お盆休みの影響により隔週木曜日発売の
DVDマガジン『燃えろ!新日本プロレス』vol.49は、
今週月曜日(12日)に発売!
現在、絶賛発売中だ。
今号は永久保存版と言っていいだろう。
タイトルは『新日本vs邪道、危険(やば)すぎる賭け!!』。
1998年11月、新日本&全日本のメジャー2団体に宣戦布告。
引退した長州力を標的に、ついに禁断の新日本のリングを
またいだ”インディーの帝王”大仁田厚。
あの歴史的な京都大会乱入事件に始まり、
99年1・4東京ドームで真鍋由アナウンサーを相手に
繰り広げられる大仁田劇場、
グレート・ムタ戦をアピールするため決行された
大阪・南港でのグレート・ニタ復活の儀式、
さらに長州戦決定を受けて、2000年の6・30神奈川・海老名大会に
”電流爆破マッチ決行”嘆願書を手に大仁田が登場、
長州が名セリフ「またぐなよ!」の連呼と……
事件、サイドストーリーもすべて収録。
もちろん、新日本マットにおける大仁田の全試合が収録されている。
ノーカット完全収録DVD(124分)のメニューは次の通り。
①禁断!招かれざる”邪道”が殴り込み!!
佐々木健介vs大仁田厚
(1999年1月4日、東京ドーム)
②神聖なる新日マットに電流爆破轟く!!
蝶野正洋vs大仁田厚
(1999年4月10日、東京ドーム)
③武藤怒髪天、掟破りの毒霧攻撃!!
武藤敬司&天山広吉&ヒロ斉藤vs蝶野正洋&AKIRA&大仁田厚
(1999年7月21日、札幌中島体育センター)
④大阪南港から蘇生、因縁の地獄マッチ!!
グレート・ムタvsグレート・ニタ
(1999年8月28日、神宮球場)
⑤”革命戦士”、魂の復帰戦で邪道散る!!
長州力vs大仁田厚
(2000年7月30日、横浜アリーナ)
①11・18京都大会に単身乱入した大仁田厚の
宣戦布告を受け、新日本、長州現場監督が用意した男は、
新日ストロングスタイルの権化ともいうべき佐々木健介。
初っ端から、新日本は危険(やば)すぎる賭けに出た。
水と油の両雄であり、健介は大の字が付くほどの大仁田嫌い。
大仁田が1発で止めを刺される可能性もあったし、
かといって健介が大仁田に合わせて闘えば、
新日本の歴史に汚点を残すことになる。
6万人を超える大観衆による「殺せコール」の大合唱の中、
煙草をくゆらせニタニタ笑いで入場する邪道。
殺気立つ新日ファン。
実力差は歴然としているように見えたものの、
大仁田は奥の手である火炎攻撃を健介に浴びせて反則負け。
猪木が危惧した通り、やはり敗れても大仁田の世界観は崩れない。
この瞬間から、大仁田は長州引っ張り出しへ向けて、
メジャー大国・新日本に独りで戦闘を仕掛けることになる。
②ドーム興行の目玉となり得た大仁田は、
今度はチーム2000の蝶野をターゲットに指名し、
ノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチを迫る。
大仁田の執念に折れた蝶野は「花火大会」と称して出陣を決意。
これにて、新日本のリングで史上初の電流爆破マッチが実現。
結果は両者ノックアウト。
ところが、試合後、蝶野は大仁田を認める発言を残し、
なんと黒のカリスマと涙のカリスマが電撃合体という、
とんでもないサプライズが待っていた。
③オーナー猪木と藤波社長が、大仁田排除の方針を打ち出す中、
蝶野率いるT2000と大仁田が本格合体。
大仁田の標的は、武藤ならぬグレート・ムタへ。
この札幌大会では、ほとんど試合に出てこない大仁田が
武藤に掟破りの毒霧を浴びせる。
試合後、怒髪天に発した武藤は、
「あいつは触れちゃいけないものに触れた!
よーし、グレート・ムタだすぞ!!」
とムタの投入を宣言。
8・28神宮球場で内定していた佐々木健介vs高田延彦戦が
高田サイドのドタキャンで流れたため、
神宮大会の目玉はムタvsニタの異次元対決1本と決まった。
④ムタvsニタの超異次元対決の試合形式は、
「ノ―ロープ有刺鉄線バリケードマット時限装置付き
電流地雷爆破ダブルヘルデスマッチ」と気の遠くなるような名称のデスマッチ。
毒霧、斧、炎が飛び交うリング上は、
新日本本来の姿とはかけ離れた異様な空間と化した。
結果はムタの勝利で、亜流のニタは再び眠りについた。
そして、これ以降、新日本マットから邪道の姿が消えた。
⑤長州が本気で現役復帰を考え始める一方で、
猪木ー藤波路線は大仁田の排除、
ビッグイベントの核に小川直也を据え、
復帰した橋本と小川の闘いをメインカードとした。
猪木&藤波連合と長州による水面下での冷戦は続く。
なんと、大仁田はムタ戦以降、11カ月、
新日本のリングから干されてしまう。
「長州の復帰は歓迎するが、相手は小川であるべき」と
強調する猪木に対して、ついに長州が動く。
大仁田の情熱を真正面から受け止めて、
電流爆破マッチでの復帰戦を発表したのだ。
7・30横浜アリーナは記録的な大入りとなり、
新日本が初めてPPV生中継を敢行。
リングサイドにテレビ朝日、スカパー!の放送席が
2つ用意されるなど、異例づくめの興行となった。
大仁田参戦を受け入れる際、
「お前はなんの価値もない男」と言い切った長州は、
その言葉を実践するかのように大仁田に圧勝。
しかし、試合後には「大仁田の勝ちだよ。
あいつの執念に負けた、彼は引退する必要もない」
と邪道にエールを送った。
一方、ライフワークと決めた長州戦を実現させた大仁田は、
この試合を最後に、メジャー新日本との1年8ヵ月に及ぶ
闘争に終止符を打ち、二度と新日本をまたぐことはなかった。
小川直也と同時期に、突如、新日本マットに出現した
大仁田厚は時代の仇花だったのか?
これは世紀末の異常現象であったのか?
ただ、そこに加担し,大仁田と共犯関係を結んだ私にとって、
この1年8ヵ月の闘争は、大河ドラマそのもの。
邪道・大仁田はリング上でもリング外でも
巨大な新日本に単身立ち向かっていったのだ。
1年8ヵ月の大河ドラマ、
今となっては夢物語のような大仁田厚の登場を
いま一度その目に事実として焼き付けてもらいたい。
なお、冊子のほうでは、全試合の解説を私が担当しており、
『実録!新日本プロレス事件簿』第49回では、
「藤波、幻のNWA世界ヘビー級王座戴冠」と題して、
1991年の3・21東京ドーム大会で実現した
リック・フレアーvs藤波辰爾のNWA&IWGPダブルタイトル戦の
経緯、結末、事件の真相、新たに判明した事実関係に迫っている。
燃えろ!新日本プロレスvol.49
新日本vs邪道、危険(やば)すぎる賭け!!
発行=集英社
定価=1680円
絶賛発売中、これが俺の生き方じゃあ~!!