あれま! 油断していたら金曜日になってしまった(苦笑)。

1日遅れながら24日(木)発売のDVDマガジン

『燃えろ!新日本プロレス』の紹介&解説をしてみたい。


燃えプロvol.17のタイトルは、

『俺たちこそ最強!! スーパータッグ列伝!』と銘打たれており、

全試合ノ―カット収録DVD(114分)のメニューは次の3試合。


①最初で最後!”鉄人”と”神様”に黄金コンビが挑む!

アントニオ猪木&坂口征二vsルー・テ―ズ&カール・ゴッチ

(1973年10月14日、蔵前国技館)


②暴虐の最凶コンビ、北米タッグ王座を強奪!

タイガ―・ジェット・シン&上田馬之助vs坂口征二&ストロング小林

(1977年2月2日、大阪府立体育会館)


③”鬼軍曹”涙の引退!追憶のヤマハ・ブラザーズ

山本小鉄&星野勘太郎vs鶴見五郎&大位山勝三

(1980年4月4日、川崎市体育館)


金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba

①新日本プロレス旗揚げから1年半にして、

プロレスブーム再来を予感させるドリーム・タッグマッチが実現。


日本プロレスを離脱した坂口征二ら4選手が新日本に合流したのが、

1973年4月1日で、NETテレビ(現・テレビ朝日)の新日本中継が

スタートしたのは、4・6宇都宮大会(金曜午後8時~)から。


それまで経営難にあえいでいた新日本と猪木は、

坂口、地上波放送という、これ以上ない武器を手に入れた。

さらに、猪木&坂口の”復活”黄金コンビが、

最初の大勝負に出たのは半年後の10・10蔵前大会。


対戦相手は、テ―ズ(57歳)&ゴッチ(49歳)の伝説コンビ。

鉄人と神様が初タッグを結成するのだから、これは強いに決まっている。

肉体的に全盛期にあった猪木(30歳)、坂口(31歳)と比較しても、

テ―ズ&ゴッチが醸し出すオ―ラ、技の切れ味はやはり絶品である。


1本目は、一瞬のバックドロップでテ―ズが坂口を沈め、

2本目は、荒鷲パワー全開のアトミックドロップで坂口が報復。

決勝の3本目は意外な結末へ。

師匠ゴッチの得意技であるジャパニーズレッグロール・クラッチホールドを

完璧に決めた猪木がゴッチをピンフォール。


歴史的な神様超えの瞬間、国技館が大爆発する。

ちなみに、ストロングスタイルを意識した坂口が

初めて黒のショ―トタイツを着用しているのも見逃せない。


そして、このドリームタッグ戦のタイトルは、

『世界最強タッグ戦』と銘打たれていた。
実は、世界最強タッグという名称の元祖は、新日本だったのである。


②腐れ縁というか、狂乱試合数え唄ともいうべき、

坂口&小林のパワーファイターズとシン&上田の遺恨タッグ戦は、

NWA認定北米タッグ選手権を賭けたタイトルマッチで、

通算6度も実現している。


もともと北米タッグといえば、黄金コンビ(猪木&坂口)の代名詞であったものの、

1976年2月から猪木が異種格闘技路線を打ち出したために、

基本的にシングルプレイヤーに専念。


北米タッグのほうは、3本柱の2人(坂口&小林)に任せる格好となった。

そこに出現したのがシン&上田。

1977年1・14福岡大会では無効試合に終わったものの、

その再戦となった2・2大阪大会で、遂に凶悪コンビがベルト奪取。


これを契機に遺恨タッグ抗争は、まる1年も続くことになる。

一言でいうなら、当時ファンをもっともエキサイトさせた

鉄板タッグマッチと言ってもいいだろう。


③現役バリバリだったヤマハ・ブラザーズ最後の雄姿。

38歳にして引退を決めた”鬼軍曹”山本小鉄の引退試合である。

2人の肉体を見ても、タッグプレーを見ても、

そこに引退の二文字はまったくちらつくことがない。


万感の思いを込めたフィ二ッシュのダイビング・ボディプレスは、

まさしく小鉄さんの異名通り、人間爆弾といった趣き。

棚橋のハイフライフローにも劣ることのない破壊力を感じる。


これ以降、テレビ解説と審判部長に専念することが決まっていた

小鉄さんの涙の引退セレモニーも収録。

その表情を見れば、本意からの現役引退ではないことも

よく伝わってくる。


ただし、あのとき解説者=山本小鉄が誕生したからこそ、

古舘&小鉄の名物実況コンビが生まれたし、

小鉄さんのメディア出演が増えたおかげで、

新日本の道場幻想が高まり、新日本飛躍の大きな要因にもなったと思う。


日本プロレス界が生んだ最高のタッグチームを、

ぜひ堪能してほしい!


あ、そういえば、この17号の『雑学王』でも、

”結婚式”をテーマにワタシがおもしろエピソードを語っている。

放送禁止用語がほんの少し出てくるので、これ以上は内緒だよ(笑)。


燃えろ!新日本プロレスvol.17

『俺たちこそ最強!! スーパータッグ列伝!』

5月24日(木)発売

発行元=集英社

価格=1680円(税込)


さあ、隔週木曜日は、まだまだ続く…

どこまでも続く……燃えプロの日!