27日の月曜日、午後10時から生放送のサムライTV『速報!バトル☆メン』に出演。
MCは、仙台サンプラザホールの正面口でファンに声をかけられるたびに、
私には過去見せたことのない爽やか笑顔で丁寧に応えていた三田佐代子さん。
当日のメインメニューは、やはり前日(26日)、
超満員の後楽園ホールで開催された大日本プロレスの興行。
これは私も取材に出向いているので、出来ればこのブログでも触れてみたい。
とにかく、第1試合から観客が出来上がっていることに関しては、
最近の新日本プロレスの後楽園ホール大会、
DDTの後楽園ホールに匹敵する。
メジャー、インディー云々を抜きに、集客も含め、
いま後楽園ホールをもっとも熱くさせている団体は、
情報通り、新日本、大日本、DDTであることが分かった。
まったくカラ―の異なる3団体が現在のホール三銃士という感じだろうか。
番組後半の『インフォメーション』コーナーには、
米山香織(JWP)が出演。
周知の通り、米山は昨年末の引退撤回騒動により、
業界を大いに騒がせてしまった。
しかも、引退の10カウントゴングの最中に
「辞めたくない!」とゴングのストップを要請。
前代未聞の行動に、JWPも事態収拾に追われることとなった。
あの一件以来、米山がこうしてサムライTVに出演するのは初めてだという。
私は、この日初めて彼女と会話をしてみたが、
試合に関してはそれなりの知識を持っている。
1999年11月デビューというから、キャリアはもう12年。
頭角を現してきたのが、2004年~2005年ごろで、
ちょうど『週刊ゴング』が身売りしたりと揺れ始めた時代だったから、
よく覚えているのだ。
当時の女子プロ界を象徴していたのが、
元気いっぱいの若手選手「米ちゃん!」だった。
現在、JWPは『JWPタッグリーグ・ザ・ベスト2012』の真っ最中。
米山はリーグ戦へのエントリーを自粛しているが、
来たる3・4東京キネマ倶楽部大会(午後1時開始)では、
スペシャルシングルマッチで尾崎魔弓(OZアカデミー)と対戦する。
JWP出身で大先輩の尾崎とは、昨年のアメリカ遠征でシングル初対戦。
そのときの一戦の意味も大きかった。
すでに引退発表していた米山の心のなかに、
海外遠征を経験したことにより、
まだ辞めたくないという気持ちが芽生え始めたのだという。
そういった感情、引退撤回問題……
もろもろの要素にケジメをつける尾崎戦となるのだろう。
ご存知の通り、3・4はプロレスデ―である。
男女問わずの興行戦争となるが、ぜひ米山香織にも注目してほしい。
このファイティング・ポーズも"米ちゃん”らしく、根性入ってるでしょ!?
さて、翌28日も午後2時にサムライTVのスタジオへ。
今度は『ニュージャパンライン』の収録。
MCはお馴染み清野茂樹アナウンサーで、
解説は私のレギュラーコンビ。
今回のメインテーマはもちろん、3・4後楽園ホール『旗揚げ記念日』。
すでに前売り券は完売という、大変な注目度。
その理由は、メインのIWGP選手権がすべてといっていいだろう。
ゲストは挑戦者の内藤哲也。
かつては合宿所で相部屋、仲のよかったオカダ・カズチカが現IWGP王者である。
しかも、24歳4カ月で、棚橋を破っての初挑戦初戴冠だけに、
内藤の心中も穏やかではない。
とにかく内藤が一つの目標としてきたのは、
20代でのIWGPヘビー級王座戴冠である。
憧れの存在だった武藤敬司がグレート・ムタとして、
29歳8カ月での初戴冠。
目標としてきた棚橋弘至も同じく29歳8カ月で初の王座に。
内藤自身がいま、29歳8カ月。
彼にとっては、今この瞬間しかないわけだ。
収録中にも内藤は、そういった記録にこだわりを見せていたが、
とにかく彼は、過去の戦績であるとか、日付であるとか、数字に強い。
記憶力が抜群なのだ。
例えば、20代同士のIWGP選手権は17年ぶりだという。
そこを内藤に確認してみて驚いた。
17年前の1995年2・3札幌中島体育センターといえば、
王者・橋本真也に凱旋帰国から僅か1カ月の天山広吉が挑んだ一戦。
あれからもう17年も経っているというのだから、こちらもトシもとるわけだ(笑)。
私にとっては、つい数年前の出来事のような感覚なのである。
あのとき『週刊ゴング』の表紙は私が作った。
天山がマウンテン・ボムに橋本を担ぎ上げている絵に、
『天山、猛進!!』という大見出しを打ったことをハッキリと覚えている。
同時に、それ以降、20代同士のタイトルマッチがないというのも驚き。
これに関しては、いいも悪いも論評のしようがない。
さて、問題の2・12大阪大会に関して。
誰もが棚橋のⅤ12を確信して試合を観ていたことだろう。
しかし、結果はレインメーカーでオカダの勝利。
その試合について、清野アナがまず私に感想を求めた。
「オカダはまったくミスがなかった。
棚橋が上手いこともあるけれど、棚橋とまったく遜色なく闘っていたし、
スタミナも充分で、文句のつけようもない勝利だったと思います」
私がそう言うと、内藤も同調した。
「いま金沢さんが言った通りですね。
オレもあとからPPV中継を観てそう思った。
当日は試合を観てなかったし、
中邑真輔に勝った時点で、挑戦の名乗りを挙げようと思っていた。
その相手は棚橋弘至だと確信していたから言葉を用意していたのに、
試合後、オカダのテーマ曲が鳴って、一瞬なにが起こったのかって(苦笑)」
内藤は、どこまでも正直な男。
数字にこだわるのは、負けず嫌いの表れなのだ。
2年前、目標とする棚橋から初勝利を奪った頃から、
その傾向は顕著になってきた。
2010年の3・20名古屋大会『NJC』公式戦2回戦で、
棚橋から文句なしの初勝利を奪った。
その後、G1クライマックス公式戦(名古屋大会)では、
30分ドローの大熱闘を展開。
これを受けて、10・11両国で、みたび棚橋との一騎打ちが決定。
その直前に、この『ニュージャパンライン』にゲスト出演したとき、
内藤はこんな発言をしている。
「今年、棚橋弘至とは1勝1引き分けだけど、
その前の若手時代に負けたのも戦績に入れていいですよ。
それも入れたら1勝1敗1分け…両国で勝って勝ち越しますからね!」
この気の強さと負けず嫌いが内藤らしさ。
だが結局、内藤は、両国で敗れ去り、
年末の12・12名古屋大会でも完敗を喫した。
棚橋に2連敗。
ハッキリと力の差を見せつけられた。
反対に、棚橋はその勢いを駆って、
01年の1・4東京ドームで小島聡を破り、IWGP奪還。
以降、絶対王者への道を歩み始める。
他にも、内藤らしいコメントはところどころで、私の脳裏に焼きついた。
2・12大阪で中邑から初勝利(通算=1勝2敗)を奪ったものの、
本人は不満であり、納得のいかない内容だったという。
「ここ数年の新日本の2トップは棚橋、中邑であって、
その中邑真輔を狙うのは当然だし、結果は出せたけど、
試合内容がね…お客がついてきていないのを感じて。
いつも試合をやっていて、お客さんの反応も気にしているし、
お客がついてこないような内容ではダメですね」
また、苦汁をなめた感のある1・4武藤戦に関して。
「前半のグラウンド勝負のときは微笑んでいましたけどね?」と
私が聞くと、内藤も我が意を得たりという答え。
「最初のグラウンドはもう楽しくてしょうがなかったですね。
武藤さんもグラウンド好きなのは知っていたし、
やっていて本当に楽しかったから」
ただし、後半は腰の重い武藤の牙城を崩し切れなかった。
「分かってはいても、武藤ワールドに自分から入って抜けられなくなった感じで(苦笑)。
でも、イチバン思うことはもう武藤敬司に頼っていてはいけないってこと。
東京ドームだから武藤さんが必要だみたいな、
そういう時代はもう終わらせなきゃいけないと思う。
それは新日本プロレス、プロレス界のテーマでもあるんじゃないですか?」
その気持ちが、試合後に爆発し、
武藤の握手の手を拒否する行為につながったのだという。
最後に対オカダへの決意。
キャリアでは劣る(オカダ=7年5カ月、内藤=5年9ヵ月)ものの、
新日本では先輩となる内藤。
ましてや、07年8・26後楽園ホールでは、
闘龍門から新日本入りしたオカダのプレデビュー戦の相手を務め、
内藤が勝っている。
過去、シングル戦はその一回だけ。
「あの当時は、新日本生え抜きの人間が、
外から来た人間に負けるわけにはいかないって。
そういう気持ちが凄く強かった。
オカダには負けたことがないわけだから。
今度の3月4日、後楽園ホール。
17年ぶりの20代同士のIWGP選手権で勝って目標を達成します」
新日本の創立40周年記念大会のメインを締めるのは、
レインメーカーvsスターダスト・ジーニアス。
時代は動き、プロレスは進化し、新たなスターをつねに求め続けている。
それを象徴するかのような、2人による天下取り決戦。
というわけで、お決まりの記念撮影はやめて、
清野アナと私はレインメーカー・ポーズで決めてみせた。
放送日は、決戦前日の3月3日(土)、24時~25時。
サムライTV『ニュージャパンライン』、お見逃しなく!