鎌倉の「やぐら群」は、古い寺の境内にあるものも多い。石仏の安置場所に利用されていたり、檀家墓地の一部であったりするが、おかげで比較的保存状態がよいのが特徴だ。ちょうど、めぼしい寺が5つになったので、「やぐら五山」と銘打って訪ねてみることにした。
シルエットは行程の標高(左の目盛り)。折れ線は歩行ペース(右の目盛り)。標準の速さを 100% として、区間平均速度で表している。横軸は、歩行距離。
「北鎌倉駅」西口を出てバス通りを鎌倉駅方向へ。 「明月院」バス停で右に入ると、まもなく「浄智寺」山門に出る。「浄智寺」は、1281年北条時宗の建立。もとは、円覚寺に匹敵する広大な伽藍を有していた。
門前にある「甘露の井」は、「鎌倉十井」の一つ。
見れば、門外の駐車場の奥にも「やぐら」がある。
「鐘楼門」↓。上層に、鎌倉時代 1340年銘の銅鐘がある。
「浄智寺」には、北側,西側 2か所に墓地があり、「やぐら」は、各墓地の背後の崖に掘られている。「鐘楼門」から入る前に、まず、北側の墓地の「やぐら」を見ておこう。小さな門をくぐって、書院・茶室のエリアに向かう。
これも「やぐら」のようだ。新しい観音石像を安置するのに利用されている。
隣りの穴はトンネルになっているが、もとは「やぐら」だったかもしれない。
トンネルをくぐると北側の墓地で、まず、少し高まった位置に「やぐら」が一つある。
禅宗建築の「花頭 かとう 窓」に似た形だが、まったく崩れていない↑。近年に彫ったものかもしれない。僧侶の墓に使われている。
墓地の背後の崖を概観。左から右へ。奥には古い墓石が集められており、その奥に「やぐら」が見える。
最右の「やぐら」は、布袋尊のほこらになっている。かなり荒い作りだ。ほかの「やぐら」も、入り口の袖(羨道)が無いのが、ここの特徴であるようだ。
右から左へ、墓地奥の崖を、やや近づいて撮していく。
この「やぐら」↑は、すこし複雑だ。「やぐら」の内部に、入れ子式に小さな方形の壁龕 へきがん が幾つもある。五輪塔が置かれた壁龕もある。矢印の壁龕には観音石像が収まっている。
次の「やぐら」。石祠が収まっている。この「やぐら」は掘りがきれいで、後世の造作を思わせる。
次の「やぐら」↓。右から左へ移動しながら撮している。
やはり、袖が無いのが、ここの「やぐら」の特徴だ。ということは、室町時代に造られたのだろうか。
次の「やぐら」。たくさんの石仏と僧墓が収められている。
次の「やぐら」群。3穴の「やぐら」がある。
「第1穴」と「第2穴」↓。
「第3穴」↓。いずれも、袖は無く、入れ子式に壁龕を掘りこむ式だ。個人の墓所として利用されている。
入り口に戻って「鐘楼門」をくぐり、「本堂」から「西墓地」のほうへ回って行こう。
「本堂」↓。
奥の高台の両側崖に↑「やぐら」群が掘られている。向こう側が「北墓地」の「やぐら」群で、こちら側が、これから見る「西墓地」の「やぐら」群。手前の藁ぶき屋根は「書院」。
「西墓地」↓。谷地奥の高所まで広がっている。
墓地の右(北)へりの崖に「やぐら」群がある↓。まず、いちばん奥まで行って、順に左から右へ見ていこう。
ここがいちばん奥↓。左の・浅い方形のくぼみも、「やぐら」に数えるのだろう。
右の方形の穴↑は、「やぐら」ではなく、「横井戸」というものだそうだ。奥がずっと続いている。水平に掘って地下水脈に当たり、水がわいたのだろう。今は涸れているが。
その右。「やぐら」というより “ひさし” だが、僧墓が並んでいる。
たいへんに奥行きの浅い「やぐら」ばかりだが、入れ子式の壁龕をもつ2段構え――いわば「逆袖式」の構造は具えている。
中央の穴は、崖の角が浅く掘られているだけ↑。右の穴は、比較的奥行きがある:
やはり、袖は無く、奥に「入れ子式」に壁龕がある↑。崖の高所にも「やぐら」が見える:
さらに進んでいくと、竹林の奥に「やぐら」群がある。左から右へ。
正面の4つの穴に近づいてみよう:
いちばん右の穴は、かまぼこ形で小さい:
「浄智寺」は、以上。全体として、奥行きの浅いものが多かった。すべて、袖(羨道)が無く、「入れ子式」の壁龕を具えたものが多い。先日の「東瓜ヶ谷やぐら群」のすぐ近くに位置しているのに、まったく対照的な形態をもっている。この違いは、造られた年代の相違によるものだろうか。
「浄智寺」を出て、鎌倉方面に向かって峠を越えてゆく。峠に立つと、「源氏山」が正面に見える。
峠で「葛原岡ハイキング・コース」と別れる。そこからの下りは、たいへんに急だ。最近、滑落事故が起きたそうだ。登山経験者以外には、このルートはお勧めしない。
タイムレコード 20260123 [無印は気圧高度]
1329「北鎌倉」駅[25mMAP] - 1336「浄智寺」総門[32m1339 - 1445「浄智寺」墓地上端[69m]1448 - 1454「浄智寺」山門・出口[39m] - 1459「葛原岡ハイキング・コース」入口[47m] - 1503「葛原岡ハイキング・コース」岐れ[67m=GPS]1507 - (2) へつづく。
























































