永田裕志のデビュー20周年記念興行、

9・9東金アリーナ大会に行ってきた。


大会名は、

『永田裕志デビュー20周年記念興行 Blue Justice IV ~青義凱旋~』。


永田(ナガタロック)が東金アリーナ大会をプロモ―トするのは、

今回で4度目。

初の東金大会はちょうど5年前の9月9日、

永田裕志デビュー15周年興行として行なわれている。


そのときのメインカードは、

永田裕志&大谷晋二郎&中西学vs天山広吉&真壁刀義&矢野通。

天山、真壁、矢野がGBH軍団の3強として暴れていたわけだから、

わずか5年でも隔世の感がある。


それにしても、よく入った。

東金アリーナは立派な多目的体育館だが、

交通の便がよくない。


ネットなどで検索してみれば分かるのだが、

東金駅から徒歩40分…40分ですよ!トホホ。

バスで15分、近くのバス停から徒歩7分…

バスで行っても7分も歩くんですよ!


というわけで、交通手段は自家用車か、

タクシーに限られてしまうといってもいい。

それにも関わらず、2250人(超満員)の観客を動員。


大会終了後、打ち上げ会場近くの永田の実家まで、

永田の愛車に同乗させてもらったが、

「過去、イチバン売れたみたいです。

ありがたい話です」

と、緊張が解けたのかホッとした表情を浮かべていた。


当日の特別ゲストは2名。

永田の師匠にあたる馳浩衆議院議員(以下、馳先生)と、

デビュー戦の相手が永田だった藤田和之。


馳先生はセミファイナルの前に到着し、

本部席の後ろに用意されていた椅子に座って観戦。

藤田が会場に入ってきたのは、セミの途中だった。


体育館の入口ドアの前に待機する藤田。


当初、永田には、

「試合後、入場テーマ曲(炎のファイター/オーケストラヴァージョン)を

かけてもらって入場したらどう?」

と提案された。


だが、藤田は

「そんな、恥ずかしいから勘弁してください」

と思いっきり辞退。


「それなら、馳先生と一緒にメインの試合を観てよ」

と言われ、藤田もOKした。

ひさしぶりに生で観る新日本の試合にも興味はあったし、

噂のオカダ・カズチカや中邑真輔のパフォーマンスにも興味津々!?


会場の後方で藤田を見つけた私は、

「あっ、IGFの人がいる。

IGFのチャンピオンがいる!」と声を掛けた。


すると苦笑しながら、

「金沢さん、ボクの隣に座ってメインの解説お願いしますよ。

GKの解説付きで試合を観るのを楽しみにしてきたんだから」

と藤田は言う。


「ダメダメ! 

だってサムライTVが生中継しているから、

馳先生、藤田クンと並んでテレビに映ったら恥ずかしいよ」

と、私は断った。


それでも諦めきれないのか(?)、

「席が3つあるじゃないですか?」と言いながら

リングサイドへ向かった藤田は、

途中で振り返って私を手招きする。


私は笑いながら手を振って見送った。

両チームの入場中、また藤田が振り返って、

私を手招きする。


また私が笑って誤魔化しているところに、

永田家の長男・裕生クンを肩車したSさんがやってきた。


「藤田クンがリングに上がるとき、

裕生クンを連れて一緒に上がるって言うんですよ。

私、どこのタイミングで裕生クンを連れていったらいいですかねえ?」


Sさんはプロレス関係者ではないが、今回の興行を手伝っているスタッフの1人。

永田夫妻と仲がよく、もっと遡れば、馳先生、

故・橋本真也、テンコジや大谷、私とも友人であり飲み友達。


「じゃあ、オレが藤田の隣に座るから、

合図したら裕生クンを連れてきて」


もう、仕方がないので、私はメインの試合中に

リングサイドへ向かい藤田の隣席に座った。

馳先生が気付いて、ニコッと目配せしてきた。


藤田の質問が止まらない。

実況アナウンサー並みによくしゃべる。


「あの望月選手っていうのはどこの団体ですか?

ベースはなんですかね?」


「彼は北尾光司が主宰していた武輝道場の出身で、

第2回スーパーJカップの1回戦で大谷と対戦してブレークしたんだよね」


「へえー、相撲出身なんですか?」


「違う、空手だよ、空手!

いい蹴り出すから見ていたらいい」


「真輔、ぜんぜんクネらないじゃないですか!?

ボクはそれが見たかったのに……

あっ、いまクネッたのかな?

秋山さんの背中が大きすぎて見えなかった」


「今日はあんまりクネッってないねえ。

6人タッグだからかな…」


試合終盤、オカダの高角度ドロップキックが、

主役・永田を打ち抜いた。


「これだよ!」と馳先生の表情がパッと明るくなると、

「これはいいですね!」と藤田も感心。

「ホラ、言った通りでしょ!」となぜか私も勝ち誇る?


「これだけできて24歳ですか?

僕なんか24歳のときまだプロレスやってませんからね」


「でも彼は16歳でメキシコでデビューしてるから、

実際のキャリアは8年あるんだよね」


「24歳でキャリア8年!?

ということは中卒でメキシコに渡ったんだ

体がイチバン伸び盛りのときにプロレスを学んだということですね。

なるほど…しっかりしてますねえ」


そうこうしているうちに、不安になったのか、

Sさんが裕生クンを連れて、私のところへ来た。


「じゃあ、オレが裕生クンの子守をしているから」


そう言って、裕生クンを膝の上に抱っこして観戦。

それにしても、さすが永田夫妻の息子である。

まだ2歳と11カ月なのに、

グズッたり泣いたり、人見知りすることもなく、

私の膝に乗ってリング上をじっと見つめている。

金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba

ほーら、写真の通り。

Sさんが「裕生ク―ン」と声を掛けても、

カメラに向き直るをこともなくパパの奮闘ぶりに釘付け状態だ。


ここで藤田が

「オジサンのこと覚えているかな?」

と問いかけると、

「フジタカズユキ」とフルネームで答えた(笑)。


最近、藤田は永田家と食事をともにしており、

裕生クンも一緒にいた。

子煩悩で闘う育児パパこと藤田のことがよほど印象深いのかと思いきや、

それだけでもなかった。


あとから、永田に聞いた話。


「ウチの息子が気に入っているプロレスごっこはね、

オレのフィギュアと藤田のフィギュアを闘わせることなんですよ(笑)。

藤田のフィギュアを見たら『フジタカズユキ』といつも言ってますからね」


つまり、永田家では毎日のように、

永田vs藤田のシングルマッチが実現しているわけだ。


試合は見事な連続攻撃でアンチエイジングスが勝利。

望月の三角蹴り、秋山のランニング・二―、

最後は永田がバックドロップホールドで高橋裕二郎を仕留めた。


馳先生、藤田、サムライTVの解説についていた中西学の順にリングへ。

永田へお祝いの花束を渡す。

藤田は予定通り、裕生クンを抱っこしてリングイン。


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さすが子どもの扱いに慣れている育児パパ!


アンチエイジングス、馳先生、元チームJAPAN(1人欠けているが…)が

揃ったところで、懐かしいあのテーマ曲が鳴り響く。

ここにいないあの男が選曲したチームJAPANのテーマ曲

『ミザル―』(映画”タクシー”の主題歌)である。


永田自身も気付かなかったと言っているように、

果たして気がついた人はいるだろうか?

新規ファンは知る由もないし、

マニアのファンは「アレッ?」と思ったかもしれない。


むしろ、映画マニアのほうが、この曲は知っている

と思ったかもしれない。


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それにしても、永田、中西、藤田のスリーショット。

それに、永田、秋山、望月成晃のスリーショットと、

どちらも絵になるなあ。

肉体的にもパンパンに張っているし、

体力的にも中邑、オカダ、裕二郎に劣っているシーンは見られなかった。


多分にリップサービスも込められているのだろうが、

帰り際、報道陣から「チームJAPAN再結成」の話題を振られた藤田は、

「永田先輩からお呼びが掛かるならいつでも馳せ参じます。

自分も体の続く限りは…」と返答。

馳せ参じるは「馳さん」も掛けているのだろう。


あとで藤田に確認してみると、

「ハッハッハ…その通りです。

馳先生ともひさしぶりにお会いしたから。

前向きなコメントには、前向きに答える。

それがボクのやりかたですから。

新日本プロレス、おもしろかったですよ。

ただ、真輔がもっとクネると思ったのに」

と、まだ中邑のクネリ足りなさ(?)にガッカリしている。


「じゃあ、もう直接本人と試合すればいいじゃない!

真輔も思い切り目の前でクネッてくれるから」


「目の前でですか?

前向きに…(笑)、考えておきますよ」


藤田和之が上がった新日本のリング。

新日本マットに立った藤田和之。

私にはミスマッチではなくごく自然に映った。


無論その周囲に、永田、中西、馳先生、秋山という

なんらかの接点を持っている人間たちがいたからだろう。


今はIGF王者だから、いくらフリ―といえども

活動に制限が生じるのは致し方ない。

しかし、柴田&桜庭の新日本マット参戦と同様に、

いや、それ以上の活性化を求めるなら、

藤田の新日本マット参戦はアリだと思う。


とくに、藤田和之vs真壁刀義の同期対決は、

2人が衰える前に絶対に観たいカードである。


ちなみに、自分の今後を「まだまだ悪あがきさせてもらう」と

称した永田は、打ち上げ会場へ向かう途中、

素直な感想をこう話してくれた。


「オカダとは、あいつが凱旋帰国してから初めて当たったけど、

予想以上でしたね。

攻めも受けもうまい、タイミングがいいからやりやすい。

オカダなんかとやっていると、若さに圧倒される気持ちもありながら、

実際に肌を合わせたら、そうはいかないという自信も出てくる。

まだまだ、オレはやれるし、負けねえよって(笑)。

あとは、秋山準と真輔は合うねえ。

あの2人はお互いに引き付け合うものがあるんでしょうねえ。

あの2人の勝負はもっと見てみたいなあ」


そんな会話をしながら、しばしのドライブ。

永田の実家に到着して車を降りた。

ここから歩いて、近所の打ち上げ会場へ向かう。


プ―ンと漂ってくる、懐かしい土の香り。

これは5年前となにも変わらない。

永田少年が育った、土の匂いに包まれた素晴らしき環境。


44歳、永田裕志。

変わらない強さ、変わらないファンの支持率。

”悪あがき”は、まだ当分続くに違いない。