街を歩いていると、なんとなく気になるものがある。
急いでいるときは通り過ぎてしまうのだが、
妙に気になって足を止めてしまうもの。
その典型が、この小僧の像。
正確に言うなら、小僧のブロンズ裸像なのだが、
なぜかいつも気の利いた衣装も身にまとっている。
この小僧は、地下鉄メトロ有楽町線・麹町駅の1番出口の目の前、
昭和通りに面した麹町4丁目の交差点にたたずんでいる。
上の写真は、2009年4月に携帯カメラで撮影したもの。
青いちゃんちゃんこを着ており、なぜか「いたずらしないでね」と注意を促す貼り紙付き。
いったい誰が、どんなイタズラをするというのか?
とにかく、小僧の銅像名は『夏の想い出』である。
これを最初に見たのは、10年ほど前のこと。
昔から、肩こりに悩んでいた私だが、『週刊ゴング』編集長に就任して以来、
不規則な生活のせいで、肩こり、首痛、腰痛と身体に相当ガタがきていた。
そこで、姉の紹介で通うようになったのが、麹町駅から徒歩3分ほどの
麹町鍼療センター。
ここに週イチで通うようになって、なんとか毎週の締め切り地獄を克服してきた。
ところが、そのプレッシャーともおさらばして、
私は昨年2月からスポーツジム通いを始めた。
ヨガ教室に参加したり、エアロバイクを漕いだり、
ランニングマシンを使って運動したりしているうちに、
いつの間にか健康体になったようで、鍼治療に通う回数も極端に少なくなった。
本当に、2カ月に1回行くかどうかで、先週17日には、
実に半年ぶりに治療院を訪れている。
そこで、久しぶりに出会った小僧は、随分と重装備をしていた。
普段はハッピを着ていたり、ちゃんちゃんこ、浴衣、
冬にはマフラーというのが小僧の定番。
小僧が持っているのは、どうやら釣り竿である。
初めて見たときは、短パンにランニングシャツ、さらに虫カゴを提げていた。
いわゆる典型的な子供スタイルなので、虫取り網を持っているのかと思ったが、
やはり釣り竿のようだ。
で、先だっての17日、久しぶりに会った小僧は、こんな衣装。
写真の通り、2年半前は工事中だったバックの背景にM銀行がある。
そこもまた時の流れを感じさせる。
というより、この小僧の格好は何を意味しているのか?
久しぶりに、人目をはばかることもなく携帯カメラでパシャり。
近づいて、よくよく見ると、こんな張り紙が付いていた。
そこで、今まで10年ほど通いながら、
一度も聞いたことのない小僧像の由来について、
治療院の先生に尋ねてみた。
「ああ、あの銅像ができたのは15年ぐらい前かな?
ここら辺の地域開発計画で道路工事が終わったら、あそこに居たんだよね。
今はちょうど、防災週間だから消防士みたいな格好をしているんじゃないのかな?」
なぁ~るほど。
そこでネットで調べてみると、確かに小僧は不思議な小像として
ネットでも結構な人気者だった。
この衣装は、大妻女子大学の『服部』のメンバーたちが、
火災予防週間に合わせ、本物ソックリのミニ消防服を製作し小僧に着せたとのこと。
小僧も、いろいろ大変だなあ(笑)。
でも、まあ一応、街の人気者ってところなのかもしれない。
皆さんも、麹町駅周辺を通ることがあったら、
ぜひ小僧のコスプレを見てやってほしい。
ただ、くれぐれもイタズラはしないようにね!