昨日(14日)、東京スポーツ新聞社制定『2011プロレス大賞』が発表された。
その結果は次の通り。
○年間最優秀選手賞(MVP)
棚橋弘至〈2度目〉
○年間最高試合賞(ベストバウト)
武藤敬司&小橋建太vs飯塚高史&矢野通
〈8月27日、東京・日本武道館〉
○最優秀タッグ賞
関本大介&岡林裕二
○殊勲賞
秋山準(2度目)
○敢闘賞
永田裕志(2度目)
望月成晃(初)
○技能賞
KENTA(初)
○新人賞
鈴川真一
○女子プロレス大賞
愛川ゆず季(初)
受賞者の皆さん、おめでとう!
まあ、順当というか…
無難といえば無難だろうから、特に文句も注文もない。
強いて言うなら、モッチ―(望月)の敢闘賞はシブくていい。
ダブル授賞となる永田同様に、モッチ―もアンチエイジングを地でいく男。
ということは、アラフォー世代の星とも言うべき、アンチエイジング軍(?)から
今年は、秋山、永田、望月の3選手が三賞に選出されたわけだ。
それでは、トロフィーもなければ、賞金も出ない、
権威もないであろうと思われる(笑)、
金沢克彦選考委員長(選考委員でもある)が選出する
『2011ときめきプロレス大賞』の結果発表。
まず、選考対象として、自分の目でライブで観た大会、試合、選手を重視する。
テレビなどで観戦したものは、極力避ける。
そして、当然のように独断である。
ただし、偏見は持たないようにする。
あとは、外国人選手、複数授賞もありということで…
ゆる~くいってみたい。
◎MVP=棚橋弘至(満票)
◎ベストバウト=TAKAみちのくvs外道
(ベスト・オブ・ザ・スーパーJr.公式戦/5月28日、東京・ディファ有明)
※他のノミネート試合
棚橋弘至vs内藤哲也(IWGPヘビー級選手権/10月10日、両国国技館)
天山広吉vs小島聡(G1クラマックス公式戦/8月14日、両国国技館)
武藤敬司&小橋建太vs飯塚高史&矢野通(ALL TOGETHER/8月27日、日本武道館)
◎殊勲賞=中邑真輔
◎敢闘賞=アンチエイジングス(永田裕志、秋山準)
◎技能賞=カール・アンダーソン
◎最優秀タッグチーム賞=APOLLO55(プリンス・デヴィット&田口隆祐)
※他のノミネート
関本大介&岡林裕二
バッドインテンションズ(ジャイアント・バーナード&カール・アンダーソン)
◎新人賞=橋本大地(満票)
◎ベスト興行=新日本プロレス/2・20宮城・仙台サンプラザホール大会
※次点=ZERO1/3・6両国国技館大会
1人で決めておいて”満票”もなにもないのだが(笑)、
MVPと新人賞に関しては、それほど文句なしの結果だということ。
殊勲賞の中邑は、もし9月の神戸大会で棚橋を破り、IWGPを奪取していれば、
逆転MVPも可能だったろう。
それほどG1初制覇における試合内容の濃さが突出していた。
MVP戦、小島戦、後藤戦、アンダーソン戦、天山戦、鈴木戦、内藤との優勝戦と、
中邑再生工場は、まさに名勝負製造工場と化していた。
限りなくMVPと技能賞に近い、殊勲賞といった趣き。
敢闘賞は、奇しくも全日本プロレス『チャンピオン・カーニバル』で
再会を果たしたライバル、盟友のダブル受賞。
永田がC・カーニバルを制覇すれば、負けじと秋山は三冠ヘビー王座を奪取。
その両雄が、8・30後楽園ホール(永田興行)ではタッグを結成し、
CHAOS最強コンビ(中邑&矢野)を堂々と撃破した試合も素晴らしい内容。
理想のライバル関係とは、この2人のような関係を指して言うのではないか?
そういう思いを一層強くした。
技能賞は、カール・アンダーソンで文句なし。
こんな上手い選手はちょっと見当たらない。
これほど成長したガイジン選手も見たことがない。
すべての技が、受身が、ビシっビシっと決まる。
しかも、抜群のタイミングと最高のポジショニングで。
とにかく、米国WWEに引き抜かれないように、
新日本にはしっかりとチャドをプロテクトしてもらいたい!
ベストバウト候補は挙げようと思えば、いくらでも出てくるのだが、
ここはマニアックにTAKAみちのくvs外道のシングル初対決を選出。
ユニバーサルプロレス出身の先輩・後輩であり、
IWGPジュニアタッグ王座をめぐって火花を散らした両選手だが、
意外にもシングルでは初対戦。
レスラー生活19年にして、目標である外道超えを果たしたTAKAは大興奮。
飛ばないジュニア。
レスリング勝負のジュニア。
切り返しに次ぐ切り返しの応酬……
まるで詰め将棋の様相。
これぞプロフェッショナル・レスリングという試合を観てゾクっとした。
この試合を生でしっかり観戦できたファンは幸せだと思う。
舞台設定、注目度では、まったく他のノミネート試合には及ばないが、
TAKAvs外道による10分01秒の試合はしっかりと私の脳裏に刻まれた。
タッグチーム賞は、3チームとも甲乙つけがたい。
3チームが直接対決でもすればイチバンいいのだろうが、そうもいかない。
となると、もうベルトの有無に関わらず、
昨年より機動力、力強さともにアップしたAPOLLO55を押したい。
彼らの試合にはハズレがないからだ。
ベスト興行は、新日本の2・20仙台大会。
リングサイドを幾重にも取り囲んだファンの波。
感謝と感動の涙を流した王者・棚橋。
その後、満面の笑みを浮かべ、ファンと抱擁しハイタッチを交わしていく。
あの日、あの瞬間から、棚橋弘至のストーリーが始まった。
その20日後、東日本を襲った悲劇、東日本大震災。
私個人にとっても、忘れられない大会となった。
ZERO1の10周年興行となった3・6両国も素晴らしい大会だった。
無謀と言われながら社運をかけて臨んだ大谷晋二郎率いるZERO1。
当日、満員に埋まった国技館。
「生涯志高く、今が奇跡なり」
プロレスの教科書1ページ目に記されている通り、
大谷とZERO1が奇跡を起こした。
今年はあまり放送席で泣くこともなかったのだが、
この大会のメイン終了後だけは涙が滲んできた。
というわけで、異論・反論もいっぱいあるだろうが、
これが私個人が勝手に選ぶ『2011ときめきプロレス大賞』の結果。
さて、ファンの皆さんは、どんな選手を、どの試合を選出しますか!?