12月11日に発表された東京スポーツ新聞社制定

『2012年度プロレス大賞』の結果は、次の通り。


●最優秀選手賞〈MVP〉

オカダ・カズチカ(初)


●年間最高試合賞〈ベストバウト〉

棚橋弘至vsオカダ・カズチカ

(IWGPヘビー級選手権/6月16日、大阪・ボディメーカーコロシアム)


●最優秀タッグ賞

大森隆男&征矢学(初)


●殊勲賞

森嶋猛(初)


●敢闘賞

アブド―ラ小林(初)


●技能賞

中邑真輔(初)


●新人賞

橋本大地(初)


●女子プロレス大賞

愛川ゆず季(2年連続2度目)


●特別功労賞

坂口征二

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というわけで、あまりに順当な結果にビックリ!

正直なところ、プロレス大賞の性質からいって、

私は森嶋猛のMVP受賞はカタイと思っていた。


1年間で、GHCヘビー級王座を8連続防衛。

記憶や集客、イベントの器などより記録を重視する傾向のある

プロレス大賞だから、100%近くそうなると予想していた。


いやはや、予想は完璧にハズレたなあ(苦笑)。


それでは、ワタクシ金沢克彦が

偏見は持たないものの、

明らかに独断で決定する当ブログ制定の

『ときめきプロレス大賞』2012を勝手に発表!


なお、毎度のことながら、受賞者には

トロフィーも賞金も出ないので、悪しからず。


○MVP オカダ・カズチカ


○ベストバウト 棚橋弘至vs鈴木みのる

         (IWGPヘビー級選手権/10・8両国国技館)

         ※次点 オカダ・カズチカvsカール・アンダーソン

         (G1クライマックス優勝決定戦/8・12両国国技館)


○最優秀タッグチーム ランス・アーチャ―&デイビーボーイ・スミスJr.(KES)


○殊勲賞 棚橋弘至


○敢闘賞 森嶋猛


○技能賞 石井智宏  田中将斗


○女子プロ大賞 愛川ゆず季


○新人賞 夕陽


○最優秀外国人 ロウ・キ―


○特別功労賞  竹内宏介さん  菊池孝さん


○ベスト興行  ZERO1、8・5後楽園ホール大会(火祭り最終戦=優勝決定戦)


○最優秀マスコミ 野上”ジャスティス”慎平(テレビ朝日)


○ベストヒット賞  燃えろ!新日本プロレス(DVDマガジン)


○裏MVP ブシロード(新日本プロレス親会社) 外道(オカダのマネージャー)


○流行語大賞 これ、マジ!(高橋裕二郎)

 ※ノミネート作品 ①とくに、ありません(オカダ) ②討ち取ったり―!(後藤洋央紀)

            ③どうして? セカイのセンシですから(ロウ・キ―) ④タコス(中邑真輔)

            

こんな感じになったのだが、

いかがだろうか?


MVP=オカダは文句なしだろう。

この1年、オカダの急台頭、ブシロードの猛プッシュ、新日本ムーブメントが

三位一体となって、新日本ブーム、独走態勢を作り上げたような気がする。


ベストバウト候補はいくらでもあるし、

どの試合が選出されてもおかしくないと思う。

これは個人の好みによるものが大きいからだ。


プロレス大賞でベストバウトを獲得した棚橋vsオカダも、

もちろん熱戦だったし、納得がいく。

ただし、この大阪での試合を選考委員の人たちが

何人観たのだろうか?という疑問符は付く。


というのも、3~4人しか観ていない試合が

ベストバウトに選出された過去もあるからだ。


私個人は、一撃必殺という原点にこだわりつつも、

現代プロレスの象徴ともいうべき攻防を見せたG1優勝戦と、

過去の声、批判と真っ向勝負したIWGP戦の両方が気に入っている。


ただし、オカダvsアンダーソンは10・8両国の再戦でまた進化した。

一方、棚橋vs鈴木の、あのときのシチュエーションはもう二度と味わえないと思う。

5年前の武藤敬司vs鈴木みのる初一騎打ちのときと同様である。


一期一会。

だから、棚橋弘至vs鈴木みのるを推したい。


殊勲賞に甘んじたものの、棚橋のエースとしての働きは見逃せない。

この2年、絶対エースとして新日本をリードし続けてきた功労者である。


敢闘賞の森嶋は、孤軍奮闘という感じ。

二度のスキャンダルに見舞われたノアを

リング上の闘いでリードしていた。


技能賞に関しては、いまさら中邑真輔でもないだろう。

もう、私のなかで真輔は技能賞を超えた存在。

今年はもういいかな?という感覚がある。


昨年、この大賞では準MVPの殊勲賞だったと思う。

2011年G1クライマックスを完璧な内容で制覇した真輔が、

昨年のプロレス大賞ではなにもなし。


今年の技能賞が、新人賞以来の受賞だというから、

「なんじゃ、そりゃ?」という思いもある。


そこで、名勝負製造マシンの石井智宏と田中将斗を選出。

石井は、後藤戦、NEVERの田中戦、先の桜庭&柴田戦と

今年も存分に見せた。


田中は、棚橋とのIWGP戦、火祭りでの関本戦(準決勝)、潮崎戦(優勝戦)、

NEVERの石井戦、さらにNEVER優勝戦のアンダーソン戦でもプロ魂を見せつけた。


アンダーソンがエプロンからのバーナードライバーで、

田中をテーブルクラシュ。

その際、右肘に深い裂傷を負い大流血に見舞われながら、

試合をストップさせるような空気をいっさい出そうとしない。

それどころか、田中は右肘のサポーターをハズして勝負に出た。


負傷した右肘での必殺スライディングDでベルトを奪取。

初代NEVER無差別級王者となり、

またしても新日本のベルトを腰に巻いた。


普通あの怪我、出血なら、自分で試合続行を躊躇うし、

レフェリーに訴えて、ドクター、トレーナーなりの

応急処置を仰いでもおかしくはない。

ところが、そういう空気をまったく匂わせないのが田中の凄み。


そういえば、過去に石井にも同様のことがあった。

場外乱闘の際、永田のミドルキックが口もとにヒット。

自分の歯によって下唇が裂けて、垂れ下がるほど切れてしまった。


ドクターもレフェリーも試合をストップしようとしたが、

石井は「やる!」と言ってそのまま試合を続行した。

永田をして「石井クンの根性に助けられた」と感嘆したほど。


この2人は似ている。

腹が据わっていて、技術も持ち合わせている。

新日本vsCHAOSの6人タッグ戦などでは、

石井か田中のどちらかが入っているだけで、

試合はピリッと締まるのだ。


女子は、ゆずポン、新人賞は昨年が大地だったので、

我家の近所出身の女子高生レスラー夕陽に。

あ、近所だからというだけではなくて、

夕陽は100年とは言わないが、

10年に1人ぐらいの逸材という感じがする。


外国人選手では、ロウ・キ―が本当によくなった。

体幹が強くなり、パワーも増して、強さを見せられるようになった。

日本語もうまくなったし(笑)、「セカイのセンシですから」の決めゼリフも、

その状況によって抑揚を変えたりする芸の細かさ。


特別功労賞とはいっても、賞などではなにも補えない。

プロレス界にとって、大切な方を2人も見送ることになってしまった。

残念無念としか言いようがない。


ベスト興行は、あえてZERO1の『火祭り』優勝戦を選出。

正直いって、新日本のビッグマッチはどれもこれも

ベスト興行に値すると思う。


IWGP選手権のなかった12・2愛知県体育館大会だって、

ベスト興行の候補になってもおかしくはない。


それほど、今年の新日本の独走・充実ぶりは凄まじかったから、

他団体で真っ先に頭に浮かんできた『火祭り』を選んでみた。


あとは、見ての通りだが、流行語大賞がなぜ

「これ、マジ!」になったかと言うと(笑)、

「とくに、ありません」を真似た場合、

ベタすぎるので真似をしても損をするだけ。


一方の「これ、マジ!」は最後のオマケに付けるフレーズだから、

けっこう自由に真似ができる。

そこで、丸藤や棚橋も拝借したわけだ。


人に使われて、パクられてこそナンボだから、

「これ、マジ!」が大賞に決定。


おまけとして、個人的にツボだったのは、

7・1両国大会(新日本&全日本40周年合同興行)の試合後、

中邑真輔の口から飛び出した意外性たっぷりのセリフ。


「とんだゴリライモだったな!」


流行語とは言い難いが、インパクトは充分だった!


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さて、MVPに輝き、1・4東京ドームで時代に挑むオカダ・カズチカが、

先だって外道とともにサムライTV『NEW JAPAN ROAD♯4』にゲスト出演した。


収録前の外道さん、

「金沢さん、バンダナ持ってこなかったの?

オレの真似してくんないの?」

と執拗に迫ってくる。


そんな、本人の前で出来るわけないっしょ!

本番でもそう言われたものだから、

珍しく動揺してしまったワタクシは、

外道さんのことを「邪道さん」と呼んでしまったのだ(笑)。


オカダ&外道の出番はたっぷり40分ほどあるし、

オカダもしっかりと自分の言葉でしゃべってくれる。


1・4で時代を変えると宣言したオカダ。

その自信に溢れた言葉の数々を耳に焼き付けてほしい。


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上の写真は、1・4東京ドーム大会での

『IWGPヘビー級王座挑戦権利証』。


例のアタッシュケースに、

ちゃんと収められている証拠として、

わざわざ出してもらって撮影した。


気が付くと、1・4東京ドーム大会まで

もう3週間を切っている……。


放送日は2013年1月3日(木)、22:00~23:00 

決戦前日…お見逃しなく!