新日本プロレスのビッグマッチ情報を中心に

濃~く、マニアックにお届けするサムライTVの月イチ番組、

『NEW JAPAN ROAD』は今回の♯12の収録をもって最終回。


前身の『NEW JAPAN LINE』をそのまま引き継ぐ格好で

スタートしたNJRだが、ちょうど1年間で幕となった。


思えば、1年前、このNJRは私のブラックジョークと

清野茂樹アナウンサーの切り返しからスタートした。


「ロードって付くものはだいたい短命で終わるんですよね?

昔、新日本の別ブランドでやっていたライオンズロード

なんかもすぐに終わっちゃったし(苦笑)」


「いえいえ、ラインからロードへ。

線から道路へと太くなったわけですから!」


うまいぞ、キヨアナ。

あのやりとりから始まって1年。

最終回のゲストには初登場の小島聡を迎えた。


次期IWGPヘビー級王座挑戦者であり、

9・29神戸ワールド記念ホール大会『DESTRUCTION』の主役。


その小島に今年の『G1 CLIMAX23』を振り返ってもらうとともに、

2年7カ月ぶりとなるIWGP挑戦、オカダ・カズチカ戦に関して語ってもらった。


ちなみに、通算でいくと小島のIWGPヘビー挑戦は7度目。


①橋本真也(1996年6・11広島)

②武藤敬司(1999年7・20札幌)

③佐々木健介(2000年3・19愛知)

④天山広吉(2005年2・20両国)※第41代王者となる

⑤真壁刀義(2010年10・11両国)※第55代王者となる

⑥棚橋弘至(2011年2・20仙台)


橋本からオカダまで…そう考えるだけでも、

小島がいかに長年にわたりトップ戦線で闘ってきたかが

分かろうというもの。


今回、小島の挑戦を決定的にした要因は、

G1最終公式戦の8・11両国大会で、

優勝戦進出へ希望を残すオカダに剛腕をぶち込み快勝したこと。


新星オカダと初対決にして完勝。

そのインパクトは絶大で、

文句なく第1チャレンジャーの権利を獲得した。


その試合をVTRで振り返りながら、

小島はこう語る。


「あの年齢、あのキャリアでいくと凄い選手ですよ。

試合の中でしっかりと緩急がつけられる。

自分が25歳のときなんか、海外遠征から帰ってきたばかりで、

ただガムシャラに突進していただけですからね」


そこで、私がすかさずツッコミ。


「ああ、イギリスでジョージョー・リーで活躍して帰ってきたころだ。

そうそう、天山のモノマネとか言われたり、

西村修と組んだら『帰国イマイチコンビ』とか某紙に書かれて、

さんざんな目に遭っていたよねえ……」


ひたすら苦笑いの小島。


「だけど、みんなが経験することでしょ?

最初、出る杭は打たれる。

簡単にトップには上がれない。

みんな挫折を経験するんだから」


「そうです。

それを経験しないで、いきなりチャンピオンになって、

それをこなしているんだから素晴らしいですね」


また、先の9・5後楽園ホール大会では、

小島(新日本)とオカダ(CHAOS)が

4対4のイリミネ―ションマッチで激突。


試合後、小島は「オマエのレインメーカーは絶対に俺には当たらない。

なぜかは、自分で考えろ!」と自信満々に言い放ち、オカダ&外道を困惑させた。


「それは自分が22年やってきたキャリアの中で、

ラりアットというものをずっと大事にしてきたからわかる」


そう言いながらも、通算2度目の遭遇となった

オカダのことを素直に称賛した。


「やっぱり、レベルが違うと正直に思いましたね。

G1でやったときより進化しているというか、

あのときとは伝わってくる空気が違っていたから」


これは肌を合わせたレスラー同士にしか分からない感覚なのだろう。

それにしても、こういう感じで見栄を張ることもなく、

素直に相手を評価してしまうところが小島らしさでもある。


強気一辺倒の発言をする選手が多いなか、

小島はまるでプロレスファンのような感覚で、

あれはスゴイ、これはスゴイと相手を評価する。


プロとしてどうか?という考え方もあるのだが、

私はこれが小島の強さの秘密だと思っている。

リング上でも緩急をつけられる選手だが、

実生活でも緩急の差が極端。


普段はポーとしてあまりものを考えているように見えないし(※失礼!)、

温和な性格だから怒った顔など見たことがない。

20年以上の付き合いでありながら、

本当に小島が怒ったところを私は一度も見たことがないのだ。


ところが、入場してリングインすると一変する。

完全にスイッチが入るのだ。


この2年間、IWGPヘビー級戦線はオカダと棚橋が

2人でベルトを独占してきた。

そこに第3世代の雄、小島は楔を打ち込むことができるのか?


新日本では、IWGPヘビーにG1、

全日本では三冠ヘビーにC・カーニバル、

さらに史上初のIWGP &三冠ヘビー同時戴冠という

今後二度と現れないだろう快挙を達成するなど、

二大メジャーのすべてを制覇してきた小島。


9月14日には43歳の誕生日を迎えるが、

怪我(古傷)こそあっても、衰えは感じさせない。


もし、小島がIWGPを奪取すれば、

この2年の流れを一瞬にして変え、

すべてをひっくり返すことになるだろう。

小島にとっては、大勝負…

いや、これは第3世代による時代の証明でもあるだろう。


金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba


というわけで、最終回なのになんらしんみりすることもなく、

3人並んで笑顔の記念撮影。

小島らしさ全開の1時間をぜひお楽しみに。


サムライTV

『NEW JAPAN ROAD♯12』

ゲスト 小島聡

放送日 9月13日(金)23:00~24:00、他


追伸:『NEW JAPAN ROAD』を長らく(?)ご覧いただき、

   まことにありがとうございます。

   10月からは、新番組『新日本プロレス大作戦』

   がスタート。どうぞ、ご期待くださいね!