本日(8日)発売のDVDマガジン『燃えろ!新日本プロレス』vol.29は、

憎め!恐れよ!! ”最凶ヒ―ル”伝説のタイトル通り、

新日本マットを席巻したヒール特集。


全試合ノ―カット収録DVD(106分)には、

1970年代~80年代初期のヒールレスラーがズラリ。

一筋縄ではいかない(?)試合のほうも

奇想天外でじつにおもしろい!


金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba


特に注目の存在は、新日本草創期にタイガ―・ジェット・シンと並ぶ

ヒールの双璧であった”青銅の爪”キラー・カール・クラップの燃えプロ初登場。


シンが凶器攻撃を駆使した陰湿なヒールであったのに対し、

KKKことクラップはナチスキャラでありながら、

どこか明るくユーモラスなところがあった。


また不思議なことに、シンがタイトル戦線に絡んでいるのに対し、

クラップは『ワールドリーグ戦』専門に暴れまわっていたこと。

昔堅気のヒールというか、コスチュームでもキャラ全開のクラップは

初期の新日本プロレスにおいて絶対に欠かすことのできない男である。


猪木も坂口も、クラップには随分と苦しめられた。

そういう印象が強く残っている。


また、今回のメインともいうべき試合は、

仲間割れした凶悪コンビのシンと上田馬之助がついに一騎打ち。

そのレフェリーをアントニオ猪木が務めた試合。


予想に反して、とことん潰し合いを展開するシンvs上田。

猪木は厳正なレフェリングで反則攻撃を阻止する。

その結末は、とんでもない事態へと発展する。

猪木レフェリーという発想は、まさに新日本プロレスならではだろう。


ディノ・ブラボーvsアブド―ラ・ザ・ブッチャーは、

大学2年生のとき、私は蔵前国技館で生観戦した思い出がある。

当初、ディック・マードック&ブラボーvsブッチャー&バッドニュース・アレン

のタッグマッチが組まれていたものの、アレンの負傷によりシングル戦へ。

ファンの期待はマードックvsブッチャーの一騎打ちだったが、

急遽組まれたのはブラボーvsブッチャー。


むしろ私は大喜び。

ブラボーは初来日だったが、

元NWA世界タッグ王者で、WWWF世界タッグ王者にも君臨。

1980年にはAWA地区に入り、ニック・ボックウィンクルの保持する

AWA世界王座にも挑戦している。

新進気鋭ながら実績十分のパワーファイター。

未来のスター外国人として期待の逸材であったからだ。


ブッチャーの巨体を軽々と担いで、

アトミックドロップを見舞うパワーは圧巻。

ただし、日本マットは呪術師のホームグラウンドである。

凶器のフォークが飛びだして、目を覆うほどの流血の惨事が待っている。


猪木&藤波辰巳vsラッシャー木村&アニマル浜口は、

その激動の時代背景に凄まじいものがある。


猪木vs木村の敗者髪切りマッチが挙行されたのは、

1982年の9・21大阪大会。

周知のとおり、敗れた木村は髪を切ることなく逃走。

怒り心頭でパニック状態となる観客に向かって、

「3人まとめてやってやる!」と猪木が宣言したことにより、

なんとかその場はおさまった。


それを受けて、猪木vs国際軍団による

1対3の変則マッチが強行されたのは、

同年の11・4蔵前国技館大会。


また、それ以前の10・8後楽園ホールでは、

歴史的な長州力の”噛ませ犬”発言が飛び出し、

長州が藤波に向けて反逆の狼煙を上げている。


そういった歴史的な事件・試合の狭間で行なわれたのが、

10・26大阪大会でのタッグマッチ。

結果的に、髪切りマッチの因縁をそのまま引きずった闘い。

だからこそ、燃えプロに収録する価値アリと言っていい。


DVD収録メニューは以下の通り。


第1回ワールド・リーグ戦三つ巴優勝決勝戦!

アントニオ猪木vsキラー・カール・クラップ

(197458日、東京体育館)

坂口vsクラップ、猪木vs坂口もダイジェストで収録。


仲間割れの凶悪コンビ、レフェリー猪木大暴走!

タイガー・ジェット・シンvs上田馬之助 

(1978919日、大阪府立体育会館)


“黒い呪術師”、背すじも凍るフォーク攻撃! 

ディノ・ブラボーvsアブドーラ・ザ・ブッチャー

(1981115日、蔵前国技館)

当初はマードック&ブラボーvsブッチャー&アレンの予定が、

アレンの負傷によりシングルマッチに。

ブッチャーvsマードックが期待されるなか、

相手はブラボーに決定。そのやりとりも収録。


髪切りマッチの因縁を清算! 

アントニオ猪木&藤波辰巳vsラッシャー木村&アニマル浜口 

(19821026日、大阪府立体育会館)


なお、『魂が震えた新日ベストバウト!』には、

”世界一性格の悪い男”鈴木みのるが満を持して登場!


 SUZUKIS BESTBOUT

1位 アントニオ猪木vsハルク・ホーガン 198362日、蔵前国技館

2位 武藤敬司vs高田延彦 1995109日、東京ドーム

3位 カール・ゴッチvs藤原喜明 198211日、後楽園ホール


さて、なぜ鈴木がこの3試合を選抜したのか?

”世界一のプロレス頭を持つ男”の分析にも注目だ!


燃えろ!新日本プロレスvol. 29

憎め!恐れよ!!”最凶ヒール”伝説

発行元=集英社

定価=1680円