★★★☆☆
冒頭から山中で道に迷った少年4人の内3人が何者かに斬殺される。
次に謎の少年、あっちゃん(亜希)、実矢、麻堵の意味不明な会話。
次に少年を捜しに来た若い女性が、少年に殺害されたような場面。
この時点では、すべてに少年が関わっているというだけで読者にはまだ点だけが提示されて、それらが線で繋がってないからまるで意味不明な状態から始まる。 これは小説にはよくある手法だが、度が過ぎると序盤からイラつく。
話が進んでいくと更に2人の人物が少年に殺害され、犯人は亜希ではないかと考えられるが、亜希は実矢と麻堵以外の誰の前にも姿を現さない。
この物語は、亜希の存在を、いかに読者に信じ込ませるかがポイントなのだが、作者が逆にやり過ぎてて実矢と麻堵の兄である亜希は、以前は実際にいたが今はもう存在しないと途中で何となく勘づいてしまう。
それなら実矢と麻堵の前に姿を現し3人で会話する亜希は何者なのかという点なのだが、それは実矢と麻堵の妄想による演技の会話とかいう真相ってなんだかなぁ。 そもそも少年が殺人を犯さなければならないほどの動機も妄想からってちょっと弱い気がする。
そして、大好きだった兄2人を亡くし最後に残された麻堵は、どれほど心に大きな損失を負って生きていくのだろうか。 そして、こんな夢と現実の間で生きているような少年が、このまま普通の大人になれるのだろうか。 本作はホラー寄りの悲しい物語で、それなりに面白い作品ではあるが、妄想ってのがなぁ・・・。
