いやあ、遅くなり申し訳ない!
もろもろの事情があって、告知が随分と遅れてしまった。
そんな言い訳はいいから、ともかく内容を紹介しないといけない。
先週木曜日(20日)に発売された
DVDマガジン『燃えろ!新日本プロレス』vol.45のタイトルは、
タイガーマスク、最後の聖戦!
おそらく、燃えプロシリーズにおいて、
最後の初代タイガーマスク特集となる可能性が高い。
最後の聖戦と銘打ってあるように、
タイガーマスクが電撃引退した1983年から、
タイガーの歴史を象徴するライバル4選手との闘いを厳選した。
全試合ノーカット収録(117分)のDVDメニューは次の通り。
①驚異の視聴率20%超、”虎ハンター”との絶頂カード!!
タイガーマスクvs小林邦昭
(1983年1月6日、後楽園ホール)
②運命のライバルと最後のシングル対決、キッド大暴走!!
タイガーマスクvsダイナマイト・キッド
(1983年4月21日、蔵前国技館)
③新コスチュームのメキシコ遠征、蔵出しノーカット!!
タイガーマスクvsフィッシュマン
(1983年6月12日、メキシコシティ・エル・トレオ・デ・クアトロ・カミノス)
④電撃引退!”黄金の虎”金曜8時最後の雄姿!!
タイガーマスクvs寺西勇
(1983年8月4日、蔵前国技館)
①82年10月に小林がメキシコ修行から凱旋し、
火がついた両者の抗争は、小林のマスク破りという暴挙が
ファンの注目を集め、当時のテレビ視聴率は20%を超えていた。
これは3度目の一騎打ちで、タイガーの保持するNWA世界ジュニア王座に
小林が挑んだ試合。意外にも小林は正攻法でタイガーの牙城に迫る。
フィニッシュも意外なかたちで訪れるが、
若き日の2人のライバル闘争がちょうど折り返し点を迎えた試合でもある。
②宿敵キッドとの6度目のシングル対決は、
結果的に両者にとって最後のシングル戦となった。
当時の2人のテーマはツームストン・パイルドライバー合戦。
まず、4・1後楽園ホールのタッグマッチでキッドのツームストンを食らった
タイガーが頸椎挫傷により、2冠(NWA世界ジュニア& WWFジュニア)を返上。
この試合が復帰後の新王座決定戦となった。
予想通り、ツームストン合戦で互いの首を壊しにかかる両雄。
大ダメージによって、両者リングアウトのドローに終わる。
これが2人にとって、初めての引き分け試合となり、
通算対戦成績は、タイガーの5勝1敗1分け。
その後、ライバルの一方は引退へ。
一方は、全日本移籍、WWFタッグ王者へと上り詰めていく。
タイガーがいたからキッドがいた、
キッドがいたからタイガーがいた――
この言葉に嘘偽りがないことを思い知らせてくれる闘いである。
③NWA世界ジュニア王者に返り咲いたタイガーが
メキシコでフィッシュマンを相手にWWFジュニア王座決定戦に臨んだ試合。
このメキシコ遠征からマスクを新デザインに変え、コスチュームも
劇画やアニメとは異なるパンタロンスタイルへ変更したタイガー。
これらは、タイガーマスク改名プランへの布石と見られていた。
特筆すべきは、当時この一戦(3本勝負)は3本目を中心に編集された
ダイジェスト版でテレビ放送されているが、
今回は1~2本目もフルに収録されていること。
そういう意味ではお宝映像といっていいだろう。
なお、タイガーのセコンドにはメキシコ遠征中の
ジョージ高野がピッタリ寄り添っているのもおもしろい。
④新日本におけるタイガーマスクの最後の試合となったのが、
この寺西勇とのNWA世界ジュニア2度目の防衛戦。
今後の道を示すかのように、いつも以上にハードでシュートな攻撃を
仕掛けるタイガーに対し、いぶし銀のテクニックで応戦していく寺西。
華麗というより強いタイガー、
百戦錬磨のキャリアと国際魂で踏ん張る寺西。
紛れもなく、一夜限りのライバル闘争だった。
この1週間後、タイガーマスクは新日本に辞表を提出。
これが発端となって新日本内部でのクーデターが発覚する。
わずかに2年4カ月、されど2年4カ月。
タイガーマスクはプロレス黄金期を駆け抜けていった。
なお、冊子の『実録!プロレス事件簿』第45回では、
「衝撃の武闘派転向!”黒のカリスマ”誕生秘話」と題して、
1994年8月、G1クライマックス優勝を機に突然の
”ヒール転向”をぶちあげた蝶野正洋の内面に関して、
私が初めて当時の内幕に触れている。
『魂が震えた新日ベストバウト!』第25回には
タイミングよく”虎ハンター”小林邦昭が登場。
自身が推薦するベストバウト3とともに、
タイガーマスクとの熱い抗争を語ってくれている。
こちらも必読だ!
燃えろ!新日本プロレスvol.45
タイガーマスク、最後の聖戦!
発行元=集英社
定価=1680円
絶賛発売中!