昨日(11日)発売のDVDマガジン『燃えろ!新日本プロレスvol.27』は、
黄金のスーパーヒーロー、初代タイガーマスク特集。
『タイガ―マスク、ライバルとの死闘!』のタイトル通り、
これ以上ないラインナップをテッパンで網羅している。
全試合ノ―カット収録DVD(99分)のメニューは次の通り。
①ライバル抗争はヘビー級を凌ぐ黄金カードに!
タイガ―マスクvsダイナマイト・キッド
(1982年1月28日、東京体育館)
②英国の技巧派と魅せたキャッチレスリング!
タイガ―マスクvsスティーブ・ライト
(1982年4月1日、蔵前国技館)
③刺客”暗闇の虎”と緊迫の初遭遇!
タイガ―マスクvsブラック・タイガー
(1982年4月21日、蔵前国技館)
④夢のヒーロー対決も、光の国へ葬る!
タイガ―マスクvsウルトラマン
(1982年6月18日、蔵前国技館)
⑤”虎ハンター”現る!掟破りのマスク剥ぎ!
タイガ―マスクvs小林邦昭
(1982年10月26日、大阪府立体育会館)
とにかく解説不要かもしれない。
タイガ―マスクにとって、宿命のライバルである
キッド、ブラック、小林が勢揃い。
さらに、あの名勝負(タイガ―vsライト)も収録されているうえに、
日本で生まれたヒーロー、ウルトラマンが
メキシコから逆上陸というトッピング付きだ。
①は同年の元日決戦で同一カードによる
WWF認定ジュニアヘビー級王座決定戦が組まれ、
タイガ―が第6代王者に。
これで名実ともに、ヘビー級へ転向した藤波の後継者として、
タイガ―時代のスタート。
ところが、宿敵キッドがまたも立ちふさがる。
結果は、タイガ―の初防衛に終わったものの、
キッドのカミソリファイトと豪快な受身は、
いま見ても圧巻である。
個人的には、私はいまでもダイナマイト・キッドこそ、
ジュニア史上最高のレスラーだと思っている。
②では、空中戦、四次元殺法よりも、レスリングの攻防に注目。
ライトは英国マットが生んだキャッチレスリングの本格派。
また、タイガ―もサミー・リー時代にイギリスでトップを張っていた。
この一戦を初代タイガー屈指の名勝負に推す声も非常に多い。
たとえば、プロレス関係者の中でも、あらゆるジャンルのプロレスにおいて
生き字引的存在であるロッシ―小川さん(スターダム代表)は、
この一戦こそ日本ジュニア史上最高の名勝負だと言いきっている。
③では、タイガ―の首を狙って、これまたイギリス時代の宿敵、
”ローラーボール”マーク・ロコがブラック・タイガーに変身して初登場。
一時も止まることなく動き回るブラックはスタミナの塊。
暗闇脳天落としと称された変型ツ―ムストン・パイルドライバーは
恐怖の代名詞でもある。
のちに、ロコはイギリス遠征時代の山田恵一とも、
最大のライバルとして抗争を展開した。
タイガ―マスクが現在4代目まで襲名している一方、
ブラック・タイガーも7代目まで出現している。
それだけキャラクターも突出していたということだろう。
④のウルトラマンは実力的にはタイガ―の比ではなかったものの、
「シュワッチ!」のスぺシウム光線ポーズは大ウケ!
アニメから飛びだしたヒーローと
特撮ものから飛びだしたヒーローの
スーパーヒーロー対決は、対峙したシーンだけ見ても
夢が広がる。
⑤では、虎ハンター誕生の瞬間を目撃できる。
先輩(小林)、後輩(佐山)の関係ながら
プライベートでは親友だった2人が、
リングに上がった途端、豹変する。
凱旋した小林は掟破りのマスク剥ぎを敢行し、
一躍、アンチヒ―ローとしてタイガ―のライバルに成り上がる。
ヘビー級では藤波vs長州の遺恨闘争が勃発し、
ジュニアではタイガ―vs小林…
時代を彩るインパクト満点の抗争。
そのプロローグである。
やはり、このラインナップで嬉しいのは、
ライバルたちとの初期の闘いが網羅されていることだろう。
ライバルがいたからこそ、
タイガ―マスクはスーパーヒーローに成りえた。
それを改めて思い知らされる1冊だ!
燃えよ!新日本プロレスvol.27
『タイガ―マスク、ライバルとの死闘!』
発行元=集英社
定価=1680円