落胆の声と大ブーイング。

一歩間違えたら暴動騒ぎに発展しかねない不穏な空気。

それでも絶対に自分自身のルールを曲げずに、

観客にも媚びることのない頑固な高田…。


今では考えられない事態ともいえるが、

その姿勢に昭和の猪木イズムの一端を

垣間見たのは私だけだろうか?


以上の6試合。

時代の狭間にて、記憶だけではなく

記録として残しておきたい闘いの数々。


新日本マットに咲いたUの幻想と記憶…

ぜひ、もう一度その目で確認してほしい!


燃えろ!新日本プロレスvol.52

新日マットに消ゆるとも、”Uの魂”は死なず!!

発行元=集英社

定価=1680円

絶賛発売中!