ついに累計120万部を突破した

DVDマガジン『燃えろ!新日本プロレス』最新刊の

vol.31は『闘魂の原点、誇り高きNWFクラシック!』の

タイトル通り、猪木の代名詞でもあったNWF戦の大特集。


NWF(世界)ヘビー級王座を語るうえで欠かすことのできない

タイトルマッチ3試合が収録されている。


全試合ノ―カット収録(109分)のDVDのメニューは次の通り。


①念願の世界ベルト獲得、闘魂神話始まる!!

ジョニー・パワーズvsアントニオ猪木

(1973年12月10日、東京体育館)


②”インドの狂虎”と完全決着、王座返り咲き!!

タイガ―・ジェット・シンvsアントニオ猪木

(1975年6月26日、蔵前国技館)


③NWFのほうが上だ!元NWA王者を撃破!!

アントニオ猪木vsジャック・ブリスコ

(1979年5月10日、福岡スポーツセンター)


                   金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba

①は猪木がNWF世界ヘビー級王座を初戴冠した

メモリアルマッチとなる。

対戦相手は東京プロレスにも来日経験のあるパワーズ。


必殺技は足8の字固め。

パワーズロックともエイトロックとも呼ばれていたが、

その名称の由来は、「4の字固めの2倍効くから」とも、

「決まった形が4ではなく8に似ているから」とも言われていた。


試合は3本勝負。

1本目=コブラツイスト、2本目=パワーズロック、3本目=卍固め。

計30分を超える激闘を猪木が制し、念願の世界王座(当時)を奪取。

名実ともに猪木時代の扉を開けた闘いだった。


②は猪木vsシンの長き抗争の中でも、

私のもっとも好きな名勝負。


シンにベルトを奪われたうえに3連敗。

あとのない猪木が背水の陣で臨んだ一戦。

その心意気に応えるかのごとく、

シンはサーベルを使うことも凶器を出すこともなかった。


1本目は猪木が電光石火のジャパニーズ・レッグロールクラッチ・ホールド

(回転足折り固め)を鮮やかに決めて先取。

この技の使い手は、最近でいえば内藤哲也。

内藤と猪木の違いを比較してみるのも楽しいかも(笑)。


2本目は、シンが初公開となる秘密兵器、

アルゼンチン・バックブリーカーでタイに持ち込む。

これはもちろん、中西学と比べてみよう(笑)。


決勝の3本目は、シンの執拗なコブラクロ―によって、

猪木の喉元が切れて流血。

凄惨な闘いとなったが、猪木が逆転のバックドロップ2連発。

これは…そうっすねえ、永田裕志、後藤洋央紀、諏訪魔と比べてみようか?


1本目はゴッチ直伝の回転足折り固め、

3本目はテ―ズ直伝のヘソで投げるバックドロップと、

猪木がストロングスタイル両巨頭から受け継いだ十八番で

完全決着をつけ、王座奪回に成功している。


敗れたシンもじつに堂々としており、

初めて猪木の手を上げて、

勝利を称えている。

壮絶な試合の末に、結末は爽やかだった。


③は8年ぶりに実現したジャック・ブリスコとの一騎打ち。

1971年8月、日本プロレスに来日したブリスコは

当時、猪木の保持していたUNヘビー級王座に挑戦。

敗れはしたものの、通算40分を超える

素晴らしい名勝負を披露した(3本勝負)。


その2年後に、ブリスコはNWA世界王者となる。

レスリングをバックボーンに持ち、底なしのスタミナ、

攻守ともに抜群の上手さを見せるブリスコは、

私の大好きなレスラーだった。


ル―・テ―ズは別格として、自分の目で観てきた

歴代NWA王者の中でもっとも王者らしい王者というイメージがある。


新日本を旗揚げしてからの猪木は、

強固なNWA=馬場ラインのために

NWAからすっかり縁遠くなっていた。


そこへ来日したのが、3年半前までNWAの最高峰、

つまり世界最高峰のベルトを巻いていたブリスコ。

猪木とブリスコは身長、体重がほぼ一緒。

同じテクニシャンタイプ(※死語だな?)だけに噛み合う。


ただし、NWA王座から転落以降のブリスコには、

勝負に対する執念というものが薄らいでしまったようにも感じられた。

そこを補うために、誰のアイディアか知らないが(笑)…

1万ドルの賞金マッチを猪木に迫っている。

当時のレートでいくと、1万ドル=約250万円。


ただし、本番では、1万円札が250枚だとサマにならないので、

1000円札を2500枚用意したと聞いている。

そのあたりもDVDに収められているので、

ぜひ確認していただきたい。


肝心の試合のほうは、元NWA王者のプライドは見せたものの、

決め技の足4の字固めを狙ったブリスコを

猪木が巧妙に脚を絡めて首固めに丸めこみフォ―ル。


勝者として、1万ドルを渡された猪木は、

それを会場に向かってばら撒いた。

リングサイドにどっと押し寄せるファンたち。

ほとんどパニック状態(苦笑)。


そう、猪木こそ元祖”レインメーカー”であったのだ。

30年以上も前に会場に降り注いだ金の雨。

もちろん、レインメーカーことオカダ・カズチカと比べてみようね!


というわけで、猪木本来の魅力が存分に味わえるNWFクラシックは、

現代プロレスと比較できる要素も満載なので楽しめる。


と言っても、先ほどからギャグで書いている話ではなく、

試合そのものを今の棚橋や、中邑、オカダなどと

比べてみるのも一つの楽しみ方だと思うのだ。


私などはNWFと聞いただけで、

鼻の奥がツーンとなるような懐かしさ、感慨がこみ上げてくる。


なお、雑誌の『魂が震えた新日ベストバウト!』第11回には、

暴走キングコング、真壁刀義が登場!

真壁が推薦するベストバウト3にも注目してもらいたい。


燃えろ!新日本プロレスvol.31

『闘魂の原点、誇り高きNWFクラシック!』

12月6日(木)発売、つまり絶賛発売中!

発行元=集英社

定価=1680円(税込)


さあ、みんな、闘魂の原点に触れてみようぜ!

1、2、3、ダァーッ!