現IWGPタッグ王者の天山広吉&小島聡の”天コジ”コンビ。
現在進行形の名タッグである2人の『デビュー20周年記念DVD‐BOX』(2枚組)が
2月24日(金)に発売される。
過去、日本マットにおける名タッグチームといえば…
BI砲(馬場&猪木)に始まり、黄金コンビ(猪木&坂口)、BT砲(馬場&鶴田)、
ヤマハブラザース(星野&山本)、元祖維新コンビ(長州&浜口)、鶴龍コンビ(鶴田&天龍)、
マシン&H斉藤、龍原砲(天龍&原)、馳健コンビ(馳&健介)、川田&田上、
蝶天タッグ(蝶野&天山)、ノ―フィアー(高山&大森)、邪道&外道、中西&永田
といった名前があがってくる。
こういった歴史に彩られた名タッグチームの中に名を連ねたとしても、
おそらく”天コジ”は3本の指に入る名コンビと言っていいような気がする。
出会い、別れ、再結成、対立、新章スタート…
2人の関係があまりにリアルでドラマチックでもあるからだ。
試合だけではなく、人生や生き様までもリングに投影するタッグチーム。
それが”天コジ”なのである。
「天コジとは…いつでも青春時代に帰れる貴重な時間です!」
まさに、小島の一言がそれを物語っている。
デビュー前の練習生時代から、彼らを知っている、見ている私としても、
こうやって”天コジ”の20周年DVDのメニューを改めて見直してみると、
20年間という歴史の濃さを感じずにはいられない。
さしたる格闘技歴もなく、エリ―トでもなかった彼らが、
プロレスに対する一途な思いだけで突っ走ってきた20年。
そして今、天山広吉と小島聡は日本のプロレス史に名を残した。
いやいや、まだまだ現在進行形…
過去、現在を思うと、私も感無量となってしまう。
収録メニューは次の通り。
〈DISC-1〉には、1991年、お互いのデビュー当時から
2012年1・4東京ドーム(IWGPタッグ王座奪取)まで、
天コジの歴史を網羅。
そこに2人のコメントを交えてお届けする。
もちろん、日本マット史に残る大事件(2005年2・20両国大会/IWGP&三冠ダブル選手権)、
59分45秒の壮絶死闘にも触れている。
<DISC-2>では、現存する最古の天コジ対決を含む、8試合を収録。
7試合は完全ノ―カット収録。
ここでは、私がナビゲーターを務め、天コジに並んで解説を加えてもらった。
なんと言っても、お宝映像は1992年5・25後楽園ホール大会での
山本広吉&小島聡vs金本浩二&西村修。
ヤングライオン伝説の名勝負である。
この一戦が、他の試合をすべて食ってしまった格好で、
当時、『週刊プロレス』がカラー3ページ、
『週刊ゴング』がカラ―2ページという破格の扱い。
若手選手にスポットが当たることは滅多にない時代だっただけに、
いかに白熱したバトルが展開されたか、それだけで分かるだろう。
やはり今、改めて見ても、いい試合だ。
気持ちのぶつかり合いの中にも、確かなレスリングを披露する山本と西村。
喧嘩腰で殴り合う金本vs小島。
金本が顔面や頭部に蹴りを見舞えば、
小島は全体重を浴びせかけた張り手を放った。
これがまるでラリアットのように見えるから不思議。
このタッグマッチを見れば、それがそのまま彼ら4人の今に
つながっていることが確認できるし、
20年も前の試合にも関わらず、確かに未来が見えてくるのだ。
「ボク以外の3人はみんな1年先輩じゃないですか?
当時の1年って、こんなにも差が大きいものなのかって…。
そこで馳さんには『お前には何もないんだから気迫だけは負けるな!』って。
たぶん自分だけ後輩だったから好きなように暴れられたんでしょうね。
そこを天山選手がうまく冷静にコントロールしてくれていた」(小島)
「当時からコジとは闘っても組んでも、終わってからが気持よくてね。
やっぱり、コジと絡むのは好きでしたよ」(天山)
ちなみに、この抗争が名物カードとなり前座戦線に火が点き、
”ヤングライオン”なる呼称が再び脚光を浴び始める。
さらに翌1992年、アマレス三銃士(中西学、永田裕志、石澤常光)、
大谷晋二郎、高岩竜一という花の92年組が入門、デビュー。
1993年3月、6年ぶりに『ヤングライオン杯』が復活し、
西村を破った山本が優勝している。
天山(山本)がYL杯で優勝を達成した直後のYL対決が、
またまた興味深い(1993年4・6両国国技館)。
山本&小島vs中西&永田。
のちに、IWGPタッグ戦線で最大のライバルチームとなり、
個々でも第三世代として、出世争いを展開する4選手が勢ぞろいする。
当時の永田は黒のショ―トタイツに黒のシュ―ズ。
まだレガースを着用する前ながらキックを使い始めたころ。
その場投げのフロント・スープレックスにグレコ出身の強さが垣間見える。
中西は見ているだけで楽しめる。
レスリング(アマレス)タイツにヘッドギアを装着。
おまけに頭はモヒカン刈り。
身体はすでにムキムキのゴリラ体型。
有り余るパワーを持てあましている感はあるものの、
アトミックドロップ→ジャーマン・スープレックスという
当時の得意パターンはル―キ―離れしている。
「1年後輩とはいっても、実績が凄くて、練習(スパーリング)でも
ぜんぜん敵わない。ましてオリンピックに出ているなんて…
もう自分の中では考えられない世界から来た人間でしたよね」(小島)
「もう、あの2人が入ってきたときは、
自分も格闘技をやっておけばよかったなあって。
だけど、こっちには先輩の意地があるわけですからね」(天山)
当時の2人にとって、レスリングエリ―トたちは、
別次元の存在にさえ映っていたのだ。
それだけに、試合には気持ち、気迫がほとばしっている。
これぞ記念すべき第三世代闘争のプロローグと位置付けできるタッグマッチだ。
◆収録内容
<DISC-1天コジHISTORY>
☆闘魂SHOPオフィシャルサイト でも予約受付中!!