9日、ディファ有明で開催された新日本プロレス
『J SPORTS CROWN』~ドリームマッチ~に、
とんでもない男が出現した。
この大会は、J SPORTS生中継ということで、
ヘビー級、ジュニアヘビー級それぞれに人気投票を行ない、
投票1位同士、2位同士、3位同士が階級を超えて対戦するという企画がテーマ。
さらに、ある意味注目なのは、人気最下位同士の
ワーストドリームマッチ(?)も組まれたこと。
そこで当然のように選出されたのが、ヒデオ・サイト―とタイチ。
ところが、ヒデオ・サイト―はあのむさ苦しいコスチュームではなく、
アメコミの人気キャラである”キャプテン・アメリカ”を明らかにパクった
”キャプテン・ニュージャパン”としてリングイン。
尾崎リングアナに「ヒデオ・サイト―」とコールされると、
「私はキャプテン・ニュージャパンだ!」とコールのやり直しを要求。
それを見て、笑いが止まらないタイチ。
たまたま私の横でその光景を見ていた菅林直樹社長も、
苦笑いを通り越して呆れ顔。
「金沢さん、どこまでいっちゃうんでしょうかねえ、アイツは…」
ところが、このキャプテン・ニュージャパンは威風堂々。
「何がおかしいんだ? 私はスーパーヒ―ローだ。早く来たまえ!」
そうタイチを一喝すると、
クリーンファイトに終始。
アマレス流の飛行機投げを始め、レスリングの実力派であった
平澤光秀を彷彿させるマットレスリングを披露したかと思えば、
エクスプロイダ―、ヒラボトムとテクニックを駆使する。
いつの間にか、会場は”キャプテン・コール”に包まれる。
この珍現象に、今度は菅林社長も戸惑い顔…。
ところが終始クリーンファイトながら、
なぜかフィニッシュ技は、カリビアン・デスグリップ。
勝ち誇る自称スーパーヒーロー。
あ、そういえば、思い当たる節があった。
12・4名古屋大会のタッグマッチ(テンコジvs飯塚高史&ヒデオ)で、
飯塚のアイアンフィンガー・フロムヘルを奪い取って、実質上、
仲間割れの原因を作ったヒデオは、飯塚、矢野通、石井智宏にリング上で制裁され
CHAOSを追放された。
その後、幼児化したヒデオは泣きながらこう訴えている。
「もう苛められるのはイヤだよ。
ボクは本当は変身できるんだよー!
あのオジちゃんたち、もうイヤだよー」
つまり、本当に変身してしまったわけだ。
意気揚々と引き揚げてきたヒデオ……いや、キャプテン・ニュージャパン。
「どうだ、私は悪いことをするやつは絶対に許さない。
オレはスーパーヒーロー、キャプテン・ニュージャパンだ!
まだまだ悪いやつはいっぱいいる。
そういうやつを見つけたら、私はすぐに現れる!」
こう言い残すと控室へ、颯爽と消えていった。
うーむ、いつまでどこまで続くのか、平澤光秀…
いや、ヒデオ・サイト―……
いやいや、キャプテン・ニュージャパンの迷走ロード。
日本最大のメジャー団体にして、ストロングスタイルを旗印とする新日本マットにおいて、
ここまで真逆を突っ走るとは…反対に感心すらしてしまう。
キャプテン・ニュージャパンの明日は、どっちだ!?