DVDマガジン『燃えろ!新日本プロレス』vol.41本日発売の新刊は、
『主役はオレだ! 闘魂に挑んだ永遠の好敵手たち』と題して、
猪木と因縁深いライバル3選手との激闘を特集している。
全試合ノーカット収録(124分)のDVDメニューは次の通り。
①米国修行を積んだ怪力無双がリベンジに挑む!
アントニオ猪木vsストロング小林
(1974年12月12日、蔵前国技館)
②『第1回MSGシリーズ』、再延長戦の末、雌雄を決す!
アントニオ猪木vs坂口征二
(1978年4月21日、蔵前国技館)
③真の日本最強は誰だ?『プレ日本選手権』決勝!
アントニオ猪木vsヒロ・マツダ
(1978年12月16日、蔵前国技館)
コンディション面の不安を抱えつつも、
肉体的・年齢歴に全盛期にあった猪木の
日本人大物3選手との死闘をフルに収録している。
①小林戦は周知の通り、3・19蔵前決戦から、
9ヵ月後の再戦(リベンジマッチ)となる。
この間、小林は米国修行でニューヨークにも転戦。
あのブルーノ・サンマルチノが保持するWWWF(現・WWE)王座に
挑戦したり、同地区のトップであるペドロ・モラレスと抗争を展開するなど、
もっとも熱いニューヨーク地区において実力でトップを獲ってきた。
その成果は遺憾なく発揮される。
3・19では猪木の掌の感があったものの、
今回の小林は猪木ペースだけでは闘わない。
猪木が突拍子もない仕掛けに出ても、
慌てることなくさばいて見せるのだ。
試合後、猪木が「いつでもやってやる!」と
宣言した言葉が試合のすべてを表現しているように思う。
②過去の対戦成績は猪木の2勝1分けとなっているものの、
猪木がもっとも恐れる日本人選手が坂口であることに、
おそらく誰も異存はないだろう。
猪木vs坂口には常に、実力日本一決定戦の趣がある。
今回は『第1回MSGシリーズ』開幕戦で約3年半ぶりの激突。
以前の対戦と違っている部分は、ともに年輪を重ね
インサイドワークにも長けていたこと。
それを象徴するかのように、決め手に至らず30分ドロー。
だが、立会人のビンス・マクマホン(シニア)の英断により、
10分間の延長戦。
これでも決着がつかないため、時間無制限の延長戦へ。
ついに根負けした坂口がリングアウト負け。
それにしても、おもしろいのは生放送の実況を途中で一旦終了し、
延長戦スタートの度にまた実況を再開していること。
生放送が当たり前だった当時の実況グル―プは、
さぞストレスが溜まったろうなあ、とテレビサイドの観点で見てしまった。
③はプレ日本選手権で参戦した狼軍団(※蝶野の狼群団とは別もの)
のドンでるヒロ・マツダと猪木の優勝決定戦。
試合前に、おもしろいシーンを発見。
リングに上がった国際プロレスのラッシャー木村が
この試合の勝者への挑戦を表明し、
さらに阿修羅・原が藤波への挑戦を宣言した。
彼らがリングを去ったあと、2人がリングインした位置まで
出向いた藤波は、その場所を自分のシューズで掃き清めるように
掃除し始めたのだ。
これが、「あっ!」と思った発見。
プライドの高さはもちろんのこと、
藤波もまた新日本のリングを背負っていることを
象徴するようなシーンだった。
もちろん、試合は白熱したし、地味ながら
確かなテクニックの応酬となった。
猪木にとってのマツダは、カール・ゴッチ道場の兄弟子であり、
東京プロレス時代の同士であり、遡れば米国修行時代のパートナーでもある。
ある意味、互いのすべてを知り尽くしている。
だからこそ、セコンドの介入はおいておいても、
十分に納得ができるストロングスタイルの
レスリングを見せてもらったように思う。
全盛期のアント二オ猪木は、
やっぱり格好いいねえ!
燃えろ!新日本プロレスvol.41
主役はオレだ! 闘魂に挑んだ永遠の好敵手たち
発行元=集英社
定価=1680円
本日(25日)、木曜日…絶賛発売中!