またもチケットは完売。

超満員札止め(2015人)の観客で埋まった

新日本プロレスの7・5後楽園ホール大会。


試合とともに注目されたのは、

第4試合終了後、今年の『G1クライマックス23』(以下、G1)の

ブロック別・出場全選手が発表されたこと。


出場20選手は、次のメンバー。


〈Aブロック〉


“100年に1人の逸材”
棚橋弘至(12年連続12回目)

“暴走キングコング”
真壁刀義(10年連続10回目)

“荒武者”
後藤洋央紀(6年連続6回目)

“剛腕”
小島聡(4年連続12回目)

“レインメーカー”
オカダ・カズチカ(2年連続2回目)

“CHAOSの特攻野郎”
石井智宏(初出場)

“ジ・アメリカンサイコ”
ランス・アーチャー(3年連続3回目)

“ブルドックⅡ世”
デイビーボーイ・スミスJr.(初出場)

“リアル・ロックンローラ”
プリンス・デヴィット(2年ぶり2回目)

“狂犬”
柴田勝頼(9年ぶり3回目)


〈Bブロック〉


“荒ぶる猛牛”
天山広吉(3年連続18回目)

“ブルージャスティス”
永田裕志(15年連続15回目)

“スターダスト☆ジーニアス”
内藤哲也(4年連続4回目)

“キング・オブ・ストロングスタイル”
中邑真輔(7年連続10回目)

“崇高なる大泥棒”
矢野通(7年連続8回目)

“ミスターR指定”
高橋裕二郎(4年連続4回目)

“世界一性格の悪い男”
鈴木みのる(3年連続5回目)

“侵略者X”
シェルトン・X・ベンジャミン(2年連続2回目)

“ザ・マシンガン”
カール・アンダーソン(4年連続4回目)

“ゴールデンスター”
飯伏幸太(初出場)


発表はホール北側に設置されたビジョンを使って行われたが、

発表順は、Aブロックから始まり上に記した順番と同じ。


ところで、私が会場に行くと必ずチェックすることがある。

もう20年以上も前からやっていることで、

それはプロレス団体、格闘技団体を問わずである。


大会スタート前に、リングアナウンサーが

当日のカードを第1試合から順に読み上げる。

このとき、どの試合をアナウンスしたときに、

もっとも会場が沸くのか、しっかりチェックするのだ。


その拍手と歓声のボリュームが、そのまま観客の期待度を示すものとなるから。

かつての『PRIDE』に置きかえるなら、試合前に選手が顔見せする

全選手勢ぞろいのシーンがそれに相当するわけだ。


今回も、ビジョンに選手の1人1人が映し出され

紹介されたときの反応をチェックしていた。


その結果からいうと、もっともホールが大爆発したのは、

全選手のトリで飯伏幸太がアナウンスされたとき。

まあ、これは当然だろう。


過去に飯伏は「G1に出てみたい」という発言もしているが、

新日ファンの認識ではやはり飯伏はジュニア戦士。

だからこそ、最高のサプライズとなったのだろう。


ちなみに、さらなるサプライズ&ファンサービスとして、

来場していた飯伏本人がリングインし、

出場の意気込みを語っている。


こういうパフォーマンスひとつをとっても、

いかに新日本がファンの心をくすぐる術を知っていて、

そのためにフロントも常に頭をフル回転させているかが分かるだろう。


マスコミでも、飯伏の来場を知らない人間のほうが多かったぐらいだ。


では、私がジッと耳を傾けて聞いた

歓声&拍手の大きかった選手、

そのベスト5をお知らせしたい。


なにか機械を使って測定しているわけではないので(笑)、

もちろん、私の耳による測定である。


①飯伏幸太

②石井智宏

③柴田勝頼

④プリンス・デヴィット

⑤オカダ・カズチカ


微妙なのは、2位=石井と3位=柴田への歓声の差だが、

他は私なりに正しい順位だと思っている。


最初のAブロックでは棚橋からオカダまで、

エントリーされて当然の選手ばかり。

そこで、オカダのときにドッと沸いたのは、

やはり現在の勢いと急上昇するオカダ人気を象徴している。


そして、そのあとの石井。

これはもうファンの願いがかなった喜びと驚きだろう。

新・後楽園ホール男。

今が旬の男、言いかえればタイミング的に今しかない!

ファンにとっては、最高のプレゼントでもある。


ヒールターンしたデヴィットは試合では大ブーイングを浴びているものの、

やはりジュニアのデヴィットが参戦することがファンに期待を抱かせたと思う。


そのあとの柴田にも、観客は沸いた。

これが後藤戦の前の柴田だったら、

ここまで爆発しなかったと思う。


やはり、後藤戦のインパクトが凄まじかったからこそ。

ガラッとファン層の変わった感もある後楽園ホールにおいては、

柴田が9年ぶりのG1参戦を果たすことへの郷愁よりも、

いま現在の柴田を評価する声が大多数だったのではないか。


続くBブロックは、予想通りのメンバー9人が

紹介されたあとのトリがサプライズの飯伏だったから、

これはもうお祭り騒ぎになって当たり前である。


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さて、今大会の超目玉商品となる飯伏は、

スーツ姿でビシッと決めて登場。


小さい頃から毎年夏はG1を観ていたので。

G1に絶対出るというのが目標だったんで。

初参戦というよりも、マイクで言ったように挑戦です。

イチバン興味があるのは何度も言ってますけど、中邑さん。

あと、同い年の内藤選手に興味があります」


報道陣に囲まれた飯伏はやや興奮の面持ち。


取材陣がはけると、

「いやー、緊張しましたよ!」

と言って周囲の空気を和ませていた。


本人の言葉通り、一度タッグで中邑と絡んだときには、

何か新しいものが生まれるような心地よい緊張感にリングが包まれた。

中邑のほうも、飯伏を大いに評価している。

また、内藤とのハイスピード対決も楽しみだ。


永田とは互いに打撃を駆使した格闘対決になるかもしれない。

百戦錬磨の鈴木みのるに飯伏がどう対していくかも興味津々。

一線を超えたとき、飯伏にも狂気が垣間見えるからだ。


その他、私が期待するマニアックなお薦めカードは、

ベンジャミンとの超身体能力対決。


その一方で、当然のごとく、飯伏の存在以上に

私が注目しているのは、この武骨な男だ。


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どうだい、この武骨で無愛想な表情は!
ちなみに、5日深夜、石井にこんなメールを送ってみた。


「G1初出場に関する意気込みを一言ほしいんだけど」


返信はなかった。

翌6日夜に、もう一度送ってみた。

ようやく返信があった。


「なにもないです


ある意味、我が意を得たりの思い。

これだから、石井智宏なのだ。


石井のここ数年の発言を掘り起こしてみる。


「俺はプロレス界にリベンジしてやる」


「この試合は俺と田中さん(将斗)からの新日本への挑戦状だよ」


「俺のイチバン嫌いな言葉…あれもプロレス、これもプロレス。

闘いがなけりゃプロレスじゃない」


そんな武骨な男から、

「G1に出るのが夢だった」とか、

「全員、叩きのめしてやる」とか、

「俺のプロレスを貫くだけ」とか…

それらしい言葉が出てきたら却って興醒めだ。


だったら、最初から石井にコメントを求めなければいいだろ?

そう思うかもしれないが、だからこそ石井がどういう反応を示すのか、

そこに興味があったのである。


つまり、予想通りというか、期待通り。

「なにもありません」でOKなのだ。

なにもないということは、

誰が相手であろうといつもの石井プロレスを貫くだけ、

という意味でもある。


もっとも期待するのは柴田とのゴツゴツ対決。

柴田vs石井なら、田中vs石井を超える可能性も秘めている。


後藤戦はすでに名勝負数え唄の域にまで来ているし、

過去の真壁戦、小島戦も凄まじく、外すわけがないだろう。


まったくタイプの違う棚橋とのシングル戦、

また同門オカダとの対戦では、

石井の真価が問われそうだ。


棚橋、オカダを相手にギリギリの勝負をやってのければ、

もう石井の実力を疑う者はだれもいなくなるだろう。

内容と結果しだいでは、IWGP初挑戦だって見えてくるかもしれない。


いやあ、もう今からワクワクしてきたぞ。

そうだ、ひとつ忘れていた。

Aブロックには棚橋と柴田がいる。


ということは、あの因縁のライバル対決が

またまた、そしてついに日の目を見るということ。


あ、もうひとつ忘れていた。

オカダvs柴田まで実現するのだ。

こちらは予測不可能すぎる。


こりゃあ、今年のG1はもう辛抱たまらんぜ!

                     

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●オマケ


7・5後楽園ホール大会のメインイベント、

IWGPジュニアヘビー級選手権(プリンス・デヴィットvs外道)で、

外道の入場のときに降ったGEDO(外道)10ドル札。


さすがは外道。

試合も素晴らしかった!