それにしても、異名であるとか、技名などの話になると、みんな盛り上がるなあ(笑)
本来は、一回読み切りのつもりで書いたのだけれど、これは続きが必要かなと。
まず、私自身もハッキリ覚えていない「スワンダイブ式××」の命名だが、
エディ・ゲレロの初来日が、1992年4月の『トップ・オブ・ザ・スーパージュニアⅢ』。
その来日第1戦がスーパージュニア公式戦で、相手はなんとネグロ・カサス。
のちに、ルチャの世界が生んだ重鎮となる2選手が、
新日本マットで相まみえていたわけだ。
結果はカサスが本家ラ・マヒストラルで勝利を奪っているが、
後楽園ホールを大爆発させたのは、天才・エディの空中戦。
当時の『週刊ゴング』を確認してみると、
エディがトップロープをスプリングボードにしてプランチャを放っている写真が掲載されていた。
その写真のキャプションには、
「ゲレロのスワンダイブ式プランチャ・スイシ―ダが爆発!」と記されている。
しかも、リポートを読んでみると、私の文章だった。
ここで、もう一つの疑問。
読者の方のご指摘どおり、確かに1991年3月31日、
SWSの東京ドーム大会でデビューした維新力(浩二)が、
よくスワンダイブ式で飛んでいたと記憶している。
実は、このデビュー戦(谷津嘉章&維新力vsザ・バーバリアン&ジミー・スヌーカ)の
試合リポートを担当したのも私。
ところが、当時の『週刊ゴング』がちよっと見当たらない(苦笑)。
ただし、ハッキリと覚えているのは、自分がカラ―グラビアに付けた見出し。
「飛んだ!跳んだ!翔んだ! 維新力はプロレスの申し子だ!!」
91年当時にしては、けっこうナウい(※超死語!)見出しではないかな?
だから、覚えているのだが、3連発の空中弾を指している「とんだ!」の中に、
スワンダイブ式もあったように記憶している。
もし、そのグラビアで「スワンダイブ式××」と書いていたとしたら、
前回のブログにおける私と清水勉編集長(当時)の会話は、
その維新力のデビュー戦のあとに交わした話となるのかもしれない。
いやあ、じつに申しわけない。
さすがに、20年近く前の話だけに、記憶がバチッと戻ってこないのだ。
このエピソードは、宿題とさせてもらいたい。
また、「タイガ―マスクがブレット・ハートに放った1発が№1」というコメントも
大いにうなずける。
1982年2月5日、札幌中島体育センターで行なわれた
WWF認定ジュニアヘビー級選手権。
初代タイガ―マスクの2度目の防衛戦。
挑戦者は、当時ダイヤモンドの原石だったブレット・ハート。
厳密にはスワンダイブ式の原型のようなミサイルキックだったが、
跳躍力、角度、飛距離、タイミング、破壊力とパーフェクトな1発。
それを食らったブレットも見事というしかない。
まさに、プロレス史に残るミサイルキックだったと思う。
その他、みなさんのコメントの中で、私も爆笑してしまったのが、
ト―ト―ミさん推薦の「狂乱のよいやさ」(若松マネージャー)。
そういえば、あったなあ!
まるで言葉の洪水のごとく、時に文学的に、時に世相を睨んで、
また歴史を遡って比喩したり、異名を付ける古舘伊知郎節は、
今でも”さすが!”と思わせるものが多い。
それでは、昭和~平成にかけての印象深いプロレスラーのキャッチフレーズを
ズラリと並べてみたい。
ところどころに、思い出の古舘節も入れてみる。
◎昭和
ジャイアント馬場=日本が誇る世界の巨人、東洋の巨人
アントニオ猪木=若獅子、燃える闘魂
坂口征二=世界の荒鷲
ストロング小林=怒濤の怪力
藤波辰爾=炎の飛龍
長州力=革命戦士
天龍源一郎=風雲昇り龍、ミスタープロレス(※元はハ―リー・レイス)
ラッシャー木村=金網の鬼
アニマル浜口=闘将
グレート・カブキ=東洋の神秘
ル―・テ―ズ=鉄人
カール・ゴッチ=プロレスの神様
フレッド・ブラッシ―=銀髪鬼
ザ・デストロイヤー=白覆面の魔王
ボボ・ブラジル=黒い魔神
ハンス・シュミット=地獄の料理人
ディック・ザ・ブルーザー=生傷男
クラッシャー・リソワスキー=粉砕者
マッドドッグ・バション=○違い○(※今は完全禁止用語)
キラー・コワルスキー=殺人狂、耳そぎ男
ブルーノ・サンマルチノ=人間発電所
フリッツ・ファン・エリック=鉄の爪
ジン・キニスキー=カナダの荒法師
ペドロ・モラレス=ラテンの魔豹
ダニー・ホッジ=鳥人
アントニオ・ロッカ=鳥人
エドワード・カーペンティア=マットの魔術師
ミル・マスカラス=悪魔仮面→千の顔を持つ男→仮面貴族
ザ・シーク=アラビアの怪人
アブド―ラ・ザ・ブッチャー=黒い呪術師
タイガ―・ジェット・シン=インドの狂える虎、狂虎
テリー・ファンク=テキサスの荒馬
ビル・ロビンソン=人間風車
◎昭和~平成
アンドレ・ザ・ジャイアント=大巨人、人間山脈、ひとり民族大移動(※古舘節)
ブルーザー・ブロディ=超獣、インテリジェンス・モンスター(※古舘節)
スタン・ハンセン=首折り男→不沈艦→ビッグテキサン
ドリー・ファンク・ジュニア=ビッグテキサン
ハルク・ホーガン=超人、現代に甦ったネプチューン(※古舘節)
ビッグバン・ベイダ―=皇帝戦士
バンバン・ビガロ=入れ墨獣
ロード・ウォリアーズ=暴走戦士
ショ―グン・KYワカマツ=悪の正太郎君(※古舘節)
前田日明=新格闘王、黒髪のロベスピエール(※古舘節)
藤原喜明=関節技の鬼、顔面達磨大師(※古舘節)、UWFのカダフィ大佐(※古舘節)
高田延彦=UWFのジェームス・ディーン、地獄のタップダンサー、
わがままな膝小僧(※すべて古舘節)
山崎一夫=UWFの青年将校(※古舘節)
◎平成
橋本真也=破壊王
越中詩郎=ド演歌ファイター(※辻義就節)
小川直也=暴走王
大仁田厚=邪道、涙のカリスマ
小橋建太=剛腕
小島聡=豪腕
中西学=野人
天山広吉=猛牛
藤田和之=凄玉→野獣→リアルビースト
高山善廣=ノ―フィアー→プロレス界の帝王
蝶野正洋=熱血バタフライ→黒のカリスマ
スコット・ノートン=怪豪→超竜
反選手会同盟→平成維震軍
鈴木みのる=世界一性格の悪い男
永田裕志=ブルージャスティス
棚橋弘至=100年に1人の逸材
後藤洋央紀=荒武者
真壁刀義=暴走キングコング
飯伏幸太=ゴールデンボーイ
中西&ストロングマン=(日墨)マッスルオーケストラ
いやあ、長い、疲れた(笑)。
それにしても、やはり軽く記憶を辿ってみても、古舘節のインパクトは凄まじい。
前田日明=黒髪のロベスピエールなんて、
最初はなんのことだか、さっぱり分からなかった。
みなさんも、どうそ辞書なりインターネットで調べてほしい。
世界史の勉強になるので(笑)。
最後に、私が一番好きなニックネームは、
やはり「人間発電所」で、二番目となると「地獄の料理人」。
地獄の料理人なんて、どんな人なのかさっぱり分からんが、
もの凄く怖そう。
じつは、この異名を持つハンス・シュミットは、その名の通り、
シュミット式(流)バックブリーカーの創始者で、晩年、新日本マットにも来日している。
また、若き日の馬場さんが、ニューヨークをサーキットしている時代、
殿堂MSG(マジソン・スクェア・ガーデン)で、馬場さんと対戦もしている名選手なのです。