絶対に仕事場で欠かせないもの…

つまり現場取材やテレビ解説の際に必ず持参しているものが、

ボールペンと資料の入ったクリアファイルだ。


近年、取材ノートというものは持たなくなった。

というのも、週刊誌(紙)記者時代のように、

試合の展開を事細かにメモしたり、選手のコメントを速筆でメモる必要もなくなったから。


「オッ!?」と思ったときなどは、対戦カード表の空欄部分にメモしておけばいい。

なぜなら、細かい試合展開から、選手たちのコメントに至るまで、

各団体のオフィシャル・ウェブサイトや、その他の携帯サイトがほぼ網羅しているから。


自分の観た、あるいは聞いた記憶を大切に頭にインプットしておいて、

あとでアップされた各媒体の詳細と照らし合わせ確認すればOK。


だから、単独インタビューでもしない限り、

ICレコーダー(昔はカセットテレコ)を持参することも滅多になくなった。

反対に、以前との違いはブログ用に常にデジカメを携帯していること。


ただ、遡ってみると、『週刊ファイト』時代(1986年~1989年)の約3年半、

私は常時、コンパクトカメラを持って取材にあたっていた。

ファイトは人員が少ないから、ビッグマッチではない限り、

記者=1~2名、カメラマン=1名が基本である。


そうなると、試合後の選手の様子などをカメラマンが1人でカバーするのは難しい。

だから、記者ももう一人のカメラマンである必要に迫られるのだ。

それを思うと、今の自分は原点に還ったと言っていいのかもしれない。


試合を控え、ただならぬ緊張感を醸し出すレスラーの様子や、

試合後のコメント中に突然表情が変わったシーンなどをカメラに収めるのは、

実にやりがいがあるし、おもしろい作業だ。


話のついでに、また横道にそれてみたい。

たとえば、試合後の選手を囲んでコメントをとる場合、

週刊誌や携帯サイトなどの記者は必ずICレコーダーで録音する。

これは、”正確さ”と”全て”を求められているから。


一方、新聞記者の場合、レコーダーを使うことはまずない。

今も昔も、筆記によるメモである。

新聞記者は締め切り時間とも戦っているから、

いちいち録音したテープをおこして確認している暇はない。

肝心な部分をメモして、押さえておけばいいからだ。


そこで、これは私見であり、もしかしたら、とんだ見当違いなのかもしれないが、

取材対象のコメントをとる際に、一番最初にカセットテレコを利用したのは、

プロレス・マスコミなのではないか!?ということ。


テレビのニュース番組を観ていれば分かる通り、

政治家を囲んでコメントを聞く記者団は、

ほとんどICレコーダーを突きだしている。


ただし、こういった光景が日常で見られるようになったのは、ここ最近だと思う。

たとえば10年ほど前の政治記者たちは、

みんな手書きでメモをとっていたと記憶しているのだ。。


そこで私が知る限り、単独インタビューではなく、試合後のコメントまで

カセットテレコで録音していた人間を初めて見たのが、1986年の秋口。

その人物は、『週刊プロレス』の安西伸一記者だった。


当時は、安西記者のその行為を周囲は不思議そうな目で見ていた。

「なにも試合後のコメントまで録音することはないだろう!」という感覚である。


しかし、80年代後半になると、週刊誌(紙)系のプロレス・マスコミは

ほとんどカセットテレコ、またはマイクロカセットを携帯するようになった。

正確さと証拠が重要視されるようになったのだ。


選手たちが自己主張するようになってきたということ。

それに、週プロが正確性と完全収録で勝負してくるなら、

『週刊ゴング』も『週刊ファイト』も、そこに追随しないわけにはいかないだろう。


言葉の大切さ、影響力という観点でいくと、

もしかしたらプロレスというジャンルは、政治に匹敵するのかもしれない。

少なくとも、他のスポーツ、競技とはその点で一線を画していると思う。


先述した安西記者とは、ひとつ思い出がある。

その日は、全日本プロレスの地方大会。

シリーズ開幕戦の小山ゆうえんちスケートセンターだった。


私は、ファイト記者だから、すべての団体を取材していたが、

安西記者は主に新日本プロレスを担当していた。

試合前に、安西記者が話しかけてきた。


「天龍さんに話を聞きたいんだけど、オレ初対面だから紹介してくれないかな?

あと金沢くん、申しわけないけど、カセット忘れてきちゃったんで貸してもらえない?」


ちょっと困ったものだなあと思いつつも(笑)、

安西記者は憎めない性格なのでテレコを貸し、

天龍のところへ出向き、挨拶を交わしてから一緒に話を聞いた。


これがとんでもない事態へとつながる。

大袈裟ではなく、そこで歴史に残るコメントが飛びだしてきたのだ。

1987年5月16日、長州力が全日本マットを離れた直後のことだった。


「オレはね、今こそジャンボ(鶴田)や輪島と闘いたいんだ!」


天龍革命への第一声がそのとき飛び出したのである。

しかも同じ控室には、距離は離れていても鶴田さんもいれば、輪島さんもいた。

そちらをチラッと見やりながら、天龍源一郎はブチ上げた。


もちろん、週プロはこのコメントの一部始終を大々的に報道した。

私のほうは安西記者にカセットテープを渡してしまったから、

メモによって『週刊ファイト』で軽めの報道(笑)。


とにかく、天龍革命への第一声は、私のカセットテレコに録音されたということ。

まあ、どういう理由であれ、これは安西記者の勝利である。

生来の不器用さゆえに、カセットテレコに頼っていた安西記者が、

結局、時代を先取りする格好となったわけだ。


もちろん、この出来事がカセットテレコの重要性をさらに知らしめてくれた。

いまでは、どんなジャンルでも必要不可欠な道具となったレコーダー。

それが仮にプロレスの取材からスタートしたものだとすれば、

それはそれで誇らしい話ではないか?


……と、やはりというべきか、思った通り、

私の文章はブログのタイトルとは無縁の方向へと走り出した。

そこで、ようやく本題に戻してみたい。


そう、クリアファイルだ。

私が現場取材、テレビ解説などを行なう際に必要不可欠な三種の神器!?

ボールペン、デジカメ、クリアファイル。


ここ最近は、個性的でおもしろいクリアファイルを使っている。

表面に写真や絵があるから、まったくクリアではないのだけれど(笑)、

他人に資料を覗かれないという点では、こちらのほうが有用性があるのかもしれない。


金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba


まず、これは見たまま。

『東京スポーツ』の一面記事を表紙にした非売品の東スポ・クリアファイル。

今年の1・4東京ドーム大会で、東スポの柴田惣一さんからいただいた。


もう、これぞ東スポの真髄という感じの傑作だろう!

商品化しても充分にいけるのではないか?

マスコミ関係でも、このファイルを愛用している人を時々見かけるほどの人気。


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こちらも、見た目はスゴイ!

魚譜431選と記載されているように、表裏あわせて431の魚が綺麗に描かれている。

私は普通に使っているのだが、釣り好きには堪らない一品らしい。

ちなみに、これはニッスイ(日本水産株式会社)が作成した非売品。


なぜ、私が持っているのかというと、

私の身内にニッスイの社員がいるから(笑)。


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最後に、紹介するのは、ZERO1のクリアファイル2枚組。

どちらかというと、泥臭いイメージのあるZERO1なのだが(失礼!)、

この写真は厳選されていて、みんなカッコいい。


ただし、唯一の欠点はZERO1以外の団体の会場では堂々と持ち歩けないこと(笑)。

これは10・2靖国大会の会場で、オッキー(沖田佳也リングアナウンサー)から

特別にいただいた。


こちらは、商品なので手に入る。

ぜひ、ZERO1の会場で購入してもらいたい。

いやあ、本当にいい写真だと思う。


というわけで、結論。

私のマイブームといえば、クリアファイルなのです、以上!