昨日(17日)の午前2時前に義母が息を引き取りました。

享年85。

ちょうど2年前、体調を崩し病院で検査を受けたところ、

病名が癌であることが分かりました。


義母は頭のいい人ですが、多少の認知症があったため、

治療に関しては親族会議で決めました。


その結論は「なにもしない」でした。


もちろん、最低限の症状に見合った処置をしてもらったうえでの話。

3カ月の入院生活を経て、義母は介護施設に入りました。

義父(昨年6月に逝去)がコツコツと貯めていたお金で、

日本でも有数の環境をもつ介護施設へ。


施設には、病院もあり、ドクター、ナースがいて、

なにより家族のように接してくれる介護師が多数。


そのおかげで、余命1年と言われていた義母なのに、

あれから2年、元気に過ごしてくれました。


その間、元気そのものだった義父のほうが

肺腺癌で亡くなってしまったのが、痛恨です。


ただし、義父はまったく苦しむことなくスッと息を引きとり、

義母も同じようにスッと逝ったそうです。


義母のように、末期癌でありながら、

まったく痛みを訴えない人は本当に珍しいそうです。

医師によれば、「運よく、太い神経のそばが癌におかされていないようです」

ということらしい。


亡くなる5時間前には、

「じゃあ、お義母さん、明日また来るから元気でね!」

と私が呼びかけると、笑顔で頷いていたほどです。


むしの知らせというのがあるのかどうか、

妻は「泊まっていく」と言います。

こんなに元気なのだから大丈夫だろうと私は帰宅し、

仕事をしている最中に、付き添っていた妻から悲報が入りました。


それからが大変!


経験されたことのある人は分かるでしょうが、

葬儀の準備が始まると、

悲しんでいる暇もないわけです。


特に、喪主の妻は寝る間もなく、走り回っています。

本日夕方からお通夜、

明日の昼から告別式。


ところで、私ですが、現在、5月10日発売予定の

文庫本の加筆・編集作業の真っただ中です。


校了(締め切り)は、明日の昼。

つまり、もろかぶりです。

今も作業中ですが、

今日は通夜が終わってからデザイン事務所へ直行。


おそらく、そこで徹夜作業に入り、

校了と同時に葬儀場へ向かうことになるでしょう。


これぞ、10年に一度あるかないかという試練のスケジュール。

よーし、闘ってやろうじゃないか!


だいたい、この時間にブログを更新している場合じゃないんだけど(苦笑)、

気合を入れるために、ここに闘い始めの宣言をしてみました。


 ※追伸


 義母が介護施設のベッドで寝かされ、

 葬儀場の担当者の到着を待っている時間のお話。

 当然、亡くなった義母の部屋には冷房が入っているので、

 一緒にいたいけど、もう寒くてたまらない。


 午前5時、なにか温かいものを探してこようと、屋外に出たところ、

 大きな道路沿いにかなりの数の自動販売機があった。

 一つ一つ、じっくりと眺めては移動していく。

 普段は糖分の多い缶コーヒーなど飲まないので、

 よく分からないのだ。


 結局、ホットのカフェラテとココアを購入し、

 くわえタバコで来た道を戻っていると、

 突然、パトカーが横付けされた。

 警官が2人降りてきた。


 「すいません、ちょっといいですか?

 お仕事の帰りでしょうか?」


 こっちは、ジーパンにジーンズのコートで、

 キャップを被っている。

 仕事帰りのサラリーマンには見えないだろう?

 ああ、これが職質というやつか(笑)。


 「自動販売機をずっといくつも見ていたでしょ?

 なにをしていたんですか?

 ご自宅は?

 どこへ行かれるところですか?」


 おもしろい!

 質問が止まらない。

 自販機荒らしとか、そういうのと思われているのかな。

 昔ならブチ切れているが、もうオッサンだから怒らない。


 ちゃんと説明すると、疑惑が晴れたようだ。

 「失礼しました、お気をつけて」と

 パトカーに戻ろうとする警官を

 今度はこっちが呼びとめた。


 「いま、オレが悪いことしてるのに気付かなかった?

 ほら、くわえタバコで歩いているじゃない。

 それも注意しなきゃ!

 これってよくないことでしょ?

 でも、ちゃーんとポケット灰皿持ってるもんねえー」


 そう言って、ポケット灰皿にタバコを入れて火を消すと、

 まだ20代と思われる若い警官2名は

 しばし唖然としたあとに、笑い出した。


 「あ、ちゃんとポケット灰皿をお持ちなんですね。

 素晴らしい心掛けだと思います!」だって。

 

 それにしても、やっぱり傍目から見て、

 年齢不詳、職業不明の私の風貌はとても怪しく映るらしい(笑)。