11月6日、午後3時から東京・ベルサ―ル六本木で

ZERO1のテレビマッチ(サムライTV)を収録した。


この日の主役は、引退を目前に控えた澤宗紀と日高郁人の”相棒タッグ”最終回。

日高いわく「右京さんの相棒は変わったけれど、オレの相棒は澤が最初で最後です!」。

なんとも泣かせるセリフではないか?


右京さんとは、もちろん人気テレビドラマ『相棒』の主役である水谷豊演じる杉下右京のこと。

そういうわけで、前日夜、私はTSUTAYAで借りてきた劇場版『相棒Ⅱ』をしっかりと観て、

この本番に備えてきた(笑)。

正直、とくに意味はなかったけれど…その心意気を買ってほしい(誰にだよ!?)。


ところが、それ以前に、もう一つのメインイベントが待っていた。

ランジェリー武藤の引退試合である。

ランジェリー武藤とは、もちろん澤の化身である。


まあ、ランジェリーに関しては今さら説明の必要もないだろう。

とにかく”アホンダラ”な変態キャラであり(笑)、

そのム―ブは本家・武藤敬司がビックリするほど酷似している。


キャッチフレーズは、閃光魔術ならぬ、万光魔術!

どんな攻撃を食らっても、どんな攻めを見せても、なぜか膝にダメ―ジを負ってしまう。

そして、デビュー以来、必ずチャレンジしてきたムーンサルトプレスはすべて未遂に終わっている。

いまだかつて、ムーンサルトを決めた試しがない。

本当に呆れるほどのキャラなのだが、私はこのランジェリー武藤が大好きだ。


というわけで、記念すべき引退試合の相手は、いま人気絶頂の世Ⅳ虎(スターダム)。

世Ⅳ虎と書いて、「よしこ」と読む。

ル―キ―ながら、そのヤンキーキャラが大受けしており、実力もある。

下写真は、世Ⅳ虎にスペースローリング・エルボーを決めて、LOVEポーズを決めるランジェリー。

                     

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しかし、世Ⅳ虎のパワフルな反撃にタジタジとなるランジェリー。



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その窮地を見かねて、なんとDDTで活躍する小学生レスラー、ミスター6号が

マスクに水玉模様の可愛いブラジャーを付けて救出に入った。


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ところが、ヤンキ―は子どもにも容赦なし。

この直後、ミスター6号を場外へ放り出し、ダイビング・セント―ンでランジェリーを沈めた。


敗れたランジェリーが、約6年にわたる選手生活に別れを告げる。

まずは、ビジョンに本家・武藤敬司が登場し、

「今まで使ったオレの入場曲、シャイニング・ウィザ―ドをはじめオレの技の数々、

ぜんぶ数えてあるから、ロイヤリティー払うように!」

と、身も蓋もないメッセージ。


そして、10カウントゴングならぬ、10カウントシンバルが打ち鳴らされる。

ちなみに、なぜシンバルかというと、

ランジェリーの場合、自分でシンバルを鳴らしてからの入場が恒例行事となっているから。


シンバルが一回鳴るたびに、身にまとっているブラジャーを

1枚1枚脱ぎ去っていくランジェリー。

だが、あまりに時間がかかるというので、後半はシンバルの連打。

それに、慌てふためくランジェリー武藤。


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そして、最後は「赤コーナー、万光魔術! ランジェリー武藤~!!」という

オッキー(沖田リングアナ)のコールとともに、客席から色とりどりのブラジャーが

何十枚とリングに投げ入れられた。


もう、呆れてものが言えないほどに面白かった。

かつて、これほど感動も涙もない引退セレモニーがあっただろうか?


さよなら、ランジェリー。

ただただ、放送席で爆笑していた私だが、やっぱり今となっては淋しい。

なぜなら、ここまでバカをやれる選手はそうそういないからだ。
しかも、この変態レスラー、素顔では実力派なのだから、余計に素晴らしい。


そして、メインイベントを飾ったのが、最後の相棒タッグ結成試合。

日高郁人&澤宗紀vs大谷晋二郎&橋本大地。

私は密かに予感していた。

ここで、大地が最高の恩返しを見せるのではないか?

つまり、大地が自力でのプロ初勝利をあげて、澤を送り出すのではないかと。


しかし、現実的には甘かった。

相棒タッグの3年間、2人が初めて出会ってからの13年の歳月は重い。

もちろん、大谷も大地も全力で澤を倒しにいった。

大谷の背中は輝いているようでもあり、泣いているようでもあった。


よくよく考えてみると、澤のキャッチフレーズである

「やり過ぎぐらいがちょうどいい」の元祖は、大谷だと思う。

新日本ジュニア時代の大谷晋二郎はいつだって

やり過ぎぐらいな試合をしていたではないか?


ラストは、大地を捉えた澤が万感の思いを込めた”お卍固め”で締めた。

日高はZERO1ジュニアのエースであり、

大谷、田中将斗と並ぶ団体の3本柱でもある。


その日高が、こう言っている。

「相棒タッグは、ボクが澤をリードしているんじゃなくて、

ボクが澤に引っ張られているんですよ!」


その通りだと思う。

ハチャメチャながら、リングに命を懸けてきた澤の破天荒な生き方。

一方、真面目な努力家で、礼節をわきまえた常識人である日高。

その日高が澤とタッグを組むことによって変化してきた。


もう無理やり澤に影響されて(笑)、今までの自分にはない引き出しを持つようになったのだ。

得意の蹴りがよりハードになったのも澤と組み始めた頃からだったし、

その反対に時としてお茶目な部分が出るようになったのも澤の影響だろう。


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相棒コンビ、これにて完結。

そして本日、澤宗紀の引退試合。

後楽園ホールのメインイベント。

もちろん、相手は日高郁人だ!