本日(16日)発売のDVDマガジン『燃えろ!新日本プロレス』vol.23は、
新日本vsUWFインターの歴史的名勝負&隠れ名勝負を網羅している。
『ケンカ上等!UインターとのサバイバルWAR!!』と題して、
全試合ノ―カット収録(105分)のDVDには、6戦を収録。
とりあえず、メニュー紹介から。
①安生が長州に禁断のF××Kポーズ!
長州力&永田裕志vs安生洋二&中野龍雄
(1995年9月23日、横浜アリーナ)
②”役者が違う”IWGP王者に噛みついた!
武藤敬司&永田裕志vs垣原賢人&高山善廣
(1995年10月29日、マリンメッセ福岡)
③10・9のリベンジ、200%男に意地の劇勝!
佐々木健介vs安生洋二
(1995年10月29日、マリンメッセ福岡)
④オレたちの方が上だ!若きプライド戦
永田裕志&大谷晋二郎&石沢常光vs金原弘光&桜庭和志&山本健一
(1996年1月4日、東京ドーム)
⑤高田雪辱!史上初のIWGPグランドスラム
武藤敬司vs高田延彦
(1996年1月4日、東京ドーム)
⑥闘魂を背負った破壊王が至宝を奪還!
高田延彦vs橋本真也
(1996年4月29日、東京ドーム)
①は10・9ドーム全面戦争へのプロローグとして組まれた前哨戦。
ただし、この横浜アリーナの前哨戦タッグをベストバウトに推す関係者も多い。
長州のパートナーは当日発表とされていたが、長州を先導して入場してきたのは、
この日、第1試合に出場した永田だった。
すべては長州の目論見通りである。
デビュー3年、限りなく現役アマに近い永田は、
グレコローマンレスリングの強さを発揮して、
Uインター勢を投げまくる。
安生の膝蹴りと永田のタックルが交錯した瞬間、
永田の目が腫れ上がる。
報復の(?)マウントパンチで今度は安生の顔面が腫れる。
ひとり冷静に試合を成立させるとともに、
Uの仕掛をすべて潰してみせる長州。
結果はUインターの勝利も、真の勝者は長州力……
そんな思いを抱かせる壮絶な前哨戦である。
②では、IWGP王者の武藤が格の違いを見せる。
特に、垣原の掌打のラッシュに対し、「うるさいな!」とばかり、
背中を向けるという”必殺防御”を披露。
今風に言うなら、「レベルが違うんだよ!」というところを
随所に見せるところがおもしろい。
一方の永田は相変わらずの威勢のよさで大暴れしている。
③健介が長州軍団の一番下で、安生がUWFの一番下にいた時代、
新日本マットで外様の2人は実に仲が良かった。
藤原教室でも一緒に練習したし、
プライベートでも一緒に行動する機会も多かった。
明日を夢見て、しのぎを削っていた2人が、
福岡のメインでシングル対戦。
遺恨を超えた両者の闘いは爽やかでもある。
新婚の健介は北斗のノ―ザンライトボムを使い始めたばかり。
「女房の技にやられた」という安生の一言が印象的である。
④『猪木賞』を獲得した10・9ドームの第1試合と第2試合を合体させた
6人タッグが実現。若手同士のガツガツした攻防はじつに歯切れがいい。
10・9に比べると、互いに歩み寄りが見られるものの、
桜庭のプロレスセンスのよさと、まったく歩み寄らない(笑)
金原の姿勢が光った試合でもある。
⑤10・9ドーム大会のリマッチであり、IWGP選手権。
お互いを認め合う両雄の攻防は前回以上に噛み合うものの、
あとのない高田が執念の腕十字で雪辱。
この結果、高田延彦はIWGPヘビー、タッグ、ジュニアの3本を巻く
史上初のグランドスラムを達成する。
敗れた武藤が振り返ることもなく、
勝者が引き揚げるべき花道ステージを真っ直ぐに去っていく姿も印象的。
⑥この一戦を破壊王の最高の名勝負として推すファンも多いだろう。
Uインターに対し、つねに腹にイチモツ状態だった橋本は、
有事に備えて10kg近い減量を行ない万全のコンディションで
高田に挑んでいく。
覚悟の証は初めて身にまとった”闘魂伝承”ガウンにも表れている。
重いローキック、痛烈な袈裟斬りチョップ、見事な水面蹴り…
トドメは垂直落下式DDTからの三角絞め。
完璧な勝利によって、橋本は新日本の切札と呼ばれるようになり、
またこの一戦が事実上、対Uインターとの決着戦ともなった。
さて、マガジンのほうでは、全6戦を私が解説しており、
実録!新日本プロレス事件簿のほうも執筆している。
第23回のテーマは、『エース武藤敬司、全日本へ衝撃移籍!』。
当時を知らないファンにとっては、おもしろい読み物といえるだろう。
また、今回の『魂が震えた新日ベストバウト!3』には、
あの中邑真輔が登場。
この真輔の語りは最高に興味深い。
自分自身に関しては、あまり多くを語らないタイプの真輔だが、
他の試合、しかもお気に入りの試合に関して語らせたら立て板に水。
この中邑真輔コーナーを読むだけでも価値アリだろう。
ちなみに、ベスト3のなかで、真輔が第1位にあげた試合は……
エル・サムライvs金本浩二(97スーパージュニア優勝戦)だ。
ジュニア史上に残るド突き合いとして、私も大好きなこの一戦。
2位、3位は……見てのお楽しみ。
渋いし、納得させられるし、マニアックだし、
鋭い分析には「うーん」と唸らされること請け合いである。
燃えろ!新日本プロレスvol.23
『ケンカ上等!UインターとのサバイバルWAR!!』
発行元=集英社
定価=1680円
豪華ラインナップで絶賛発売中!