梅雨時期らしいジメジメの毎日が続きますね。
夏バテしていませんか?エアコンでお風邪など引かれていませんか?
さて、本日は、これからの季節に最高においしい「茗荷(みょうが)」についての面白いお話をしたいと思います。
古くから、「茗荷を食べると物忘れをする」って言われているのをご存じでしょうか?
このお話の由来は、お釈迦様のお弟子さんで、周利槃特(しゅりはんどく)さんという、物忘れの名人からきていると言われています。
なんと自分の名前も覚えられないほどだったそうです。
その槃特さんが亡くなり、墓から茗荷が生えたという言い伝えから、「茗荷を食べると物忘れする」という俗話が生まれたそうです。
でも、実はもう少し趣の異なるお話があるようなのです。
茗荷の名前の由来となった槃特さんですが、とても優秀な兄と共にお釈迦様に弟子入りをしたそうです。
托鉢に出かけても、なかなかお釈迦様の弟子とは認めて貰えず、乞食坊主扱いをされ、お布施を頂くこともできなかったそうです。
そこで、お釈迦様が憐み、「周利槃特(しゅりはんどく)」と書いたのぼりを作って、「明日からこれを持って托鉢に行きなさい。もし名前を尋ねられたら、これでございます。とのぼりを指差しなさい。」と言われたそうです。
次の日から托鉢の時にはのぼりを背負っていくと、人々はお釈迦様が書かれたのぼりを有難がり、たくさんのお布施を頂くことが出来るようになったそうです。
また、周利槃特(しゅりはんどく)は、朝覚えたことを昼には忘れてしまう自分の愚かさに涙を流して途方に暮れていたそうです。
それを見たお釈迦様は、「自分が愚かであると気づいている人は、知恵のある人です。自分の愚かさを気づかないのが、本当の愚か者です」と言われ、ほうきを渡して、「ちりを払わん、あかを除かん」と唱えて掃除をしなさいと教えたそうです。
毎日毎日、雨の日も、風の日も、暑い日も、寒い日も「ちりを払わん、あかを除かん」と唱えながら掃除をし続けたそうです。
実に20年間も・・・。
やがて、彼のことを誰も愚か者とは呼ばなくなり、「ほうきの周利槃特(しゅりはんどく)」と呼ばれるようになったそうです。
そして、何十年も経ち、周利槃特(しゅりはんどく)は、自分の心のちりやあかをすべて取り除き、阿羅漢と呼ばれる聖者の位にまでなったそうです。
お釈迦様は、「悟りを開くということは、決してたくさんのことを覚えることではない。わずかなことでも徹底すれば良いのである。周利槃特(しゅりはんどく)は、徹底して掃除をすることでついに悟りを開いたではないか。」と大衆の前でお話されたそうです。
その後、周利槃特(しゅりはんどく)が亡くなり、彼のお墓にはあまり見たことがない草が生えてきた。彼がその名前を「背」に荷(にな)って努力をし続けたことから、この草は、「茗荷」と名付けられたそうです。
そしてそして、周利槃特(しゅりはんどく)は、天才バカボンのレレレのおじさんのモデルになった方とも言われています!!!
天才バカボンは、赤塚不二夫さんが書かれた漫画ですが、「バカボン」とは、仏教用語で「お釈迦様」の敬称であり、サンスクリット語の「Bhagavan(バガヴァーン)」と言い、「Buddha(仏陀・ブッダ)」と同義語になります。
漢字では、「婆伽梵」と書きます。
天才バカボンのバカボンとは、「お釈迦様」だったのです!!!
バカボンのパパの言葉ー「これでいいのだ」は、ある意味、”あるがままを受け入れる”という仏教の教え(悟り)の境地を表しています。
世の中には、自分自身ではどうしようもできないことがたくさんあります。
それこそが、仏教で言う「苦」です。
「苦」とは、「苦しい」という考えになりがちですが、「思うようにならない」=「苦」となります。
「これでいいのだ」というバカボンのパパの言葉には、「一切皆苦」であるとこの世を認識し、起こったことを前向きに解釈して生きる姿勢を教えてくれているのですね。
ある時、周利槃特(しゅりはんどく)は、何年も朝から晩までちり一つなくなるほどに徹底的に掃除をしてきたのに、翌日にはもうちりがうっすらと積もっていることに気づきました。
おかしいな~と思いつつ、その日もまた徹底的に掃除をしたそうです。
でも、翌日にはまた、うっすらとちりが積もっている。
ある日、太陽に照らされて空気中のちりのひとつひとつがはっきりと見えたそうです。
そして、「ああ、ちりはなくならないんだ・・・。」と気付いた時、「ちりもあかも自分のことであった。自分の欲望というものは払っても払っても、次から次に積もってくるものなのだ」と、お釈迦様の「ちりを払わん、あかを除かん」と言葉の真意に気づいたそうです。
何だか、とても趣のあるお話だと思いませんか?
そして、天才バカボンは、お釈迦様や周利槃特の登場する漫画だったのですね。すごい方ですね。
世の中、いろんな出来事が起こりますが・・・。
「これでいいのだ」
「おでかけですか~?れれれのれ~」