宮田現芸術監督(以下宮)
センター試験二日目若者がくるしんでいる間に
我々(年長者)はここで 笑
小川さんのことはニューヨークから日本に
拠点を移された直後の日暮里 d-倉庫で
演出された(アレクシ・ケイ・キャンベル作)
『プライド』(2011年)から拝見しています。
新国立劇場ではTry・Angle若手演出家たちに
よるシリーズ(三十代の若い演出家たちによる
新シリーズ「Try・Angle ─三人の演出家の視点
─」「OPUS/作品」。)と
シリーズ「二人芝居 ─対話する力─」
(ニック・ペイン作『星ノ数ホド』)、
30代の演出家たちが近代演劇の名作に挑む
シリーズ企画「かさなる視点―日本戯曲の力―」
(田中千禾夫作『マリアの首』)を演出
されました。
※作品名等詳細を加筆しました
経歴と方針に挙げられた3本の柱については
のちほどお伺いします。
歴代最年少の芸術監督(30代での就任に
なられます)
小川新芸術監督(以下小)
10/2で40歳になります。
宮 よかったねー。40代。笑
(小川さんとは)21違う。わたしは今年61に
なります。新国立劇場には私の50代を返せと
言っている。(冗談ですよ) 笑
就任当初は自分が最年少でした。
(就任当初は1期3年だったのが就任期間中に
1期4年に変わり、2期8年務められました。)
小 最先端を走っている監督が務めるのはいい
ことだと思います。
宮 芸術監督のオファーを受けたのは?
小 2年ほど前です。
(作品名は不明)打ち合わせで来た時に
プロデューサーから理事長が話があるから
打ち合わせは長めになると聞いて(自分が)
何かしたかなと(話を聞いたときは)「はぇ?」と
思った。理解できるのに時間がかかった。
(演出家仲間でも次期監督がどなたになるのか
という話題はあった)
フリーランスの人間にとってはどなたが
芸術監督に就任されるかは死活問題。
経済的な問題。とりあえず仕事がくればいいなと。
自分事とは思ってなかった。
びっくり以外に言い表すことができなかった。
宮 (宮田さんと小川さん)この間に20年分の
演出家がいるから小川さん世代の演出家は
もうちょっと年上なのではないかと思っていたん
じゃないかな。
小 直観的なものなので…
3週間で決めてくださいと言われた。
受けたあと(同年代の演出家に)よく受けたねと
言われて「あれ。そうなのかな。」と。
宮 芸術監督の主な役割として
基本方針を明らかにすることと一番の役割として
年間のラインアップを決めていくこと。
2年前にはラインアップをスタッフ・出演者を
決めなくてはならない。
- スタッフさんからおふたりに15:30までとメモが
貼られた時計が運ばれて一同笑
宮 (宮田さんが芸術監督に就任されたときは)演劇
って何だろう。日本の演劇って何だろう。国立って、
芸術監督ってなんだろう。演劇と辞書で引いたこと
もある。
日本における芸術監督の制度は歴史が古くない。
他所も新国立劇場と同じくらい。
いまようやく劇場ごとに個性が出てきた。
小 (小川さんが芸術監督就任するにあたり)組織が
どういう組織なのか、1年くらいレクチャーを受けて
いた。組織の人は公務員なのかどうなのか、
どこが運営していて、お金の流れなど。
演劇・バレエ(ダンス)・オペラの三本柱を知って
分かることがわかった。
宮 (新国立劇場は)日本芸術文化振興会が設置し
(公益財団法人新国立劇場運営財団が委託を
受けて運営をしている)、国からの補助と企業・
スポンサーからの協賛金で運営されている。
多くの国民・お客さまにみていただいて、多くの
会社に賛同を得ている。
(誤解されている方がいるようで…)国からの
補助だけでなくコツコツ集めている。