私の著書である『元・新日本プロレス「人生のリング」を追って』(宝島社)

登場人物として、もっとも重要な位置を占める人物でありプロレスラーの

片山明選手が、このたび地元の岡山県吉備中央町において、

講演会に出演することが決まった。

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掲載した見本チラシにあるように、

『平成24年度 わが町フォーラムin吉備中央町~つながりの輪!広げよう地域へ~』

のタイトルのもと、町役場が主催する福祉イベントとして行なわれる。


期日は3月23日(土)、13:00~15:40(12:30~受付開始)

ロマン高原かよう総合体育館(吉備中央町豊野1‐12)にて。

参加無料。


第一部 特別トークセッション (13:05~)

 吉備の里相談支援センター所長  山﨑弘一 氏
 元新日本プロレス  片山明 氏 
第二部 基調講演 (14:00~)
「明るく、楽しく、そしてあきらめない生き方」
  ピアニスト辻井伸行氏の母  辻井いつ子 氏


片山選手は、第一部のトークセッションに出演。

第二部では、盲目の世界的ピアニスト辻井信行さんの母、

辻井いつ子さんが講演を行なう。


見本チラシを見ていただければ分かるように、

片山選手の写真欄には『元・新日本プロレス』が掲載されている。


スペシャル対談
『いつも「本当の自分」らしく、いつも心はストロングスタイル』


対談のキャッチコピーにも、拙著の表紙カバー(表2)と

片山選手の章の中で使ったコピーと見出しが躍っている。


今回、片山選手が『元・新日本プロレス』に続いて、

人前に出ることを決めた経緯に関しては、

本人の口から説明してもらうのがイチバンいいだろう。


以下、片山明から送られてきたメールを抜粋して。


「昨年、町役場の福祉関係の方々と、車椅子の補助申請などで

連絡を取り合う機会が多くありました。

そんな中、突然に町のトークイベントに出演してほしいとお願いされました。

理由を尋ねると、『元・新日本プロレスを読んで感動しました』とか、

『片山さんの生きざまに共感しました』等々…。

金沢さんの筆力がすごいので、片山明のイメージが

美化されて独り歩きしているようです。

最初はやんわりとお断りしたのですが、どうしてもと言われOKしました。

今さら隠すようなものはないし、

一歩前進してみようと思いやってみることにしました。

昔、プロレス教室で指導したりサイン会ぐらいのイベントの経験はありますが、

しゃべりなんかは友人の結婚披露宴のスピーチぐらい。

しかもメインゲストは、あの天才ピアニスト、辻井さんのお母さん。

自分にとって場違いだし、思いっきりアウェーな会場ですよね?

どうなるか分かりませんが、アドバイス、心得などお願いしますね!」


一歩前進かあ。

いいぞ、トラさん(※片山の愛称)。

だけど、私の筆力がすごいわけではない。

シツコイまでに取材する私に対し、

自分のすべてを晒し付き合ってくれた片山明こそ、スゴイのだ。

5日後の2月2日、イベント出演が正式決定したということで、

また片山選手からメールが届いた。


「前回は同様の福祉イベントで300人ぐらい集まったそうです。

予想される客層は、メインゲストの辻井さん目当ての町内の方を中心に、

40~60代の女性、福祉、教育の関係者が主だろうとのことです。

いかにも自分には場違いそうで…。

トークのスタイルは、福祉支援センターの所長さんとの質問、対話形式。

この話をOKしたときは、一歩前進のチャレンジぐらいのつもりでした。

でもちょっと時間がたって、引き受けて、やると決めた以上、

ただメインゲストのオマケ的なものになるのも面白くないかなあと。

ちょっと欲が出て、調子こいて自分でハードル上げてしまいました。

少しでもインパクトを残したいなあと思っています。

意気込みだけですけど(笑)」


時間が経つにつれ、フツフツと反骨心(?)がもたげてくる辺りは、

さすがにプロレスラー片山明。

まだまだ、もっとハードル上げて、メインイベントを食ってやろう!

たとえメインを食えなくても、ヤングライオン時代のように

片山ロケットで観客を「ウォー!」っと言わせようよ。


13日、「トークイベントのお知らせをお願いします」と

片山選手から堂々の告知お願いメールが来た!

これはファンに向けての言葉でもあるから、

原文ママで掲載したい。


「片山 明です。

皆さん、大変ご無沙汰しています。

『元・新日本プロレス』がきっかけで、地元のイベントに

出演させていただくことになりました。

興味を持たれた方は、ご来場ください。

私に対するメッセージ、質問等だけでもいただければ、嬉しく思います」


というわけで、問合せ先は下記のURLにて。

当GKブログに書きこんでもらっても結構なので、

ぜひご協力を!

http://www.town.kibichuo.lg.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=journal_view_main_detail&post_id=605&comment_flag=1&block_id=272#_272


では、最後に片山明の本音。

さきほどの挨拶は余所行きすぎるからNGだなあ(笑)。


「本当に車がないと困難なド田舎なものですから、

(プロレスファンの)来場については期待していません。

もし私に対する質問やメッセージなどがいくらか集まるようなら、

トークの中で紹介や回答していくように考えています…

集まればの仮定ですが(笑)。

トークショーは今では多くの選手がやっているし、

なんとかなるんじゃないかと思っています。

というか、緊張性なので、『自分は絶対にできる!』って

毎日、自分に言い聞かせています。

怪我をしてから、プロレスの経歴で人前に出るのは初なので、

当日どうなるのか、まったく”?”です。

だからこそ、元気にしているこの姿を

お客さんに観ていただくしかないかなあ」

 

そう、トラさん、大丈夫。

考えて考えて、一回転してそこに帰結したじゃないか!?

プロレスの素晴らしさと厳しさ、プロレスラーの情熱と

想像を絶するトレーニングからようやくプロになれること。


不運にも大怪我をしたけれど、

プロレスラーだから諦めないし、

リハビリがリハビリを超えたトレーニングになっていること。


いまの自分を表現すればいいんだよ。

岡山県、また近県のファンのかたで、

片山明に会ってみたい方はぜひとも会場へ。


さて、講演会の話も大切なのだが、

なぜ、このブログのジャンルを「Publicity」ではなく、

「Pro-wrestling」としたのか?


そこまで、こだわって観察している人は少ないと思うのだが、

あくまでも私は、とことんこだわってみたい。

それは片山明が送ってくれた2枚の写真が…

その絵が、背景の建物が雄弁に物語っている。


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昨年の10月20日、1泊の予定で片山は家族とロングドライブへ。

大阪USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)へ遊びに行った。

その帰路で途中立ち寄った場所が、

大阪府立体育会館(現・大阪BODY MAKERコロシアム)。


名称は変化しても、建物は変わっていない。

あの20年前と佇まいはほとんど変わっていない。

1992年1月8日、トップロープ越えの

ノータッチ・トぺスイシ―ダを放った片山は、

不自然な格好で前額部から垂直にフロアへ突っ込んだ。


いつも通りのトぺで頭からいこうか?

トぺコンヒ―ロで回転しようか?

そんな一瞬の迷いが招いた事故だった。


結果は第4頸椎脱臼骨折。

確かに生命に関わる大怪我。

以降、片山は車椅子生活を余儀なくされた。


それでも、「いつか!」を信じてリハビリを続けている。

あれから20年余…正確には20年と9ヵ月余。

彼の運命、人生を大きく変えた場所に帰ってきた。


「USJも面白かったんですが、自分にとっては

こちらのほうがメインイベントでした。

1992年の1月に間抜けな怪我をして…約20年。

ようやく同じ場所に降り立つことができました!

周辺のビルや店舗は20年前とかなり変わっていましたが、

それでも当時の街の雰囲気を感じ取ることができました。

大阪府立体育会館。

名称が大阪BODY MAKERコロシアムに変わっていましたが、

まさにコノ場所。

頭に鳥肌が立ち、言葉にならないものがこみ上げてきました。

上手く表現できませんが……

時間は止まることなく動き続けているし。

例えるなら、壊れて止まった時計を

再び動かすことができたような……。

ホントは自分の脚で直にコノ地に立ちたかった。

でも、まあ仕方ありません。

ちょっとだけ医学の進歩が間に合わなかったようです。

次回のお楽しみということにしておきます。

僅か数分間の滞在でしたが、

『特別なひととき』でした」

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そりゃあ、みんないろんなことがあるだろうけどさ、

俺たちも一歩ずつ前進して行こうよ!