昨日(14日)はZERO1の後楽園ホール大会へ。

もちろん、サムライTVの収録(6月19日、23:00~25:00のOA)があるので、

私は放送席の定位置に座った。


大会名の『ZERO1~IMPACT~』が示す通り、

インパクト充分のカード編成となった。

まず、新日本から契約解除となった本間朋晃と崔領二の遺恨決着戦。


この2人に関しては、最初から舌戦が凄まじかった。

本間の契約解除の理由は公になっていないのに、

崔がそのあたりをスバリと口にしたのだ。


「契約解除だって? クビだろ!

試合をドタキャンしてクビになったんだろ?

上がるリングがなくてZERO1に来たんだろ!?

舐めるんじゃねえーぞ!」


あーあ、言っちゃったあ(苦笑)。

だけど、これから闘っていくのなら、

これぐらい言ったほうがいい。

本間だって、ゼロからスタートする覚悟なのだから、

言ってくれたほうが開き直れるだろうし、闘志も沸いてくる。


この日は、シングル決着戦。

大方の予想を覆して、本間がこけしで堂々たるフォ―ル勝ち。

新日本で揉まれてきた男は、フリ―時代、『火祭り』にエントリーして

全敗に終わった男とは、もう別人だった。


遺恨試合はもうひとつ。

橋本大地vs橋本和樹(大日本プロレス)の橋本対決。

「どっちの橋本が強いかハッキリさせろ!」決戦だった。


こういう感情剥き出しのマッチアップになると、

ますます大地はオヤジに似てくる。

目がつり上がって、思わぬ技が飛びだしてくるのだ。


オヤジさんは対抗戦に強かった。

あの高田延彦戦しかり、

WAR時代の冬木弘道戦しかり。


当時、天龍、阿修羅・原に続く№3的なポジションにいた冬木は、

試合後、こう言っていた。


「今までプロレスをやってきて、

初めて恐怖感を感じた。

怖いと思ったのはアイツが初めてだよ」


橋本の蹴りが冬木のアゴ先にヒットすれば、

冬木のストレートパンチが橋本の顔面を打ち抜いた。

隠れ名勝負というか…プライドを賭けた喧嘩マッチだった。


無論まだまだオヤジに及ぶべくもないが、

長い脚から繰り出される大地の蹴りはグ―ンと伸びて

和樹のアゴ先にヒットしている。

最後はオリジナルの垂直落下DDT

(※P・デヴィットのブラディサンデー式)で憎っくき和樹を沈めた。


セミファイナルには、ZERO1vsノアの対抗戦が組まれた。

今やどこのリングでも…とくにメジャー系は

交流戦、対抗戦が当たり前のような時代になりつつある。


正直、分かりずらいし、なぜそういう図式になっているのか、

理解できない場合も多い。

たとえば、東スポ紙上だけで話が進んで、

それが実現しているようなケースもある。


それなら、東スポを読んでいないファンは置き去りだし、

お手上げ状態だと思う。

いくら好カードを組んでも、それが広く伝わっていかないからだ。


そういうシチュエーションだからこそ、

新日本の『ベスト・オブ・ザ・スーパーJr』は異常に盛り上がったのではないか?

一目瞭然のジュニアの祭典。

そこに余計な講釈はいらないからだ。


そういう面でいくと、ZERO1はちょっと割を食っている。

ZERO1とノアには、ちゃんと交わる理由がある。

4月のノア『グローバル・タッグリーグ戦』に

大谷晋二郎のエントリーがひと足早く決まった。


そのパートナーを選出するのが、3・27靖国神社・奉納プロレス大会だった。

それを直接確認するために、丸藤正道が会場まで視察に来た。

その丸藤の目前で、パートナーとして大地を指名した大谷。


それを受けた丸藤は、

「こんど、このZERO1の会場に来る時は試合コスチュームで来る」

と宣言した。


その約束通り、丸藤は5・16後楽園ホール大会に参戦。

しかも、カードが素晴らしいというか、私的観点からいくとドリームカード。


田中将斗&日高郁人vs丸藤&石森太二。


もう、お気づきだろう。

田中vs丸藤は正真正銘の初対決。

元ECW世界王者である”世界のタナカ”と

日本が誇る”天才児”丸藤。


私なんぞ、放送席でワクワクしっぱなしだったし、

たとえば、新日本の某関係者などは、

「田中選手と丸藤選手…もうぜひウチで組みたいカードですよね!」

と本気で言っていたほど。


ところが、これだけの極上の絡みが、

メディアではイマイチ伝わっていないのだ。

試合は予想通り、素晴らしい攻防となっただけに、

本当にもったいない!


もっと言うなら、4月、5月、6月と3回連続で

ZERO1の後楽園ホール大会は、

南側を幕で覆ったBパターンだった。

じつに寂しいではないか。

田中vs丸藤だよ、オイオイオ―イ!


この絡みなら、新日本ファンだって見たいのではないだろうか!?

いかん、つい熱くなってしまった。


今大会は6人タッグ戦で激突。

大谷&佐藤耕平&KAMIKAZEvs森嶋猛&丸藤&モハメドヨネ。

注目は、GHC王者として全盛期にある森嶋と

眠れる大器・耕平の肉弾戦。


190㎝を超える両雄のぶつかり合いはド迫力だった。

耕平の蹴りの重さは、もはや破壊王に匹敵するほど。

数発ローキックを食らった森嶋が一瞬、イヤ~な表情を浮かべた。


怪物ぶりを発揮する耕平は森嶋の巨体にジャーマンも決めた。

もちろん、森嶋も記憶飛ばしのラリアットで応戦。


最後は、職人KAMIKAZEと森嶋の一騎打ちの様相。

KAMIKAZEの妙技に翻弄されるシーンもあったが、

森嶋の記憶飛ばしラリアットの破壊力は凄まじい。

計3発から、有無を言わせぬバックドロップ。


さすがに、絶好調の王者は強かった。

ただし、耕平との絡みは確実にネクストを期待させるもの。

森嶋vs耕平の一騎打ち…ぜひ実現させてもらいたい。


メインは、ヒールターンしてZERO64のメンバーとなった

世界王者・曙の2度目の防衛戦。

前回のⅤ1戦で、あの関本大介を完璧に圧殺した曙。

いよいよヨコヅナがシングル路線でも本物になってきた感がある。


挑戦者は、もっとも苦手とする田中。

田中自身も2年8ヵ月ぶりに世界ヘビーに絡むわけだ。

最後の試合が川田利明に敗れ王座から陥落した一戦だから、

本当に随分と月日の経った感もある。


驚くべきは、15分以上も曙が闘ったこと。

相手は底なしのスタミナを誇る田中である。

それだけでも驚異なのに、

最終的に田中のスライディングD2連発に耐え抜いて、

切札であるトップロープからの横綱プレスで圧殺してしまった。


曙による田中超え。

まさか、ここまで来るとは…。


さらに試合後に、サプライズ。

来たる『火祭り』リーグ戦への参加候補者たちが、

次々とリングに上がってアピールする中、

とんでもない大物が現れた。


潮崎豪である。

潮崎といえば、次期GHCヘビー挑戦者。

無論、元・同王者でもあり、

2年前の『G1クライマックス』にエントリーしたときには、

最終戦(vs中邑)までⅤ戦線に残っていた男だ。


文句なくⅤ候補だろう。

ZERO1マットの泥臭い熱さに、

潮崎の爽やかな熱さがどう融合していくか、

そこでどんな化学反応が起きるのか、

実に楽しみである。


さて、前置きの帝王(?)と呼ばれるワタシにとって(笑)、

ここまでが実は前置きである。

本題は、大会終了後にかわした大谷との雑談にある。


さあ、次はいよいよ7・8後楽園ホール大会。

『大谷晋二郎デビュー20周年記念 活!喝!勝!』。

この大会は、Aパターンで、しっかりと南側も開放される。


大谷の記念試合は現状でベストカードといっていいかもしれない。


大谷晋二郎&田中将斗vs天山広吉vs小島聡。

炎武連夢vsテンコジ!


大谷とはこんな会話をしている。


「今やらなきゃいけないんじゃないかって。

今が最後のチャンスだし、この機を逃したらダメだと思うんです」


「うん、そう思う。

4人がトップでやれている今だから意味があるよね?」


「そうです!

ボクは、リバイバルマッチや同窓会マッチなんて御免ですから


「これは、30分1本勝負?」


「30分かなあ? ちょっと覚えてないです…」

「でも、30分1本だったら、この4人なら普通に30分やれちゃうからね。

それだとファンが最初から引き分けかな?って思っちゃうかもしれないよ」


「金沢さん、それはない!

どうだろうと、ボクは決着つけますよ、必ずね!!」


最後の「決着をつけます!」と言い切ったとき、

大谷の眼がギラリと光った。

ギラリとした眼で私を睨みつけた。


そう、これが大谷本来の眼なのだ。

最近では社長業が板について、

礼儀正しく誠実な人柄ばかりが前面に出ている感もある大谷。


だが、本来のプロレスラー・大谷はリング外でもギラギラしている。

新日本時代など、ギラギラし過ぎて手に負えないほどだった。

相手は、天山、小島。

先輩にして、第三世代のライバル。


どちらかといえば、お人好しに映る天山&小島だが、

こと後輩に対するときは人が変わる。

大谷が仕掛けていけば、何倍にもして返してくるだろう。


大谷の言葉通り、リバイバルマッチでも同窓会マッチでもない。

やるかやられるか!?


そういう試合になりそうな気がする。

下手をすれば、主役の大谷が大の字にKOされることだってあり得るだろう。


現在進行形でありながら、

あのギラギラした時代の大谷が否応なしに帰ってくる。


今年のベストバウト候補にあがるような…

いや、そういう意味の単純ないい試合などではなく、

大谷が過ごした新日本時代とZERO1時代の集大成として、

激しく熱い魂が交錯し合うような闘いを見せつけてもらいたい。


                    金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba


気持ちは今もこんなフサフサしたままなのだから(ホントにスマン!)


さあ、本日は新日本の6・16大阪大会。

気合を入れて、乗り込むぜー!