グランツーリスモ(映画)
以前に比べると映画館に行く回数はかなり激減しましたが、定期的には行ってます。
しばらく映画について書いていませんでしたが、予想を超えた良作だったので久しぶりに紹介することにしました。
「グランツーリスモ」
自動車レースの映画です。
タイトルロゴマークからも見てわかる通りプレイステーションのドライビングシミュレーターシリーズの「グランツーリスモ」が題材。
といってもテレビゲームの話ではなく、レーシングゲームのトッププレイヤー(シムレーサー)をゲームで選出してリアルなレーシングドライバーとして育成するというお話。
しかし、こんな荒唐無稽なプロットなのですが実話ベース、
「GTアカデミー」というこの育成プログラムの企画を当時少し耳にしたことはあったのですが、その後の経過についてよく把握していませんでした。
また、このゲームシリーズ自体、一時期すごくはまっていて、プレステ2のグランツーリスモ3と4はかなりやり込んだということもあり、
予告映像を見てからずっと気になっていたタイトルでした。
GTアカデミーからプロのレーサーが輩出されたということも何かで知っていたのですが、
国際格式のレースで入賞者を出していたところまでは知りませんでした。
ラストのル・マン24時間耐久にいたってはこれはさすがに盛り過ぎ=フィクションだろうって展開なのですが、
この主人公のモデルとなったヤン・マーデンボローはリアルでも実際に3位入賞しています、
ただ、映画のように総合3位ではなくクラス(LMP2)3位なのですがそれでも凄いことです。
また作中でもカースタントをヤン氏本人が担当しています。
とにかくゲーム同様マシンだけでなく次々登場する実在のコースも見どころ、
ハンガロリンクにレッドブルリンクにホッケンハイムリンク、
最終決戦はル・マンサルテサーキット、
中でも個人的に推しはニュルブルクリンクのノルドシュライフェ、
昔のDTMやニュル24時間耐久などが好きで幾度と見てきた馴染みの風景(だが現地に行ったはない)
路面の落書きを見ただけで熱くなれました。
父親との確執と和解、仲間との友情、苦悩しながらも最後は勝利するという点では予定調和的でもあるのですが、それだけに泣ける映画になっていました。
また、実戦叩き上げの指導官(元レーサー)と実戦経験の無い訓練生(ゲーマー)たちという図式はトップガンマーヴェリックを思い起こされました、
才能に秀で当初は見下していた仲間が最後は認め合って共闘するという、
ルースターとハングマンのような関係性も再現されていて、ハリウッド的熱血展開満載です。
これまでにも「ラッシュ・プライドと友情」や「フォードvsフェラーリ」といったリアルなレースものはもともと好きなのですが、
ゲーム的な映像の見せ方など新規性も取り入れながら、リアルとのバランスが絶妙で映像世界に没入させられました。
前情報を入れずに見に行ったのですが、「第9地区」「エリジウム」「チャッピー」のニール・ブロムカンプ監督作品、
今回全然違う世界観ながらその色は出ていてちょっと納得してしまいました。
そして、グランツーリスモといえば「Moon Over The Castle」
作中で少しですが使われています。
流れた瞬間感動しましたが、ラスト付近クライマックスかエンディングでもう一回くらい使って欲しかったなとは思いました、もっと聴きたかった!
ということで、興味を持たれた方は是非劇場の大画面と大音響で。