私の小説レビューG

私の小説レビューG

私の読んだ小説の記録です

            

 

★★★☆☆

脳に銃弾を受け恐怖の感情を失った連邦保安官局特殊作戦群の元指揮官が、かつての上司の娘が行方不明になった事件を追う。

 

作戦行動に於いて優秀そうで、実は結構マヌケな主人公や話の設定、描写、展開が都合よく取って付けたようで、細かい所で辻褄が合ってなくてチグハグだったりする。 そして、敵方が主人公を始末する機会などいくらでもあるのに何故か何もしない。 この呆れたご都合主義には辟易する。

 

更に、ひとつのクライマックスで、せっかくの盛り上がりをぶった切って、長々とつまらない説明描写で水を注す作者の変な癖が作中に何回もある。 これでは、せっかく読み易い文章で話自体は凄く面白いのに台無しになってしまう。 つくづく下手な作者だなと思う。  

           

 

★★★

主人公の国土安全保障捜査局の女性連邦捜査官は、妹が連続殺人犯に襲われた事がキッカケで、旧知のセキュリティーに関する専門家の大学教授とコンビを組み、手首にクモの刺青のある連続殺人犯を追う事になる。

 

サスペンス・ミステリーは、犯人が分からないというものが多いと思うが、本作は最初から犯人一味が誰なのか分かっており、逃げる犯人と追う主人公ら両方の鬼ごっこ的な様相を描いている。

 

更に、こういったサスペンス・アクション物って主人公の権限、能力にハクをつけるために、やたら主人公の所属組織が仰々しいのには

ウンザリするし、今回の主人公は、話し方が初めは男言葉だったのが、後からは女言葉だったり一貫しないのも無駄に気に障る。

 

それと凄く気になったのが、犯人が自分の痕跡をDNAごと消すのに

酸素系漂白剤のスプレーを使用するが、部屋でも車内でも長時間そこに留まれば指紋以外にも毛髪や靴の底から落ちた物とか、周囲にいくらでも痕跡があるはずで、それをすべて完全に消せるなどできるはずがなく、そんなのジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムのシリーズで散々やってたはずなのに、何でこれまでの自らの作品を否定するのか意味が分からなかった。

 

これまでジェフリー・ディーヴァーの作品は何冊も読んできたけど、

どれも読み辛くてあまり面白くなかったが、本作はアイディアをジェフリー、文章を書いたのがイザベラなのか分からないが、割と読み易くてそこそこ面白かった。

                                                

 

★★★★

主人公女性の姉は、キーウエストの教会で牧師をしていたが、ある日謎の失踪をしてしまう。 警察から連絡を受けた妹は、キーウエストに居を移して姉の捜索を始める。

 

やがて悪魔崇拝の邪教者集団の闇に巻き込まれていくのだが、登場人物がそれほど多くなくて、話があっちこっちに飛躍する事もなく、最初から最後まで一本筋が通っていてブレがなく読み易く面白い。

 

ただ真犯人は、ミステリーの常套的に大方の読者が察しが付くだろうし、中盤からの終盤にかけての多少の中だるみ感がちょっと残念な所か。 それでもなかなかいい作品だった。

            螺旋墜落

 

★★★★

主人公女性の乗った旅客機は、午前0時に墜落し乗員乗客は全員死亡する。 しかし、女性が目を覚ますと時刻は午後11時01分で、旅客機は再び午前0時に墜落する。 そして、それを何度も繰り返すという 

謎で恐怖のタイムループに囚われてしまう。

そして、もう一人の主人公の、この旅客機を操縦するクルーの副操縦士は女性の息子だった。

 

旅客機の墜落を阻止できるのは主人公だけだが、墜落して目を覚ますたびに時間が進んでいて午前0時の墜落までに行動できる時間が少なくなっていく。 女性はタイムループから抜け出し墜落を防ぐ事ができるのか。

 

主人公のいい年をした息子に対する執着の強さ、そして、その息子のありえないほどの頭の悪さと、ファザコンから来る呆れるほどの幼児性に読んでいて気持ち悪過ぎてムカムカした。

このバカな息子のせいで最愛の母親と父親が斬殺される事になってしまう・・・。

 

なかなか面白い内容だが、息子の信じられないほどのバカさ加減に対する怒りと、何故に母親は自分の運命の時を何度もやり直せる特権が与えられているのか明確な説明がなく不明瞭でモヤモヤした。

                                               

 

★★★

夜の街、大阪ミナミで生きる人達を描いた2編つの短編集。

表題作の「夜の鳩」は、キャバレーの呼び込みをする40代の自称

イケメン男性の惨めなプライドと気怠い日常の悲哀を描いた作品。 主人公の男性の情けない哀れさと、互いに心に闇を持ち惹かれ合うチーママとのただれた関係も好きにはなれなかった。

 

「タイムカプセル」は、「地下の鳩」とは連作で、こちらは同じく

大阪ミナミのオカマバーのママ、ミミィが主人公になっている。

子供の頃に酷いイジメにあった辛い記憶からずっと逃れられずに生きてきたミミィ。 しかし、自分を守るために真面目に嘘をつき続けて一生懸命に必死に生きてきたミミィは立派かもしれない。